第14話

文字数 2,943文字

源三郎江戸日記(弟三部)14

国家老の千坂兵部にござります、よくおいでなされた、今日は旅のつかれをゆっくり癒しなされと言うので、それでは明日お伺いしますと言うと、部屋を出て城を下がり、屋敷に向かう、
と城から知らせが行たらしく、お春以下が出迎えてお戻りなされませと言うので、足をすすぎ部屋に入り、お玉とお律、若狭屋を紹介すると、春に御座ります宜しくお願いしますと言う、
ので、

お玉がよろしゅう頼むぞと言って、お律も宜しく頼みますと挨拶して、若狭屋が話はご家老か聞いております、留守居役ご苦労に御座いますと挨拶したのです、秋山達も元気そうじあな、
と言うと、ハイ、一生懸命修行していますと言うので、今年の参勤交代には江戸に来るのじあと言うと、ハイと返事して、菊次郎も元気そうじあなと言うと、ハイ、腕も上がりましたと言、
うので、

そうかもう直ぐ印西に帰れるぞ、もう少しの我慢じあと言って、今日は料理屋で殿と会う事になっておると言うと、ハイ、ゆつくりとお話してきて下されと言うので、茶付けの用意は頼む、
ぞと言うと、承知いたしました、奥方様とお律様には台所と女中達を紹介しますと言うと、部屋を出て行ったのです、若狭屋きょうも一緒に湯にはいろうと言うと、ハイ、と言うので連れ、
立って湯に向かったのです、

湯から上がり上がり酒を飲んで、それでは出掛けるぞと屋敷を出て歩いて行くと、城下町は人が一杯です、料理屋に入ると、女将がお戻りなされませと言って座敷に案内したのです、殿様、
と奥それは方様は城を出られたそうです、しばしお待ちくだされと部屋を出ていくと、直ぐに治憲と奥方が入って来て、上座に座ると、膳が運ばれて来たのです、女将と女中が酌をしたの、
で杯を重ねたのです、

治憲が明日は余は源三郎との話があるので、奥がお玉と若狭屋を醸造所、物産会所に案内する、お律は柘植が米沢を案内するぞと言うので、承知しましたと言うと、お玉が奥方様の若侍姿、
もよくお似合いですと言うと、この格好で見回りしているのですよと言って、お二人も若侍の格好がよく似合いますよと言ったのです、女将柘植を呼んでくれと言うと、呼び行き部屋に入、
り、

柘植に御座いますと言うので、減三郎がみなを紹介すると、治憲が明日はお律を案内するのじあと言うと、殿の護衛はよろしいのですかと言うので、近習達にまかせておけ、それに源三郎、
がいるので大事ないぞと言うと、承知致しました、明日はお屋敷に迎えにいきますと言うので、今日はそなたもここに来て飲めというと、なりませぬ、今日はわたくしが護衛役なれば持ち、
場を外れる事は出来ませぬと言うので、

律儀な奴よのう、分かった好きにするが良いと言うと、ハハッ、それでは失礼しますと部屋を出て行ったのです、治憲が無骨な奴だが悪い奴ではない、お律明日はそなたが案内役になるかも、
知れぬぞ、米沢は桜はまだ5分咲きじあが、中々良いもんじあぞと言うと、ハイおまかせくださりませと言ったのです、奥方様干し梅菓子と梅酒はどうで御座るかと聞くと、干し梅はすでに、
江戸に出しました、

今頃は店に並んでいるでしょう、今年は良い梅が沢山とれましたので、梅酒は8月には出せますと言うので、それは楽しみに御座いますなあと言うと、明日はお玉殿と若狭屋を案内しますよ、
今飲むと酒にはなっていませんが、美味しい梅の絞り汁が飲めます、甘酸っぱくてとても美味しいですよと言ったのです、米沢織は大変な評判にござります、将軍家に献上されたのを伊達、
様に下げ渡されたそうで、

それを見た江戸の反物問屋が是非商いさせてくれと言うていましたと言うと、治憲が上様からもう一度献上してくれと言われたので、江戸の上屋敷に送ったところじあ、上様が伊達公に、
下げ渡した事を知った奥方様が自分も欲しいと言われたそうなんじあと言うので、伊達公が自慢したのを誰かが奥方様に言うたのでしょう、きめ細かくて、染めた色があでやかだそうに、
御座いますと言うと、

織部と桑山の自信の作なんじあよ、また焼き物も評判は良いそうじあ、旅に出る前に見に行き褒めてやってくれと言うので、ハイ、何か褒美をやりましょう、そうだ、治憲様と奥方様に、
もと葵の刻印いりの小判を出して、綱豊様の下され物ですと渡すと、ほう次期将軍様の葵の刻印入りじあな、これは良い物をもろうたぞと言うと、奥方もほんに貴重な物ですねと言うの、
で、

奥方に10両渡して、干し梅と梅酒を造っている者共に、お渡しなされと言うと、これは皆喜びますと言ったので、殿にもお渡ししましょうと言うと、わしが渡すと、貰えぬ者が僻むので、
源三郎が渡すと良いと言うので、そうですな、それがしなら問題ないですねと言ったのです、あんまり渡すと価値がなくなりますかと笑うと、そうか、こんどは上杉の刻印をつけて家臣、
に渡せば安くて済むなと言うので、

それは良い方法ですが、使ってくれないと金が回らず景気はよくなりませぬとお玉が言うので、そうじあな、金寸は使って初めて価値があるのじあなと言うので、若狭屋がそうで御座い、
ます、世の中に金寸をいかに回すかが大事に御座りますと言うので、そうじあなこれは余計な事で御座ったと源三郎が頭をかいたのです、お玉今日は城に来て泊まるが良い、色々高鍋藩、
の事も聞きたいのでなあ、

源三郎とはこれから旅にでるのでいつも傍にいるので良いじあろうと言うと、ハイ、今日と明日は城に泊まり、奥方様にも色々お話します、旦那様宜しいですかと聞くので、それはもう、
めったに会われないので、そうしなさい、わしは構わんぞと言うと、それではそうしますと言ったのです、出立してから一波乱も二波乱もあったのじあろうと聞くので、お玉が城に帰り、
ゆつくりお話しますよ、

旦那様と旅すると波乱万丈であきがきませぬと言うので、そうか、それは楽しみじあなと治憲が言うと、さては、お律から聞いた話しもするつもりじあなと言うと、ハイ、こんな楽しい、
話はありませぬと酒を飲み干したのです、わしも源三郎の子供の話をしてやろう、意外とポケツを掘っているのじあよと言うので、殿あの話はダメですよと言うと、ハハハあの肥溜めに、
はまった話かと言うので、

ダメダと言うたでしょうと言うと、お玉が旦那様は肥溜めにはまった事があるのですかと聞くので、それがな高鍋でわしの供をして渓谷に遊びに行った時のことじあ、岩魚を捕まえて、
カマドを作り塩焼きにして食うたり、水遊びをしたりと遊んで帰る途中の事じあ、畑に来たので馬が荒らすといけないと、馬を引いてあるいていると、先を歩いていた源三郎がいきな、
目の前から消えたのじあよ、

大声を出して呼ぶと草むらの陰から声が聞こえるのでいくと、強烈な糞の匂いがするので鼻をつまみながら近づくと、ヘビがによろなよろ出て来たので飛び上がたのじあよ、へびが行っ、
たので行くと、源三郎が肥溜めの淵にしがみついて、ヘビ、ヘピト言うので、大丈夫だよヘビは逃げたぞと言うと、手を出すので手を引っ込めると泣きそうな顔をするので、仕方ない、
ので引っ張り上げたりじあよ、

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