第62話

文字数 2,891文字


源三郎江戸日記(弟三部)62

近衛公は禁裏に参内してミカドに関白のお役ごめん願いを出して、事の経緯を話すと、あれほど言うたのに何回も邪魔をしたのか、それ程幕府の人間が厭なのかと聞くので、自分の癒着、
を隠す為だったのでしょう、総ては暴露されたのです、このまま捨て置けば禁裏は財政破綻してしまいます、暫くは政より遠ざけたほうが良いでしょうと言うと、そうじやな、して次の、
関白はと言うので、

三条公が宜しいかとおもいますと言うと、そうじあな、三条は実直な者じあから良いじあろうと言って、しかし、よう短期間でやってくれた、微禄の公家も喜んでおるそうじあ、又寺の、
僧侶も感謝していると聞いたぞ、これを持続せねばならぬなと言ったので、最後の奉公として踏ん張りますと言うと、頼りにしておるぞ、皇后も毎日湯に入れて喜んでおったぞと笑った、
のです、

源三郎達はおみつに別れを言って、馬に乗り大阪へ向かったのです、大阪に着き玄海屋の番頭に大阪の様子を聞くと、特に悪人はてないようですが、広い町なので裏側で何が起こってい、
るかはわかりません、盗人は時々でるそうです、喧嘩は毎日あります、遊び人の数も多いでいからねと言ったのです、ここにお泊りくださいと言うので、いや、旅籠に泊まった方が色々、
情報も入るじあろうと言って、

船場の繁華街の旅籠にわらじを脱いだのです、女将が部屋に案内したので部屋に行くと、お茶をだしたので様子を聞くと、浪人が沢山入り込んでいまして、食えないので悪さをする者も、
いるそうで、用心棒を雇う商家も多いようです、町方は手がまわらないのでしょうと言ったのです、なる程大きな町じあからのうと言うと、城から外れると治安が悪くなりますよと言、
って出て行ったのです、

湯に入り一服して、銘々に巡察に出掛けたのです、浪人に遊び人風の人間がたむろしています、飲む金もないのであろうと言って歩いていると、少し前の浪人が立ち上がりこちらへ歩い、
て来て、すれ違い刀の鞘を源三郎に当たので、知らん顔して歩くと、おい刀の鞘に当てておいてそのまま行くつもりかと言うので、お前がわざとあてたのだろうと言うと、なにおと言っ、
て刀に手をあてたので、

よしておけその腕ではわしは切れんと言うと、たむろしていた浪人が集まって来て、怪我したくなかったら迷惑料を払えというのだ、たかりかと言うと、なにおと5人が刀を抜いたので、
お玉懲らしめてやりなさいというと、小太刀を抜き踏み込んで右左に切り下げると、ぎや~と言って3人が刀を落としたので、さらに踏み込んで左右に払うと、後の2人も刀を落とした、
のです、

慌てて逃げようとするので、動くな動けば切り捨てるぞと刀を抜き振り下ろすと、1人の男の下帯がすぱ~っと切れて、うわ~と言って、そこに座り込んだのです、お玉が浅く切って、
おいたので死にはせんが、止血した方が良いぞと言うと、刀を持ちおぼえておれと言うと走り去ったのです、なる程柄が悪い連中だと言って、傍の居酒屋に入ったのです、見ていた、
遊び人が、

すげ~腕ですねと言うので、お前は何ものだと聞くと、ヘイ、弥太郎といいやす、タダのケチな野朗です、浪人とみやしたが、良い、仕事あるんですがねと言うので、酒と肴を頼んで、
何をするんだと聞くと、これから案内しやすがと言うので、まあ、一敗飲めといって酌をしてやると杯を重ねたのです、この姉さんだとは旦那のと聞くので、ああ、女房いうと、夫婦、
そろって凄腕とは恐れ入りやしたと言ったのです、

用心棒の仕事かと聞くと、そんなようなもんです、ここの白根屋と言う海産物屋の旦那が誰かに狙われているとかで、腕の良い浪人を探していたんですよと言うので、相手は分からん、
のかと聞くと、谷中の権助と言うヤシの元締めだそうで、子分が20人程いやすと言うので、なぜ狙われるだと聞くと、若旦那が元締めの娘に手をつけたのを、権助が怒って嫁に貰うな、
ら許してもいいが、

遊びなら許さんと言っているそうで、白根屋の旦那はヤシの元締めの娘なんぞは、ノレンに傷がつくと断りなさったので、狙われる事になったそうです、用心棒についていた2人が、
昨日怪我させられたので、次を探しているんですよと言ったのです、それで、いくら出すんだと聞くと、お二人なら50両は堅いですよと言うので、お前はいくら貰えるのだと聞くと、
5両ですと言ったのです、

その浪人は町人にやられたのかと聞くと、いえ、ヤシの元締めの用心棒にやられたそうですと言うので、なる程そういう事か、あまり気のりはせんが、話だけでも聞くとするかと言、
うと、金を払い店を出て、白根屋に行くと、奥座敷に通して、白根屋の助次郎です、お引き受けくださりますかと聞くので、話しは弥太郎から聞いたが、息子を呼んでもらおうかと、
言うと、

息子が来たので、お前は遊びのつもりで手をつけたのかと聞くと、いいえと言うので、白根屋がヤシの元締めとはどういう連中かわかっているだろう、そんな者と親戚になるわけに、
はいかん、なればお店を乗っ取られますと言うので、そんなに悪どい奴なのかと聞くと、手下を20人から持っています、裏では凶状持ちを逃がして金を稼いだり、盗人に手を貸して、
上前を跳ねたりしているそうです、

裏でやっているので、町方は手を、出せないそうですと言ったのです、ここには他に子はいないのかと聞くと、娘がおりますと言うので、ならば息子を勘当にして、お前は婿に行き、
娘に婿を取り、店を継がせれば良いではないかと言うと、息子があんな恐ろしい、所へは婿にはいきません、2人で何処かで、暮しますというので、お前は商才があるのかと聞くと、
あると思います、

おとよも一緒に逃げると言うていますと言うので、助次郎はそれで良いのかと聞くと、ハイ、そんなに好きなら仕方ありませんが、親戚にはなりたくありませんと言うので、わかった、
わしが話しをつけてやろうと言うと、聞く相手ではありませんよと言うので、やって、みなければわからんだろうと言うと、上手くいけば100両差し上げますと言ったのです、それで、
は行ってこよう、

お前の名前はと聞くと助八郎ですと言ったのです、店を出て権助の家に行き、白根屋の事ではなしがあると言うと、権助が嫁にもらいなるさのかと聞くとので、貰うそうだが白根屋、
は助八郎を勘当にするそうだ、2人で何処かで所帯をもてばよいだろうと言うと、何をいいやがる、そんな何もない奴に娘がやしなえるはずはない、どうしても白根屋の家に入れな、
いと言うなら、

助八朗には死んでもらうというので、お前の娘は助八郎を好いているのじあぞと言うと、みすみす不幸になる奴にはくれてやる訳には行きやせんと言うので、まったく、頑固な奴、
じあな、仕方ない娘は盛ろうていくぞと言う、そうはいきやせんよ、先生と呼ぶと浪人が出て来て、帰った方が身の為じあぞと言うので、そうはいかん表で決着つけようと言うと、
外にでたのです、


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