第75話

文字数 2,748文字


源三郎江戸日記(弟三部)75

閻魔大王は大きな肉の塊を食いながらどぶろくを飲み、ジロ~と見て、何か用かと聞くので、重箱を出して広げると、なんじあ、酒と魚かと言うのでトックリの栓を抜き酌をするとグイ、
と飲んで、これは美味いと言うとタイの塩焼きを手掴みで食べて、中々のもんじあと喜んだので、気に入って貰い嬉しいです、さらにもう一つと小判を差し出すと、小判ではないかわし、
にくれるのかと聞くので、

どうぞと言うと、おおいに助かるぞと言って、罰を許す事は出来ぬが、望みがあれば申して見よというので、今日は午前中、亡者は全員血の池地獄に入れて、針山の番人赤鬼にこの酒を、
振る待ってくだされ、午後からは血の池地獄の番人を休ませて酒を振舞ってください、亡者は全員針山地獄にやってくださいと言うと、中々気が利くではないかよしそうしょう、お前は、
最後に血の池地獄に入り、

針山地獄も最後に登れば良い、1日の辛抱じあ、終われば現世に返してやるといって、針山の亡者は全員血の池にいれよと言うと、ヘイと赤鬼が言って、針山に行きみんな血の池へ入れ、
ぐずぐずするなと言うと、所狭しと血の池に入ると、あんまり亡者が入ったので煮えたぎっていた、血が生ぬるくなってしまったのです、それでは入るかと言って入ると中々の血加減。
です、

中には手ぬぐいを、頭に当てているものもいます、番人の青鬼はだれも苦しまないので、うたた寝を始めたのです、午前が終わり、みんな上がれと、いうので上がると、握り飯が配ら、
れ。今日は特別に漬物がついているぞ、こころして食えと言ったのです、中々の塩加減です、地獄の握り飯も美味いではないかと言うと、となりの亡者が今日は特別ですよ、いつもは、
塩なんてついちやいませんと言うので、

お前は何日いるのじあと聞くと、今日で11ヶ月と25日です後6日でこの苦痛から解放されます、金輪際悪い事はしませんと言ったのです、そうか、良い所へ生まれ変わるといいなと言う、
と、青鬼がさあ休みは終わりだ、針山を4回上り下りすけば今日はお仕舞いじあぞと言ってせきたてると、ぎや~と声を出して、針に突き刺さり修羅場と化したのですが、みんなが登っ、
た為、針には沢山の亡者が刺さり、

源三郎は簡単に上にのぽれ、次は下にと4回繰り返すと、お前は終わりじあと横に行かされ、上の者が終わると、下の者は又刺さりぎや~と声を出して、修羅場となったのです、閻魔、
大王の元につれていかれ、どうじあ痛い目にあったじあろうと言うので、中々良い血と針山は良い運動になりましたと言うと、そうか、よっぽど苦痛に強いのじあなと言って、青鬼に、
外まで送ってやれと言うと、

青鬼がこっちだと言うのでついて行くと、階段があり下っていくと、船着場がありしばらくすると船が来て、金はないがと言うと、帰りはタダなのじと言うので乗り込むと、船は川を、
さかのぼり船着場に向かったのです、船着場についたので船を下りると、あきが来ており、あの血の池地獄と針山地獄をみて、お釈迦様は笑っておいででしたよと言うと、手を握り、
空に舞い上がり東へ向かったのです、

町並みが見えてきて玄庵の家に入り下を見ると、お滝が座っています、あきがそれでは、入りますと言って手を放すと、す~と体に入ったのです、目を開けるとお滝は座ったまま目を瞑、
っているので、袖をひっばると目を覚まして、お気づきになりましたかと言うので、喉が渇いた水をくれと言うと、湯のみに水を入れたので、起き上がりゴクゴクと飲み、美味いと言う、
と、

みなさん、旦那様が目を覚まされましたよと呼ぶと、みんなが駆けつけて、良かった、良かったと喜んだのです、玄庵が傷をみましょうと包帯を取ると、ありあ、傷口が無いぞ、完全、
に塞がって完治しておる、何と不思議なと言うので、みんな、心配かけてすまんと言うと、おかゆを作ってきましたと部屋に入ってくるのでみるとおあきです、どうしてここにと言う、
と、

お滝がお忘れですか、根岸のおあきですよと言うので、ああ、そうかと言うと、おあきが片目をつぶり、にこにこ笑ったのです、玄庵がさあ食べなされと言うので、食べて美味いと言う、
と、もう動いても良いですよと言うので、それでは根岸に帰るとするかと言うと、お玉がとりあえず根岸にいきましょうと言ったのです、若狭屋が良かった、良かったというので、心配、
かけてすまぬと言うと、

なんの、みんなのお陰ですよ、又顔を見せて、くださいと言ったのです、籠を呼び根岸に帰ると、母上に手を取られて、お峰が部屋に来たので、心配かけてすまぬ、もう、大丈夫じあと、
言うと、本当に良かったですと言うので、もう大丈夫じあからゆつくり休めと言うと、それではと部屋に戻っていき、みんなも、さすがに疲れました、休ませてもらいます、おあき後は、
頼みましたよと言って部屋を出て行ったのです、

おあきお前はと言うと、ハイあきの体を借りています、もう少しで戻ります、さあ頑張りましょうと言って、布団に入って来たので裸にすると、この体は初めてですのでゆっくりと入、
れて下さいと言うので、指で擦り濡れて来たので一物をゆっくり入れて大丈夫かと言うと、ハイ、大丈夫ですと言うので、段々強く上下するとしがみついて来たのです、たまらず放出、
すると、

おあきがやはり肉体があると違いますねと手を握るので、これからも世話になるぞと言うと、ハイ、最初は市来多門ですねと言うので、そうじあなと言うと、今日は帰りますがその時、
呪文を唱えてくださいと言って胸に顔をうずめたのです、疲れていたみたいで目を瞑ると直ぐに寝てしまったみたいです、朝起きるとあきはいません、部屋に入って来てお目覚めです、
かと言うので、

もう大丈夫みたいじあなと言うと、ハイ、夕べは情けをかけてくださり嬉かったですと言うので、そなたは、どちらのおあきじあと聞くと、まあ、旦那様のいい人に同じ名前の人がい、
るのですかと聞くので、いや、いないよと言うと、へんな、旦那様と笑ったのです、起き上がり部屋に行くと、みんなが揃っており、傷口をみせてほら傷は治っているじあろうと言う、
と何が起こったのですかと驚くので、

朝餉をとりながら話そうといって、一連の事のなかでおあきと情を通じた事は隠して、色んないたずらしたので、地獄に送られた事にして話すと、お玉がそれは夢だったのですよと言う、
ので、多分そうじあろうと言って、あの娘に怪我がなくて良かった、市来の奴あの娘を射て、わしが助ける為に隙を見せたところを第二の矢でしとめるつもりだったのだと言うと、お滝、
が卑劣な奴ですね、

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