第41話

文字数 2,726文字


源三郎江戸日記(弟三部)41

そうですね、江戸で板前をやっていたのなら、そこそこの腕でしょう、どこかで、美味しいものでも作って貰いましょうと笑ったのです、夕暮れ前に落ち合い宿ににつき旅籠に宿を取、
たのです、ここは大きな宿場じあ、それなりの悪人はいるじあろうというと、女将がおいでなさりませ、湯は沸いていますと言うので、湯を浴びたら町に出るので、夕餉はその後で良、
いと言って、

遊び人風の人間が歩いていたがと言うと、山城一家のごろつきですと言うので、悪さでもしておるのかと聞くと、ええ、ゆすり、たかりは序の口ですよ、子分が20人はいます常盤一家、
と縄張りでもめているようで、喧嘩は絶えません、迷惑な事ですと言うので、どちらもヤシの元締めかと聞くと、ハイ、常盤一家の文蔵さんは良い人ですが、山城一家の為吉はあこぎ、
な奴です、

博打場、高利貸、女郎屋、お茶屋をやっていて、イカサマ博打で金を巻き上げて、払えなくなると娘を女郎屋やお茶屋で働かしているんですよと言うので、いつもと同じかと言うと、
山形がここは私たちに任してくだされと言うので、そうじあな、好きに懲らしめてやれと言うと、承知と言うと旅籠を出て行ったのです、それでは湯に入りそれから出掛けよう裏の、
ネズミを才蔵と飛猿が探してくるじあろうと言って湯に行ったのです、

湯から上がり2人で居酒屋にはいり杯を傾けると、才蔵が傍に来て、山城一家と常陸一家の話をして山城一家には5人の用心棒がいます、常陸一家には1人いますが、これが剣の達人だ、
そうですと言うので、なぜ山城一家が好き放題やっているのじあと聞くと、常陸一家の用心棒、丸太恭介と言うのだそうですが、やくざ同士の喧嘩には手をださず、山城屋の用心棒、
が出てくれば助っ人するそうです、

常陸一家の文蔵は島内の事以外には手をださないそうで、博打場、女郎屋、お茶屋は山城一家の島内にあるそうですと言うので、丸太恭介と言うたな、そいつは一刀流の使い手だろ、
うと言うと、ハイ、凄腕だそうで前に山城一家の5人が取り囲んだそうですが、簡単に転がされたそうです、必ず峰うちをするとの事です、それで、浪人は喧嘩にださないように為吉、
はしているそうですと言うので、

わかった、山形達にまかしてあるので、山形にその丸太恭介は堀内道場の目録持ちだ手を出すなと言てくれと言うと、知り合いでと聞くので、ああ、わしの兄弟子だ立ち会ったのは、
二度ばかりあるが、一勝一敗の引き分けで、直ぐに美濃大垣藩の剣術指南役に、堀内先生が推挙なされて250石で仕官したはずじあが、何かあってお家をはなれたのじあろう、たしか、
妻女に娘が1人いたはずじあと言ったのです、

才蔵が為吉は代官に賂を毎月100両贈っていて、為吉の蔵には2500両が一緒にありましたと、賂の書付を渡したのです、それでは為吉を懲らしめます、と言って傍を離れたのです、
お玉が強敵現るですねと言うので、丸太恭介は律儀な奴だ妻女もいるし食うために用心棒をやっているのじあろう、これから、会いに行くとしょうと言うと店を出て常陸一家に向か、
ったのです、

常陸一家に行くと、どちらさんでと子分が聞くので、ここに、丸田恭介と言う浪人がいるじあろう、村上源三郎が会いに来たと言ってくれと言うと、ヘイ、お待くだせえと言って、
奥に行き、戻ってくると、こちらにと言うので奥の部屋に行くと、これは源三郎殿ではないかと言うので二人で座り、丸太殿一別いらいで御座るが、大垣藩はどうされたのじあと、
聞くと、

訳あってお家を離れていまは浪々の身でこの有様じあと言うと、これは妻女のたまに御座ると言うと、玉に御座います、堀内道場の兄弟子とききましたがと言うと、そうで御座るが、
源三郎の腕はわしより上で御座る、そのなりは一緒に旅をしてなさるのかと聞くので、わしは今諸国巡察視の役目についており、中山道の掃除をしておると言うとそうで御座ったか、
と言うので、

律儀な丸太殿がなぜ山城一家を野放しにしておられるのじあと聞くと、やくざ同士のいざこざには手は出し申さん、相手が武士なら手を貸すという用心棒の役目で御座ると言うので、
もし、常盤一家が無体な事をしていればそなたと立ち会う事になるがと言うと、是非もなしで御座る、それがしも剣客なら源三郎殿と立会い死んでも悔いはないと言うので、剣が災、
いになったので御座るかと聞くと、

そうではないお家を離れたのは別儀で御座ると言ったのです、それでは文蔵はいるかと聞くと、ハイ、文蔵で御座いますと言うので、街中での喧嘩は町衆に迷惑じあ、やるなら川原、
で、決着をつけろと言うと、代官様がお許しになりませんと言うので、わしが、さし許す喧嘩状をしたため明日あけ六つに決着をつけろ、負けたほうはこの宿場から出て行くのじあ、
と言うと、

お断りします、わたしは喧嘩が商売ではありません、ヤシの元締めとして神社仏閣の縄張りが仕事で御座います、島内は代官様との取り決めに御座います、そこで悪さをすれば追い払、
うのが当たり前ですと言うので、なる程それも一利あるが、出入りに自信がないのであろうと言うと、いいえ、そうではありません、そんな事で配下に死人を作るわけには行きません、
と言ったのです、

ならば町衆に聞いて、お前の配下が悪さをしているなら、そなたを忠罰するがと言うと、かまいません、どうぞ、何でも聞いてくださいませと言ったのです、分かった、その言葉を忘、
れるなよと言って、それでは丸太殿いずれ又と言うと常陸屋を出て居酒屋に戻ったのです、中々頑固じあが筋の通った奴じあなと言うと、悪い事はやっていないのでしょうとお玉が言、
ったのです、

飛猿が傍に来て、山形さん達が町で悪さをしていた山城屋の子分6人を叩きのめしました、これから博打場に行き賭場荒らしをして来ますと出て行ったのです、暫くして山形達が戻って、
来て、浪人3人と配下5人を叩き潰し、元金を渡して客は返しました、こいつが仕切っていた松吉です、しめて760両ありましたと言うので、それでは、為吉を叩き潰し、総ての金は、
没収しろ、

代官が出てきたら、これを見せて全員捕縛して代官所に連れて行け、後は山形が仕置きしろ、終わったらここに代官の金と没収した金を持って来てくれと言うと、承知と言うと松吉をつ、
れて山城一家に向かったのです、それではゆつくり待つとしょうと言うと、山形は張り切っていましたねと笑うので、悪人をたたき潰すのが快感になって来たのじあろう、わしは、あき、
が来たがと酒を飲み干したのです、

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