第98話

文字数 2,810文字


源三郎江戸日記(弟三部)98

医師にかかる程でもない者には有難いわけじあなと言うので、薬事の効能、飲み方の量、使い方等は袋ごとに書いておくのです、5千両もあれば実行できるでしょうと言うと、その5千両、
が無いのじあ、今回やっと父上に用立てしてもらえたのじあが、これは今までの手当てでなくなってしまうというので、それは心配いりませぬ、それがしから5000両づつ、銭屋から5000、
両づつ寄進いたします、

返す必要はありませぬと言うと、何1万両を寄進すると言うのかと驚くので、悪人から没収した金寸に御座います、又銭屋は東回りの航路を開き江戸に加賀の物産を運び商いをしますので、
寄進しても元は取れます、富山藩は薬、大聖寺藩の九谷村では良質の陶石があるそうでこれで色つきの陶磁器を作り久谷焼として江戸で売るのです、西国の有田に人を行かせて学ばせれ、
ば良いでしょう、

さらに塩田の開発です、七尾当たりでは塩を作っていると聞きました、さらに、蒔絵、輪島塗、越前かに等の海産物も江戸に運べるようにも銭屋の船を工夫して3日で江戸に運べるように、
してあります、物産は江戸が銭屋、京、大阪は加賀屋にやらせれば良いでしょう、各藩に物産会所を作り、町人を指導方として武士に取り立ててやらせるのです、何も知らない役人にやら、
せてはいけません、

会所の頭は藩主との繋ぎ役として藩主直属として藩を上げて取り組むのですと言うと、利次と利治がわかった、藩主みずから働けと言う事じあなと言うので、そうです、さすれば重役を、
始め改革に協力するでしょうと言ったのです、利常様も同じに御座いますと言うと、わかった、能登は本家領じあから、輪島塗、蒔絵、塩田も開発させよう、本家が潤えば支藩にも支援、
が出来るからのうと喜んだのです、

銭屋は後で加賀屋と相談して段取りをしてくれ、預けてある1万2千両はそれぞれ分けて両藩に渡してくれと頼み、せっかくのお越しじあ、芸者でもあげて楽しんで下され、費用は銭屋持、
ちで御座ると言うと、銭屋がこれは賂ではなく、ただの驕りに御座います、何も頼みませぬゆえご安心くだされと言うと、利常が遠慮なく馳走になろうと言って、源三郎ところで何処の、
悪人から没収したのじあと聞くので、

妙立寺の顕心と女郎屋をやっている弥平次からで御座います、なお妙立寺の仕掛けはことごとく壊しておきました、いまさら砦にする事もありますまいと言うと、あの仕掛けも源三郎に、
は何の役にも立たなかったと言うわけか、しかし、前田家の祈祷所で不正を働くとは顕心めと言うので、いまどき坊主が武装する等許してはいけませぬと言うと、しかし、幕府の横暴は、
警戒せねばならぬがと言うので、

もしもの事があったら攻めてくるのを待つてはいけませぬ、江戸に攻め上るのですと言うとと、しかし、ここからは無理であろうと言うので、銭屋は船を20隻もっています、これに100人、
づつ載せて、鉄砲隊を主力にして2000人の武装兵で江戸に行くのです、3日でいけるので幕府は防御は間に合いませぬ、江戸城を乗っ取ればよいのです、そうすれば幕府の権威は地に落ち、
て従う者は少なくなります、

二三日占拠して直ぐに撤退させるのです、船で京に向かい御所を取り囲み、幕府の無体を上申して、徳川追悼の宣旨を朝廷に出させて、錦の御旗を手にいれれば官軍となり全国から兵が、
集まります、加賀からも兵を送れば幕府はどうする事も出来なくなりますと言うと、なんと、恐ろしい事をと利次が言うので、それなら、徳川から姫を貰い親戚になり無体な事をさせな、
いようにすれば宜しいのですと言うと、

利常がわしはいやじゃったが、そなた達は徳川と仲良くせい、関が原から100年たった、上手く幕府の手をくぐりぬけて生き延びよと言って、江戸城を占拠したらさぞかしす~とするじあ、
ろうと笑うので、そのときはそれがしが手を貸しますぞと言うと、利治がそなたは幕府の役人ではないのかと聞くので、諸国巡察視を頼まれているだけで、幕府から扶持は貰ろうており、
ませぬので、

義理はないわけで御座いますと言うと、なる程幕府に義理はないのかと笑ったのです、利常にいざと言う時の為に火薬の調合等は長けている必要があります、花火職人を保護されて盛大、
な花火大会を毎年やるのです、色々花火を工夫させれば、いざと言う時に武器にも転用できますが、花火なので幕府は文句言えませぬ、花火の中に鉄片を入れれば立派な炸裂弾となり、
鉄砲の何倍もの威力がありますと言うと、

糞をつめれば祭りになにるのであろうと利常が言うので、そうです、糞も良い武器になりますというと、なる程攻撃は最大の防御と言う訳じあな、鉄砲も古くなったら作り変えて性能を、
上げて置く事が肝心じあな、古くなったのを破棄して作り変えるのは幕府も禁止できぬわけじあなと言うので、そうです、表面は花鳥風月で浪費しているように見せかけるのです、3日、
で海産物も江戸に運べますので、

江戸の上屋敷に幕閣の重臣を招いて加賀料理を馳走するのです、山海の珍味を出せば加賀藩は贅沢して浪費していると思います、年に一回の料理などは賂を幕閣に送るよりはず~と安あ、
がりですと言うと、なる程、色んな方法があるのじあな、鼻毛を伸ばして馬鹿をよそおうよりはず~と面白いと笑ったのです、利高が若くして死んだので、その子の後見として暫くは、
頑張らねばならぬが、

色々やる事が出来て楽しみじあな、又知恵を貸してくれと言うので、ハイ、それではそれがしはこれにて失礼します、今日は親子水入らずでお楽しみくだされと言うとと席を立ち部屋に、
戻ったのです、銭屋が色々有難うございました、これで、加賀120万石は安泰で、わたくしも儲ける事が出来ます、これは今回のお礼です、為替手形になっていますと渡すので見ると、
5000両の為替手形です、

これは有難い役目に使わせてもらうぞと言うと、ここの勘定もお任せくだされと言って、ここにも金沢芸者を呼びました、皆様楽しんでくだされと言うと部屋を出て行ったのです、再び、
皆で杯を重ねて、明日は長州の萩に行くぞ、ここも幕府を強く警戒している場所じあと言うと、お鶴が何故長州藩は裏側を城下町にしているのですかと言うので、表面は幕府に遠慮して、
と言う事になっているが、

攻めにくい裏側に城下町を作り警戒しているのさ、城の作りを見ればわかるぞいまどき山城を築いておる、堀の代わりに海が前にあり、攻めるのは軍船が必要なのじあよと言うと、みんな、
幕府を警戒しておるのですねと言うので、家光公の時代までに相当の藩が取り潰しに合っているから無理もない事じあが、そろそろ無体な取り潰しは止めないと、逆効果になると言う事、
じあなと酒を飲み干したのです、

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