第2話

文字数 2,936文字


源三郎江戸日記(弟三部)2

奥田家を再興して父の供養にしたいそうじあ、子供が元服する頃には赦免されて、他家に仕官の道もひられるでしょうと言うているそうじあと言うので、それで側室を勧めるのかと言う、
と、やはり自分の生まれ育った実家は大事なんじあよ、元々はそなたを婿に迎えるつもりだったのだろうと言うので、そうで御座りました、本来ならわたくしが奥田家を継ぐはずでした、
すっかり忘れていました、

お峰は口にはださぬが、そう思っているのですね、そうじあそうしないと奥田家の先祖とお峰の父の位牌は永代寺に預けたままになる、分家である村上家の祭壇に置くわけにはまいらぬ、
からのうと言うので、しかし、玉姫様が承知なさるはずはないですと言うと、承知しておるわ、玉と呼ぶと、玉姫が出て来て源三郎約定がかなわぬのなら、わらわを娶るしかないであろ、
う、

お峰、お滝とも仲良くやるので承知なされと言うので、藩主のお姫様ですよと言うと、藩士に嫁いだ例は過去にも沢山あるぞと言うので、分かりました、根岸に帰りお峰と相談いたし、
ますと言うと、それは無用じあ、お峰と呼ぶと、お峰が出て来てここに控えていますと言って出て来たので、おい、おなかの子供は大丈夫かと言うと、少しは動いた方が良いのですと言、
って、

旦那様済みませぬ、この腹の子は奥田家にくださりませ、女子なら婿を採りますと言うので、それは構わぬがと言うと、それなら玉姫様を正室に迎えて、今回の巡察に連れて行って下さ、
れと言うので、計られたのかと言うと、お勝つも米沢のお春も承知いたしております、玉姫様のお子を当主にして、それぞれの側室の子は家来にしていただけばよいのですと言うので、
みなが承諾しているのなら異存はないがと言うと、

政種が源之丞、源一朗も承知しておる、目出度い事じあのうと言うと、お峰が玉姫様の小太刀の腕は私より上にござれば、旦那様の助っ人には一番ですと言うと、玉が旦那様宜しゅうに、
と頭を下げるので、これはこちらこそと源三郎も頭を下げたのです、玉姫がそれでは明日は用意して玄海屋の船に乗りますぞ、お峰それでは奥にと言うと一緒に奥に下がったのです、

さすがの源三郎も女子達の謀ごとには気はつかなかったかと笑うので、いつお峰は玉姫様に目どおりしたのですかと聞くと、玉に頼まれたので、源之丞に根岸に連れて行き合わせるよう、
に言うたのじあよ、お鶴も承知しておるぞ、源之丞は藩士ではなく他家の1000石取りの家老なので、問題ないと承知したのだよと笑ったのです、それでは怪我をさせぬようにお守りし、
ますと言うと、

あの腕では心配ないじあろう、宜しく頼むぞ、巡察が終われば婚礼を上げれば良いと言ったのです、上屋敷を下がり再び深川に戻り料理屋に若狭屋と七衛門を呼び話をすると、それは、
おめでとう御座いますと言って、若狭屋がそうですかお峰殿はいつもそう思うておられたのですねと言うので、どうりで側室を勧めるわけじあ、おかしいとは思うていたがと酒を飲み、
干すと、

七衛門がご家老は玉姫様をどう思われているのですかと聞くので、主家のお姫様じあやりにくいのおと言うと、じやじあ馬ならしですな、疾風が大人しくなるのですから、たいした事、
はないですよと若狭屋が言ったのです、女将がそれでは鯛の尾頭付きを出しましょうと席を立ったので、明日はお勝つ達も一緒じあ大丈夫かのうと言うと、女子大勢なので喜ばれます、
よと七衛門が言ったのです、

根岸に帰り疾風に今回は連れて行けぬがゆつくり養生しろと言うと、ひひひ~んと泣いて顔を舐めるので、茂助に外に出して運動をさせろというと、ハイ、疾風はわたしは背中に乗せ、
てくれますと言うので、そうか、いつも世話して貰っているのでなと言って、馬小屋を出て玄関に行くとお峰も帰ってきています、部屋に行くと、あい済みませぬとお峰が言うので、
そなたの思いにわしが気づかなかっただけじあ許せよと言うと、

ありがとう御座ります、そういうて頂くと気が晴れました、玉姫様とは仲ようしますので、ご懸念にはおよびませぬといったのです、湯にはいってさっぱりすると夕餉の支度が出来て、
いると言うので、部屋に行き座るとみんながおめでとう御座りますと言うので、母上もご存知だったのですねと聞くと、ハイ、主家のお言いつけには逆らえませぬというので、知らぬ、
は仏だけと言う事ですかと笑ったのです、

夕餉が終わり二ヶ月はかかるので皆体には気をつけるのじあと言うと、巡察のご武運をお祈りしますと言ったのです、三蔵が来ているというので通すように言うと、部屋に入って来て、
あの藩士は会津藩の上屋敷に入ったそうです、色々聞いてみましたら、会津公の正室にはお子はなく、二人の側室にそれぞれ男の子がおありとかで、二人とも元服しており、国家老と、
江戸家老がそれぞれ跡目をめぐって対立しているそうですと言うので、

そうか、それでわしが行って何かをするのではないかと思っているのじあな、年は同じくらいだそうです、側室はいずれも町屋の者だそうで、この家老二人の養女として奥に上がって、
いるそうですと言うので、それでそれぞれ肩を持っているという事じあな、会津公も家臣が二つに割れて困っているのじあろう、先代は秀忠公の側室の子供で会津保科家に養子にいか、
れたので、

松平姓を名乗る親藩じあが、お家騒動はご法度だからなあ、親藩といえど厳封か改易になる、片方が勝てば片方は粛清されるおそれがある、困ったもんじあのうと言うと、かっての、
高鍋藩と同じに御座いますなと母上が言ったのです、米沢には二日程の逗留じあ会津に向かい騒動の前に治めるしかないかと言ったのです、お峰が誰か幕閣がからんでいるのですか、
と言うので、

絡んでなくても表沙汰になれば、武家諸法度に照らして処断する事になる、何とか片方を分家させて事を収めるしかないが、容易には従わんじあろうと言うと、ひょっとしたらどちら、
かが藩政を牛耳っているのかも知れんと言うと、三蔵が会津公は病気がちだそうですと言うので、それが原因じあな、元気なれば騒ぎは起こらぬはずじあ、ひょっとして、保科の一門、
がどちらかに肩いれしているのかも知れん、

先代が養子に来られて冷や飯を食わされているのかも知れんからなあ、飛猿と才蔵を先に生かせて探らせようと言って、三蔵ご苦労じあった、これは手間賃だと5両渡すと、入りません、
よと言うので、探るのには何かと金は必要じあと言うと、それでは、探るのに使いますと受取ったのです、新之助にも宜しくなと言うと、ハイ、この前の件でお奉行から褒美が貰える、
そうです、

お律様にも感状と褒美が出るそうですと言うと寮を出て行ったのです、お律が兄上わたしも米沢までお供しますよ、米沢に連れて行くとおうせでしたので、玉姫様にも言うてありますと、
言うので、そうかかまわんぞと言うと、米沢見物が終わりましたら江戸に戻りますと言うので、そうか、柘植が良いかも知れんな、殿のの近習頭で腕は達っがあまり喋らぬのがたまに、
キズじあがと言ったのです、

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