第79話

文字数 2,749文字


源三郎江戸日記(弟三部)79
 
それなら国元で他にも乱行を重ねているのであろうというと、一揆をくわだてたとして見せしめに、主謀者の村128人を女子供と言わず惨殺した事もあります、常軌を逸しておられますと、
言うので、それではおぬし達の親族も同じ目にあうのではと言うと、ハイ、どうする事も出来ませぬと言ったのです、わかった、わしは諸国巡察視の村上源三郎と言う者じあ、そのような、
暴君には隠居してもらうしかないと言うと、

家臣にはどうする事もできませぬと言うので、わしに任せておけと言って半蔵門の上屋敷に出向いて、諸国巡察視の村上源三郎である藩主直道様にお目どおりしたい、役目の上なれば拒否、
する事は出来ぬと言うと、用人がこちらへと座敷に案内するので座ると、江戸家老の時田佐内にござる、あいにく殿は病気にござれば、それがしが用件をお聞き申すと言うので、隣の部屋、
の伏兵は何の真似で御座るかと言って、

立ち上がり、フスマを蹴飛ばすと、そこにはタスキがけした藩士10名が様子を伺っていたのです、諸国巡察視に逆らうとはと言って刀を抜くと、全員が刀を抜き回りを取り囲んだのです、
踏み出して前の2人を切り下げて、次の2人を横に払い、片っ端から峰で打ち据えると、ぐわ~と声を出して、転がったのです、もう少し骨のある奴はおらんのかと、時田の首に刀を向け、
ると、

さあお切りなされと言うので、今は切らぬ、いつ国元に帰るのじあと聞くと、5日後に御座ると言うので、童を切り殺し、領民を殺戮し、諌めた藩士を惨殺、その一族を皆殺し、あまつさ、
え、人の妻を差し出せとは、気でも狂たか仮病を使わず顔をみせよと言うと、フスマが空きわしが直道じあと出て来たので、その首もらい受けるというと、周りにいた5人が刀を抜いたの、
で、これも踏み込んで叩き潰し、

さあお前1人になったぞ、死ねと一気に切り下げると、腰帯がスパ~と切れて、ぐわ~と言って泡を吹いて倒れたのです、時田が何と言う事をと言うので、死んではおらぬといって、後ろ、
からカッを入れると息を吹き返して、わしは死んだのかと言うので、死んではおらん、帯を切っただけじあと言うと、さあ、殺せというので、まだ懲りんのかと言うと、死んでも聞く耳持、
たぬと言うので、

しれものと、拳で顔面を殴り倒すとぐわ~と言ってひっくり返ったのです、参勤交替で国元に帰るまでに、隠居願いをだすのだ、出さない場合はその首もらいうけるぞ、と言うと部屋を出、
て深川に戻ったのです、直道は時田に起されて座ると、顔面がはれあがっています、くそ~、わしは絶対隠居等せんぞとわめくので、出さねば参勤交代の行列を襲い首を取ると申していま、
したがと言うと、

わしを守るのがそなたの役目であろう、わしが首を取られれば、明石藩は取り潰しとなり、困るのはそなた達だぞ、藩士200名は同道させよ、明石に戻れば奴も手はだせぬであろうと言っ、
て御座所を下がったのです、用人の林田がどうされるお積りでと、時田に聞くと、守るるしかあるまい、嫡子の届けはだしておらぬ、このまま死なれれば、末期の養子で改易か家禄半減、
になる、

いくら巡察視といえど軍勢は動員できぬであろうというと、しかし、あの殿では、後何人犠牲者が出るかわかりませぬぞと言うと、わしが腹切って乱行をやめられるのなら、いつでも腹は、
切るが、そんな事すれば火に油を注ぐだけじあ、何とか早く子を作らせるしかあるまい、子をんだ事のある八代の妻を気にいられたので、丁度良いと思うたが、逐電して奴に訴えたので、
あろう、

まずい事になったがやもうえまい、襲うとすれば品川から三島までの間だ、船に乗れば襲うのは不可能じあ、大阪に国元から藩士を呼び寄せれば手出しは出来まいといったのです、それで、
は国元に早飛脚を出して大阪の蔵屋敷に詰めるように言いますと用人が言ったのです、源三郎は居酒屋に行きおみよに権藤を呼んでくれと言うと、二階から権藤がおりてきて、小上がりに、
すわったので、

杯を重ねて飲み干すと、頼みがあるのだがと明石藩の事をはなし、浪人20人を集めて明石藩の前を行き、なるべく目立つようにして欲しいのじあ、さすれば、品川から三島の間に襲うと、
思うだろう、三島から船にのればホットするはずじあ、あくまでも脅しじあから、先先に行くのじあよ、箱根と三島のあいだで、山道の上に材木を積みそれを切り落として脅かしてやれ、

あくまでも脅かしじあ、行列の先頭の前に落とせば怪我人はでない、襲撃に失敗したと思わせろ、1人20両だそうと言うと、そんなにもらえれば100人から集まりますよと言うので20人で、
良い、5日後には、明石藩が江戸より参勤交代で国元に帰るので、先に出立して、目立つようにするのじあと言うと、承知しましたと言うので、玄海屋から600両届けさせる200両は馬の、
借り賃、

とそなたの報酬じあと言って、頼んだぞと言うと、店を出て料理屋に行き部屋に座り、女将に玄海屋の番頭と船頭を、呼んでくれるように言ったのです、番頭の松蔵と船頭の正吉が来た、
ので、膳を囲み杯を重ねて、今回は七衛門がいないので、船頭元締めの松吉が副将として戦に出てもらうと、訳を話し、船4隻を占有するので、相模屋に荷を引き受けてもらうのじあと、
言うと、

番頭が承知しました、直ぐに4隻に船子を集めて、戦準備に入りますと言うので、三島沖で明石藩の船を襲うぞ、恐らく三島から4隻に50人づつ分乗するだろう、その中の一隻に直道は、
乗るはずだ船の帆を焼き払い、炸裂弾を打ち込み船倉に退避させて、乗り移り、眠り薬の入った、筒を投げ込み、全員を捕縛する、それぞれが一斉に攻撃するのじあ、全員縛り上げた、
ら、

船を三島に曳航して、全員を代官所の牢にぶち込み、直道に引導を渡す、船には弾除けの、竹の筒を用意しろ、鉄砲10丁は、装備しているじあろうと言うと、承知と正吉が言ったのです、
飛猿と呼ぶと色々直道様の事を調べてみましたが、どうも上様の妹春姫様と寺男との間に出来た子供らしいのです、生まれて直ぐに、越前松平家に預けられたそうなので、越前公の三男、
として育てられ、

明石松平家に嫡男がいなかった為養子に行き藩主になったそうです、春姫様は現在は池田公の正室だそうですと言って、直道様はおん歳21才で、子供はいませんと言う、のでそうか嫡男、
がいないなら隠居はできぬ訳じあな、元からあんな粗暴だったのかと聞くと、将軍家の血筋なので越前松平家で腫れ物を扱うように育てられたようであのようになったそうです、又寺男、
は密かに始末されたそうですと言うので、

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