第43話

文字数 2,757文字


源三郎江戸日記(弟三部)43

飛猿が奴らは旅籠に丸太恭介の行方を聞いて、いないとわかり、近くの輪唱寺に入りました、中に5人の侍がいます、何処かの藩士みたいで、多分討ってと思います、才蔵が見張って、
いますが、どうやら今日はその寺に逗留するみたいですというので、丸太は討ってがかかっているとは知らんのだろう、落合宿には随分いたみたいじあが、脱藩したのなら中山道で、
はでなく、

京に出て東海道を江戸に向かうはずだ、あんな所に留まっているはずがない、仕方ない乗り込むかと言うと、みんなをつれて輪唱寺に行き門を入ると、5人が出て来たのでわしは諸国、
巡察視の村上源三郎じあ、この寺に不審な者達がいると名主から知らせがあったので、調べに来たのじあ、頭はだれじあと言うと、わたしは田村左近と申し、この者達の頭にござるが、
怪しいものではないと言うので、

どこかの藩士のようじあがと聞くと、大垣藩徒歩頭に御座ると言うので、丸太恭介を探しているようじあが、藩からの討ってかと聞くと、藩内部の事なれば申し上げられぬというので、
朱印状をみせて、わしは上様直々の役である、諸国巡察視とは街道筋ばかりではなく、藩内の掃除も役目の一つなのだ、わしに逆らう者は上様への反乱とみなして、藩は減封か改易に、
なるぞ、

ありていに事情は話しなされ、悪いようにはせんと言うと、わかり申した中にお入りなされと言うので、お前たちは外てまっておれ、お玉のみ入れと言うと、二人で中に入り座敷に座、
ったのです、田村が丸太恭介は藩の金寸300両を着服して逐電いたしたので御座る、我々は討ってでござると上意討ちの書付を見せたのでこれは大垣藩公の指図かと聞くと、お松の方、
様の指図にごさいますと言うので、

藩主はご存知なのかと聞くと、お方様からはそう聞いておりますと言うので、これには藩主の花押がないではないか、こんなものは正式なものとは認められんと言うと、しかしお方様、
の指図にはわれわれは逆らえませぬと言うので、女子が政に口を挟むとはけしからぬ、それに丸太恭介は剣術指南役であろう、勘定方でもないのに300両の金寸を着服できる訳がないと、
言うと、

丸太恭介をご存知ですかと聞くので、江戸の堀内道場の同門じあ、腕は互角と言うところじあろう、そなた達が討ち取れる相手ではない、それに、剣一筋の奴なられば不正など働く訳、
がない、本当の事をはなせば寛容に処置で済ませるが、隠し立てするとこれから大垣に行き、つぶさに調べて、藩に落ち度があれば上様にはその通りに報告する、それを阻止するなら、

藩を上げて手向かえばよい、わしの言う事は老中といえど聞かねばならぬ、隣国の大名の兵を動員する事も可能じあ、尾張公といえどもわしの要請には従わねばならぬのじあ、帰って、
そのめぎつねに伝えよと言うと、して丸太恭介はいま何処にと聞くので、わしが諸国巡察視の配下として加えた、今頃はわしが巡察出来なかった宿場の掃除をして江戸に向かっている、
何人といえず手出しはならんと言うと、

わかり申した、本当のことを申しあげます、なにとぞ大垣藩に寛大な処置をと言うので、わかった、事は内々に納めるようにいたそうというと、ご存知とは思いますが、殿には江戸に、
正室おまんのかたがおり、嫡子定行様がいます、国元におられるお松の方にはお子はいません、そこで殿に側室を新たに選ぶ事にされたそうです、確実に子が出来るようにとすでに子供、
を産んだ事ののある者を殿のそばに召しだす事になったそうです、

お松の方は美形で才女である丸太恭介の才女に目をつけられて、殿に差し出すように指図されたので御座る、丸太恭介はこれを拒否して大垣藩退散の願いを目付けに差し出して城下を、
離れたのでござる、これに怒られたお松の方が討ってを出されたのですが、行方がしれず、大阪に出て東海道を上ったのだろうと街道をくまなく探したのですが、みつからなかった、
ので御座る、

ところが藩御用達の美濃屋の手代が、10日前に丸太らしき人物を中山道の道筋で見かけたと届け出たので御座る、そこで再び討ってを差し向ける事になったそうで、われわれが選ばれ、
たのでござる、理不尽では御座るが、我々は拒否できませぬ、大垣を出て念のため宿場事の旅籠をしらみつぶしに調べてここまで来たのですと言うので、何と言う事を正室に対抗する、
為に、

自分の息のかかった側室に子供を産ませつもりであろう、そのめぎつねは美濃屋の娘であろうというと、そのとおりに御座いますというので、国家老は何をしているのだと聞くと、この、
件を殿に申され諌められたところ、登城停止となり謹慎させられたので御座りますと言ったのです、美濃屋と藩重役とその、めぎつねがつるみ藩政を壟断しているのであろう、そつこく、
帰って、

わしが総てを退治すると言うておったと伝えよ、逆らう者は厳罰に処するとな、そなた達に切腹などと言いだしても聞いてはならぬ、こころある者を結集して国家老の屋敷に立てこもり、
わしが行くまで踏ん張るのじあというと、承知いたしましたと言うと寺を出て大垣に帰っていったのです、みんなで居酒屋に入り酒と肴を注文して、明日は戦じあ叩き潰してめぎつね、
退治をするぞと杯を傾けたのです、

田村は大垣に帰ると、お松の方が討ち取ったのかと聞くので、いや、途中で巡察視一行と出会い引き返しましたと源三郎の口上を言うと、おのれそなた達はわらわの言いつけに背くつも、
りか、直ちに切腹せよというと、それは出来ませぬ、これ以上はに政に口ばしは入れぬことじあというとその場を離れて城を下がったのです、次席家老を呼び直ちにかの者達を討ち取れ、
と言うと、

それは無謀に御座りますと言って、お松の方と藩主の元にいき諸国巡察視に逆らえば間違いなく改易になりますと言うと、お松の方が領内に入ったところで軍勢を差し向け討ち取りなさ、
れ、相手は少人数にございますと言うと、そのような事をすれば我が藩は改易になるぞと言うと、死人に口なしでござります、殿はわらわを見捨てなさるのかとすがるので、仕方ない、
田村共はすておけ、

巡察視一行は野党に見せかけて国境で討ち果たせば良い、浪人の格好をさせて待ち伏せろと言うと、ハツと返事して御座所を下がり、馬周りの頭を呼び手だれを30人集めて、巡察視一行、
を国境で討ち取るのじあと指図したのです、馬周り頭の北川は手の者を集めて、支度して国境に向かったのです、源三郎は翌日、飛猿と才蔵に奴らはかならず待ち伏せをかけるはずだ、
どこにいるか先に行き調べるのじあと言うと、承知と言うと2人は馬に乗りでかけていったのです、

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