第73話

文字数 2,747文字


源三郎江戸日記(弟三部)73

名前を書くと、家を念じてその紙を落とせばそなたの神棚へ張り付くぞと言うので、覗いて家を出して落とすと、ひらひらと舞って落ちて行き神棚に張り付いたのです、下を通った家人、
がそれを見つけて慌てて主人に渡すと、なんとおとしの字ではないか、半里東に行った川原かみんな行くぞと言うと川原に行くと草が生い茂っています、1人の男がありましたと言うの、
で草をどけると、

白骨した遺体があり、こんな処にいたのか、可愛そうに、今お寺に運び供養してやるぞと言うと、戸板にそのままの格好で載せて、静かに近くの寺に運び、住職に去年の大雨で流された、
娘の遺骸です、ねんごろに供養して下さいと言うと、四角い箱の棺おけと生前着ていた着物に6文銭を持ってきなさいというので、町に帰り大急ぎで棺おけを作ってもらい、着物と6文銭、
を持ち寺に行くと、

骨を棺桶けの中にそのまま入れて着物を被せて、顔には白い布を被せて、蓋をして横に置き、住職がお経を読み、終わるとこれで天国にいけますよと言うと、ありがとう御座いましたと、
言うと、今日は通夜と葬式をここでやりなさい、明日は墓に埋葬するが良いと言ったのです、番人が良かったな長くかかったが、これで天国にいけるぞ、6文銭はと聞くとハイ、ここに、
と袖口から取り出して見せるので、

最前列にいけば直ぐに入れてくれるぞと言うと、ハイ、と言って天婆の処へ行くと、よかったなさあ早く船にのるのじあと言うと、船頭に6文銭を渡して乗り込んだのです、これでよいじ、
あろうと言うと、早速黄泉の国の入り口の改革が出来ましたねと案内人が笑ったのです、ところでそなたには名前があるのかと聞くと、ハイ、あきと言いますと言うので、そなたは死な、
ないかと聞くと、

お釈迦様の召使です肉体はありませぬ、魂だけです永久に死なないのですと言ったのです、さあ行きましょうと言うので、天婆の処に行くと、あんたは行ってもいいぞと言うので、手を、
かざして見てくれと言うと、いやなこったと言うのでなぜと聞くと、死んでもいない者にかざすと、わしの手が燃えるのじあと言うので、ほう、面白いなと言って手を握ると、なる程、
そこから煙が出て来て、

やめろアチチと言うので手を話すと、三途の川に手を入れるとジユ~と音がしたのです、すまん、すまんと言うと、だから言っただろう、お前みたいな奴は死んだら地獄に送ってやると、
怒ったので、あきが駄目ですよいたずらしてはと言って船に乗ろうとすると、船頭がこっちにと言うので見ると、七衛門です七衛門こんな処で何をしているのじあと言うと、船頭になれ、
なれしく声はかけてはならんと言うので、

そうじあよなあ、こんな処にいるはずはないかと言うと、船が出るぞと言うと竿を立てて上流にこいでいったのです、あきにここで落ちたらどうなるのじあと言うと、さあ、今まで落ち、
た人は知りませんがと言うので、ためしてみるかと言うと、又何をするのですかと言うので、サブンと飛び込むと背が立ちます、なんだ浅いではないかと言うと、船頭がお客さん冗談は、
やめてくれませんかと言うので、

すまん、すまんと言って、船に上がると、上げ潮ですから竿を上げますといって、傍に座りタバコ盆を出して、お客さんも一服どうですと差し出すので、これはすまんのうと言うとキセル、
を貰い一服吸って、中々良い葉ではないかと言うと、そうでしょう、舶来もんですよ、こんところ大分儲けましたねと言うので、小判位もっているのかと聞くと、ヘイと言て袖口から、
出すので、

一枚くれんかのうと言うと、何と交換しなさるんでと言うので、それが何も持ってこなかったので、じゃんけんでわしが勝ったらその小判をくれ、まけたら一発殴ってもよいぞと言うと、
天国に行く人を殴ってもいいだかと言うとので、お釈迦様にはわしから怒らないように言うてやると言うと、それはおもしれえ、やりましょうと言うので、最初はぐ~じあうぞと言って、
最初はぐ~、

ジャンケンポンと言ってぐ~を出すと、船頭はチョキを出したので、わしの勝ちじあなと言うと、くそ~と言って小判を渡したのです、その小判を掛けてもう一度と言うので、何両持っ、
ているのじあと聞くと、ヘイ、5両だったが1両取られたので後4両だと言うので、いいぞと言ってやると全部勝ったのです、残念だったなと言うと、いけねえ、もうつくだと言って慌て、
て竿を使い、

陸につけたのです、1両だけ貰って、後は返すよと4両返すと、いいんですかと言うので、いいんだよと言うと、これはすいませんと受取つたのです、あきがあきれています、きっと着い、
たらお釈迦様に叱られますよと言うので、これで勘弁してもらおうと小判を出すと、残念でした天国ではお金は必要ないのですと言うので、地獄は必要なのと聞くと、地獄の沙汰も金、
次第と言うでしょう、

閻魔大王は食べ物ほ天国から買うのでお金がいるそうです、でも地獄には米、肉、どぶろくしか、売ってはいけない事になっていますと言うので、そうか、地獄に行くと魚は食えぬのか、
と言うと、魚どころか握り飯も2日に一回しかでないそうですと言うので、何二日に一回の飯で血の池と針山を登らせられるのか、それは大変じあと言うと、死にはしないですが苦痛は、
伴うのですよと言ったのです、

あそこの洞穴の奥に四角い箱があり、それに乗りこの崖の上にでればすぐに天国ですと言うので、こ山は真っ黒じあが、何で出来ているんじあというと、鉄鉱石だそうです、これを溶か、
せば鉄の煮えたぎった物になり、色んな物が作れるそうです、天国の鍋、釜はこれから作るのですよと言うので、下を見ると5寸釘が沢山落ちています、この釘はと聞くと沢山作り過ぎ、
たので、

置いていったのでしょうと言うので、あの断崖絶壁は登れんかなと言うと、手で登れるはずはありませぬと言うので、試してみるか、落ちたら死ぬのかと聞くと、死にはしませんがもの、
凄~く痛みは感じますよと言うので、なら、やってみようと言うと、あきがあきれています、懐に石と袖に5寸釘を入れて、岩の引っ掛かりを登って行くと、途中で岩の引っ掛かりがなく、
登れません、

一段下に降りて5寸釘を打ち付けると刺さったので、上に登り足で耐えられるか試すと、登れそうです、次は大丈夫です、何本か釘を打ちついに頂上に登って、あきに登って来いと声を、
かけると、わたしは箱で上に行きます、まっていてくださいと言うと洞窟に入っていったのです、ススキが生い茂り先は何も見えませんが、三途の渡しはよく見えます、あそこが地獄の、
入口かと見ていると、

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