第54話

文字数 2,951文字


源三郎江戸日記(弟三部)54

お手数をおかけ申しましたというと、何のわしの責任じあ、手篭めにされた町娘にはわしからわびを入れて、金寸を包もうと言って、丹下200両を持ってこいと言うと、もって来たので、
源三郎一つ使いを頼みたい、その娘の家に行きわしの口上を言うて金寸を渡してくれないか、足りずば気の済むまで用意するぞと言うので、承知仕りました、処置が終わりましたら報告、
に上がります、

京には10日程滞在しますと言うと、宜しく頼むぞと言うので、屋敷の小者に風呂敷つつみを抱えさせて、屋敷を出て角を曲がると、浪人5人に先程の男3人が出て来たので、まだ懲りんのか、
と言って、小者に下がっているように言うと、刀を抜き峰に持ち代えて、踏み込み片っ端から肩を叩くとガキッと骨の折れる音がして、ぐえ~とって転がったので、三人の肩も打ち据えて、
肩の骨を叩き折ったのです、

丁度良いおまえ達が手篭めにした町娘は何人じあ、言わぬと骨だけでは済まぬぞと言うと、ブル、ブル、震えて3人の名前を言ったのです、いいか、今度はその首が胴と離れる事になるぞ、
そこの浪人もそうじあ、医者に見せて、即座に京を出て行け、こんど見かけたら間違いなく切り捨てるぞと言うと、みんなが立ち上がり、肩を抑えながら逃げていったのです、三件まわり、
近衛公の代わりに頭を下げて、

50両づつ渡したのです、みんな、料理屋の女中で、こんなに貰ろうていいのですかと言うので、いいのじあよ、金で済むことではないが、馬鹿な衛士のした事じあ、わしが肩の骨を叩き、
おり、京の町から追い出したと言う、そうですか、ありがとう御座います、これで安心して働けますと言うので、奉行所にも今度からは取り締まるように言ておくと言うと、あのと言う、
ので、

なんじあと聞くと、生娘ではないのですが言うので、良いのじあ、好きでも無い者に無理やり手篭めにされたのじあ、遠慮なく受取るが良いと言うと、ハイ、こんな大金もった事ありませ、
んと喜んだのです、全部が終わったので近衛公に面会して、みなが、許してくれましたと言って、残りの50両を差し出すと、それは源三郎の手間賃じあ取っておいてくれと言うので、それ、
では遠慮なくと受取ると、

今日はこれから禁裏に上がらねばならぬ、帰るまでに是非来てくれ、色々話もあるでのうと言って、禁裏も財政が厳しくて大変なんじあよと言うので、それでは財政改革の指南を致します、
かなと言うと、おう、そなたは上杉家の筆頭家老であろう、大分財政が立ち直ったと聞く、又吉宗公がここに立ち寄られた時に、そなたに、指南しても貰ったと言うておった、禁裏も是非、
頼むと言って、

後日みんなに合わせようと言ったので、承知いたしましたと言って伏見の家に戻ったのです、お玉とおみちが出迎えて、お戻りなされませと言うので部屋に入り、あの三人は肩の骨を折っ、
て京から追い出した、手篭めにあった者達には見舞い金を近衛公から貰い、50両づつ渡して許してもろうた、又これはおみちへの迷惑料じあと50両渡すと、こんなに沢山ですか私は手篭、
にはされていませんと言うので、

いいのだよ、貰っておきなさい邪魔にはならぬと言うと、こんな大金見た事ありませんと、喜んだのです、もう、店に帰ってもよいぞと言うと、ここにおられる間お世話させてください、
料理、洗濯、飯炊き、風呂たき何でも出来ますと言うので、それでは料理屋が困るじあろうと言うと、たくさん女中はいます、女将さんはゆるしてくださりますと言うので、そうかそれ、
なら頼もうと言うと、

下働きと馬の面倒を見るものも知っていますと言うので、それでは、2分銀の手間賃を払うぞと出すと、いりません、これだけあれば十分ですと言うので、それは迷惑料じあよ、2人の、
手間賃と滞在の費用じあと5両を渡すと、お預かりします、美味しい京料理を作りますと言うので、お玉教えてもらえばどうだと言うと、そうですね、おみち指南してくれるかと聞くと、
ハイ、沢山お教えしますと言うと、

女将さんに言うて、下働きの源吉さんを連れてきます、馬の扱いも上手いですよと、言うと部屋を出て行ったのです、お玉、あの者にここをあげて、料理屋をやらせるのはどうかなと聞く、
と、それは良いですね、私から話しておきましょうと言うので、開業資金をこの中から、300両出してやろうと言うと、ハイ、喜びますよと言うので、禁裏の財政改革を近衛公から頼まれ、
たのじあと言うと、

やつぱり鉢は回ってくるのですねと笑ったのです、飛猿を呼びこれから大阪の玄海屋に行きあしたの朝にタイ20匹、アジ20匹、はも20匹、伊勢えび20匹をここに届けるように言うてくれ、
いけすに入っているのですぐに手にいれられるはずだと言うと、承知と言うと出ていったのです、才蔵は摂津屋の蔵に忍び込み、朝廷への貸付金の約定書、賂の書付に貯めた金寸を調べて、
賂の書付のみ手に入れろと頼んだのです、

みんなが戻ってきたので様子を聞くと、居酒屋でタダ飲みをしょうとした九条関白家の衛士を懲らしめて金を払わせました、諸国巡察視の配下だと名乗りましたがと言うので、それで良い、
用人の耳にはいれば何か言うてくるじあろう、あしたからも、構わず懲らしめて名前も名乗って良いぞと言ったのです、町方が手を出さぬのでやりたい放題なんじあな、ならば公家に引導、
をわたそう、

京都町奉行はたしか旗本400石の板倉陣内のはずじあがと言うと、山形が板倉殿の前の奉行の時、日野家の衛士がかたりを働いたとして商家から訴えがあり拘束して、吟味したところ衛士、
は武家であり、町方は手を出せぬはずだと日野家の用人から引渡しを要求されて、引き渡した事があったそうです、幕府でも旗本や大名には町方は手を出せないのと同じだそうです、

しかし引き渡しても禁裏では内々で済ましているそうなので、悪さをする者が後をたたないと言う事でしょうと言うので、たしかに詮議するのは禁裏だが、詮議した結果罪を犯していれ、
ば町奉行に引き渡して町奉行が処罰するのが当然だが、引き渡さないのなら手がうてないわけじあな、禁裏には目付けと言う職がないので、そうなるのか、各公家の用人が仕置きしている、
ので、

家に類を及ばさないように処置しているのじあろう、奉行も強硬に抗議すると自分の首が危ないと、躊躇しているのじあろうと言ったのです、よし、少し脅かしてやるかと言うと、お玉を、
つれて、関白九条家に行き用人に面会をもとめると、奥に通されて九条家用人赤城右近でござるが、何ようで御座るかと言うので、九条家の衛士が金も払わず飲み食いするとはどういう事、
で御座るかと切りだすと、

そのような事は聞いていないと言うので、そうですか、用人には何も言うていないのですな、近衛家の衛士も狼藉を働いたので、それがしが肩の骨を叩きおり、京都を追放したが、お手前、
は、その赤城の親族かと聞くと、弟に御座ると言うので、よもやかばい立てして当屋敷にかくまっているのではないでろうなと言うと、おりますがお引渡しはできぬと言うので、屋敷内な、
らともかく、

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