第56話

文字数 2,773文字


源三郎江戸日記(弟三部)56

その後は、10万石を実高15万石にする方法を指南します、まずは蹴鞠です、これは公家の遊びですが、微禄の公家の若者から2つの組みを5人づづ選抜して、江戸に下向して大会を開かせ、
競わせます、まずわ将軍家、尾張、紀州、水戸家の下屋敷にて行います、勝負は鞠をけり先に落とした方が負けとします、3回勝負で勝ち負けを決めます、勝者には各藩から報奨金を出し、
もらいます、

下屋敷は町衆にも解放して木戸銭をとります、この上がりは朝廷の物とするのです、優雅な朝廷の蹴鞠を江戸でやれば、芸術を奨励されている上様は喜ばれます、大会は二月置きに年6回、
行います、一回に4家で開催する事にします、その期間中に江戸にて京祭りを行い、大手の神社の境内で京の名産を販売するのです、このあがりの1割りを朝廷に納めさせます、これは、
玄海屋が仕切ります、

選ばれたものには朝廷から役料を支給し、勝った組みの5人は高くするのです、蹴鞠大会をやっていない月にはこんどは京都で江戸祭りをやります、江戸の名産を京都の神社の屋台で売る、
のです、これも玄海屋に仕切らせます、その上がりの一割を朝廷に治めさせるのです、移動は玄海屋の船を使えばわずか2日で江戸にいけます、大名はこぞって自分の屋敷でやるように、
申しいれするはずです、

その大会には幕府の老中1人は出席する事にすれば、大名が喜びます、御三家は上様におなり頂きます、上様と綱豊様に一役買っていただきましょう、こうすれば、朝廷と幕府が仲良く、
なるでしょうと言うと、なる程、祭りに事かいた融和策と言うわけじあなと笑ったのです、最初の仕切りは近衛様が率先しておやりになり、後はそれをやる役目の役職をもうけて任せれ
ばよいのですと言ったのです、

なお札差は大阪の淀屋にやらせて、少しの賂は渡すようにさせませしょう、後は物産ですがまずは扇です、近衛様の扇をと言うと渡したので、丹下殿はこの裏に近衛様が作られた連歌を、
書いてくだされと言って渡すと、さらさらと書いたので、これに近衛様、九条様等の名の知れた方の花押を押して、特産物とするのです、自分でお作りにならなくても、上手い物に作ら、
せて花押だけおせば良いのです、

これも江戸の京まつりで販売させましょう、みんなが手に入れたくなります、安い扇でよいのです、高値で売れますよ、特別にミカドの物もいれれば最高値がつきますと言うと、みなが、
承知するかなと言うので、それがしがミカドを説得します、面子にこだわっている場合ではありません、ミカドといえど民に近づかなくては禁裏は潤わないのです、雲の上の人の詠まれ、
た歌の書いたセンスが手にはいるのです、

みなが天使様を敬いますよと言うと、そうじあな、前例なんぞは打ち破らなければならぬなと頷いたのです、後は暦です、今の暦は明から入って来たものを使用しており、これは朝廷の、
専断事項になっています、しかし、食の時期がずれています、一番正確なのは元の作った暦です、これも我が国では4年位で時期がずれているのです、4年間観測して比べればわかります、

それは作られた位置元は我が国より約1日の時差があります、この国でも日が昇る時間は関東より西国が約半時遅くなります、このために食の日がずれるのです、これを補正して大和暦を、
作るのです、これは陰陽師の土門殿にやってもらいましょう、これで陰陽師と朝廷の面子が保てます、そして出来たものに朝廷の花押を押して、京都の商人に売らせるのです、写本すれ、
ば他にも作れますが、

花押は押せません、大名や商人はこれを手にいれようとするので大量に売れます、写本して町衆が使うのは目こぼしするのです、これも朝廷の実入りとなります、後は吉野杉ですこれは、
摂津屋の弟が独占しています、ここも掃除すれば多額の冥加金が取れます、この位で2万石は増収になり、掃除した分約2万石をいれれば、実質4万石分増える事になり、利息も年4000両、
から1000両にヘリ、

3000両浮きますので、7500石増収となるわけですと言うと、凄いのう、ここで話しただけで、財政改革が、ほぼ実現できるわけじあなと言うと、丹下が恐れ入りました、この扇すら朝廷、
を潤す物に代わるとは、驚きましたと言うので、話せば誰でも出来る事ですよ、とかく、公家、武家は金儲けは商人のやる事で不浄な事だと思うているのです、しかし、その金で飯を食、
うのですから、

少しは儲ける事もかんがえねばならぬわけですと言ったのです、近衛公の屋敷を下がり家に戻ると、湯にお入りくだされと言うので、湯に入りあがってくると夕餉の支度が出来ています、
皆で膳を囲み杯を傾けたのです、ほう、はも料理かと言うと、おみちがはもずくしにしてみましたと言うので、一口食べてなる程これは美味いと言うと、みなも、美味い、美味いと食べ、
たのです、

おみち明日朝一番で生きたまま魚を運んでくるので、料理屋から重箱を借りて、魚の料理を20人分作ってくれ、タイ、ハモ、アジ、伊勢海老じあ、アジは青物じあがたたきにしてくれ、
公家共は何かわからんじあろう、しょうが醤油で食べれば臭みは消えると言うと、ハイ、腕を振るいますと言うと、お玉が私も手伝いましょうと言うと、おみちがこのハモ料理は殆ど、
奥方様が作られたのてすよと言うので、

そうか、お玉も中々手先は器用なんじあなと言うと、見直しましたかと言うので、山形が立派な物ですよと褒めたのです、翌日は七衛門が顔を出して、お待ちしていました、魚は運んで、
きましたよ、台所にいれて置きました、おみちと奥方様が料理していますと言ったのです、よく来てくれたと明日からの段取りを話すと、ハイ、用意してここに運び込みます、わたしも、
助っ人しますと言ったのです、

それからもう一つうかつだったのだが、大阪から船で帰ると疾風達馬をどうするかなんじあよと言うと、実は横浜の港ですが水深はそのままで、あの砂防の桟橋を幅3間にして200間海に、
伸ばせば、船を横付けできますので、そこから横に200間を延ばしたのです、したがって海は深くしていません、富蔵の親方がそういったので、そうしたのです、将来はこの場所を埋め立、
てれば、

大きな場所が確保できて、蔵等が建てられます、そこで船場でもその方法でまだ一隻しか横付けできませんが、桟橋が作ってあり、船の甲板と同じ高さなので、そのまま船に載せられます、
と言うので、なる程考えればそうじあな、さすがは治水の、専門家じあなと言うと、あの防砂の堤をみて、思いついたそうですと言って、船には甲板に仮の馬小屋をつくります、馬10頭は、
大丈夫ですと言ったのです、

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