第12話

文字数 2,887文字


源三郎江戸日記(弟三部)12

センスを出して仰ぐと若狭屋が4両と言うと、相馬屋が5両と言うので、若狭屋が6両と言うと、くそ邪魔をするつもりなのかと、よし、10両じあと言うと、若狭屋が10両2分と言うと、
ふん、じあ10両4分じあ、これでかかってくるじあろうと待っていると、源三郎がセンスを引っ込めたので、若狭湯は黙っています、何かかって来ないのかと言うと、さあ後ないかと、
言うも誰も声を出さないので、

相馬屋に10両4分で落ちましたと言うので、くそ~と相馬屋が言ったのです、懲りたので次には相馬屋は参加せず、様子を見て相馬屋が参加すると片っ端から根を吊り上げて降りて、
相馬屋に競り落とさせたのです、相馬屋はいずれも10両以上で競り落とし、売れるのは5、6両ですので大損したのです、さすがに懲りたのかその後は一切参加せず、普通に競り落、
とされたので、

馬喰、商人が喜んでいたのです、総てが終わり、駿馬の競りに入ると若狭屋と相馬屋の競合になり、こんどはセンスは出し放しにしたので、若狭屋がかたっぱなしで競りおとし、一頭、
も落とせず11頭に入ると、馬方頭が公正をきす為若狭屋は次から競りに参加しないように言うので、待て、そんな事は聞いておらんぞ、今まではそんな制限はしておらんじあろうと言、
うと

奉行がこれでは若狭屋のみが駿馬を手いれ、他の者に売りつけて暴利をむさぶりますと言うので、何を言うかそうやって来たのは、そなたと相馬屋じあろう、これを見ろ相馬屋がそなた、
に送った賂の書つけじあ、不正を働いているのはそなた達じあろう、わしに逆らえば打ち首獄門じあぞ、この二人を捕らえろ言う事を聞かないならおまえ達も成敗すると言うと、奉行が、
もはやこれまで、

みなの者構わん切り捨てろと言うので、とうとう尻尾をだしたな、みんなは下がっていろというと、藩士5名にお玉、お律、若狭屋が集まったので、逆らう者は痛めつけてやれと言うと、
役人が一斉に刀を抜いたので、全員が踏み出し切り伏せると、ぎや~と言って7人が転がり、奉行にお玉が切りかかるとうわ~と言って刀を落としてたので、お律が肩を打つとガキ~と、
骨がおれる音がしてひっくり帰ったのです、

今のは峰打ちじあ、まだかかってくるかこれ以上逆らえば切りすてるぞと言うと、残った10人が刀をしまい土下座するので、連れ出して医者に手当てさせろと言うと抱えて外に連れ出し、
たのです、みなに集まるよう言って、悪人は総て退治した、駿馬の競りは白紙に戻し、相馬屋は外して新たに競りを開始する、自由に競り落とせと言うと、競り方がそれでは最初から、
やりますと言って、

一頭づつ競りにかけられ高値で競り落とされたのです、競りが全部終わると、末蔵が春風を引いてきてお陰様で若狭屋さんに50両で競り落としてもらいましたと言うので、良かったな、
と言うと、若狭屋が疾風と同じょうにこれから旅に出られるぞ、奥方様に乗っていただくと言うので、ハイ、一緒にいられる疾風も喜ぶでしょうと言って、引き渡したのです、お玉が、
鞍に乗り、

春風頼むぞと言うとひひ~んと言ったのです、そこに、知らせを聞いた相馬藩の国家老が入って来て、これは村上殿相馬藩の不祥事でございますと言うので、ご家老も相馬公も知ら、
なかったのでしょう、上様には言いませんぞと言うと、かたじけのう御座る、あの者達は厳罰に処しますと言うので、それでは事が公になります、奉行は隠居させて、嫡子に家禄は継、
がせなせれ、

後の者は奉行の言いつけを聞いただけなので、謹慎6カ月にして、吟味役、競り方はじめ手向かいしなかった者は目こぼしなされと言うと、承知いたしました、寛大な処置に感謝します、
今後はこのような事がないように、駿馬は総て競りにかけて、1人10頭を競り落とすのを上限としますと言うので、それで良いでしょう、賂は総て没収して今まで損した者の保障金に宛、
てなされ、

相馬屋には罰則金5000両を課して藩に治めさせなされ、後は競りに参加させても宜しいですぞ、取り潰すとそこに奉公している者が糧を失います、厳重注意しなされと言うと、承知、
しましたと言うので、それでは引きたてなされと言うと、怪我の治療がおわり城下に引きたてられて行ったのです、吟味役の頭と競り方の頭によく奉行に加担しなかった、これからも、
公正になと言って、

それぞれ、50両づつ渡して、これで配下の者を慰労するのじあ、商人が寄進する金は受取っても良いが、便宜は図ってはならん、計らなければ賂にはならんぞ、公正にやれば少しは、
寄進してくれるはずじあ、それは貯めておき役人、皆の為につかえば良いと言うと、ハイ、承知致しました今後は奉行に無理強いされれば、ご家老に報告いたしますと言ったのです、

それでは番頭、2千両だけ積んで後は船に戻してくれ、荷馬車の馬方だけは借りるぞと言うと、ハイ、私はこれにて失礼しますと帰って行ったのです、馬蔵に良い馬は手にはいったか、
と聞くと、ハイ5頭程買いました、このともの張りでは良く働きますよと言うので、これから何処に行くのだと聞くと、ハイ、米沢に行き買い手を捜して、残れば会津で売りますと言、
うので、

そうかわしらも米沢に行くぞ付いてまいれと言うと、ハイと返事したのです、まだ日暮れには早い、疾風を迎えに行き行ける宿場までいくぞと言うと、牧場に行き馬を返して、疾風、
を呼ぶと傍に来たので、いっぱい甘えて来たかと言うと、ひひひ~となくのではみをかませて鞍をつけて、末蔵に達者で良い馬を育てろと言うと、ハイ、道中お気をつけて、疾風と、
春風をお頼み申しますと言ったのです、

牧場を出て街道を一路米沢に向かったのです、若狭屋が競りの間合いはぴったりでしたねと言うので、相馬屋は最初に面食らって動揺したのじあよ、若狭屋も芝居が上手かったなと、
言うと、それは商人で御座いますよと笑ったのです、馬蔵おまえの目利きは凄いな、みんな高値で取引されたではないかと言うと、ハイ、あっしらではとても落とせませんが、商人、
は大喜びしていましたと言ったのです、

道がいいので意外に進んで相馬から6里の宿場まで来る事が出来て、ここで一泊する事にしたのです、馬を頼み旅籠に入ると女将がおいでなされませ、山間で山菜の天ぷらと岩魚に、
相馬からハマグリを売りに来ましたので、焼ましょう、明日の朝はアジの干物があります、酒の肴は塩辛を出しますと言うので、ほう、海の物もあるのじあなと言うと、ハマグリは、
桶に海水を入れて持ってくるので新鮮ですよ、

道が良くなったので刺し身も時々食べられます、樽に入れて生きたまま運ぶのだそうです、米沢からの注文が多いので、ここら辺は少ししか手にはいりませんが、相馬藩の物産方が、
街道の真ん中あたりに海水のいけすを作っているそうで、そこに放して街道筋で食べられるように試すそうです、山の中に海を作るなんて誰が言い出したのですかねと笑ったのです、

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