第33話

文字数 2,736文字


源三郎江戸日記(弟三部)33

山形が4百90両程余りましたと言うので、女将にこれは今までの迷惑料じあと200両を渡し、何かの時に使うのじあと言うと、有難う御座います、又蓄えとして残しておきますと言う、
ので、早く娘子に婿を探す事どあなと言うと、ハイ、時次郎も傍におります、本当に有難う御座いましたといったのです、皆にも褒美をやろうと言って、10両づつ渡し、後は押収金と、
してくれと言ったのです、

それでは居酒屋で、祝杯を上げるぞと言って連れ立つて居酒屋に行き祝杯を上げたのです、翌日出立して途中長久保宿に逗留して2日目に下諏訪宿に入ったのです、途中は特別悪人も、
いなく順調な旅でした、諏訪は諏訪高島藩3万石の城下町で諏訪大社があり温泉も沢山あるぞと言って城下の温泉宿にわらじを脱いだのです、お玉が高鍋藩と同じような石高ですねと、
言うので、

神様の社があるので悪人はいないじあろうというと、テキヤ自体が社で商売しているのですから、きっといますよとお玉が笑ったのです、さつそく温泉に行き汗を流したのですお湯、
は鉱泉ですが諏訪湖が見えて気持の良い温泉です、ゆつくり入って上がると、お玉はまだ上がって来ていません、暫くして上がって来て、初めて温泉に入りましたが、肌がつるつる、
なりましたと喜んだのです、

それでは諏訪大社にお参りに行き巡察しょうと連れ立って旅籠を出たのです、城下町は上諏訪にあり甲州街道の終点にあります、下諏訪は中山道の宿場町で、諏訪大社は諏訪湖を囲む、
ように4つの大社があり全国の諏訪神社の本山です、大きな鳥居があり歴史を感じさせる社殿でした、お参りを済ませると、境内には沢山の出店が並んでいます、茶みせでくずきりと、
あんみつを頼んだのです、

すぐ傍の出店の前で男と女が言い争いを始めたので、見物客が集まって来たのです、お玉が場所でもめているのですかねと言うので、ヤシの元締めがキッチリ場所割りはしているはず、
だがと言って割って入り、何をもめているのじあと聞くと、男が目の前であっしと同じうなぎを始めやがったんですよ、昨日までは蕎麦を商っていたじあないかと言うと、若い女が、
場所は決まっているが、

何を商っても良いじあないか、文句を言われる覚えは無いと突っぱねていたのです、ほう、うなぎかと言って、沢山人がいるので良いではないかと男に言うと、あんまり売れないんで、
ここで2つの店では商売上がったりになりやすよと言うと、おまえの焼き方が悪いんで売れないんだよ、どっちが売れるか勝負すればいいだろうと女が言ったのです、男がよ~し今日、
おれんとこより、

売れななかたら明日からうなぎはやめるかと言うと、もちろんだよと女が言うと、わかった、見ていろよと言ってそれぞれの出店に帰って、うなぎを焼き始め、治まったのでみんなが、
傍を離れたのです、よし、お玉はあの女のうなぎ焼、わしはあの男のうなぎ焼を食してどんなもんか比べてみようと言ってそれぞれの場所に行きうなぎ焼を注文したのです、男が茂蔵、
といいやす、

さっきはみっともないところをお見せしやしたと言うので、なぜあんまりでないのだと聞くと、鯉と同じでドロ抜きはしているんですが、やはり、少し残るのですよ、それに諏訪湖の、
うなぎは、太っている分油が多くて、少し堅んです、苦手な人も多いんですと言ったのです、どうやって喰うのだと聞くと、ぶつきりにして櫛に刺して焼いて、味噌か醤油つけて食べ、
ますと言うので、

それでは油が取れなくて、骨が残るじあろうと言って、ちょっと待てと言って、先程の女の処に行き、そのやり方では美味いうなぎは出来んと言って、うなぎとまな板を持ってこいと、
言って男の処に連れて行き、いいか、よく見ておけと言うとうなぎを取り出して、ふきんでぬめりを取り、ふきんを被せ千枚通しを頭に刺して、尻尾の方から包丁を入れて身を外し、
ひっくり返して、

骨にそって身を外して頭を落とし、4つ切りにして、くしに刺したのです、次は醤油、酒、酢、砂糖を持ってこらせ適当に入れてタレを作り、二人にまず裁いてみろというと教えた、
通り裁いたので、中々器用だなと言って2匹を裁かせて、この味のタレを作れと言うと、源三郎のタレを舐めて同じように作ったので、タレをつけて焼くのだと言うと、二人が焼き、
始めると、

アマタレの良いにおいが立ち込めたのです、片方焦げ目が着いたらひっくり返して、又タレをつけて焼き、これを4回繰り返せば焦げずに油が抜けるのじあよ、酒と酢がドロ臭さを、
取り、ふっくらさせさせるのじあ、出来たなと言うと、お玉と一切れづつ食べると、うん、中々美味いぞと言うと、お玉も美味いですよと言うので、2人に食べさせると目を丸くし、
ています、

2人ともドロ臭さがなくふつくらして美味いですと言うと、匂いを嗅いだ人が集まり始めたので、娘に自分のところで焼くのだと言うと、ハイと返事して自分の店に戻り、焼始めると、
二つので店に人が集まり始めたのです、買い求めて食べた参拝客が美味い、美味いと言っています、暫く様子を見ていると2時たつた時ふたつの店で、全部売り切れです明日はもっと、
沢山焼くので又明日来て下さいと言ったのです、

2人がやって来て有難う御座います、2時で一日分が、売れましたと言うので、いいか、工夫すれば何軒あっても儲かるのじあよ、あのタレを継ぎ足し、継ぎ足しにすれば更に美味しく、
なるぞ、あしたからは仲良く商いするのじあぞと言うと、ハイ、今日は大儲けでしたと喜んだのです、ここに10軒あっても商いは成り立つぞと言うと、ハイ、やりたいものには教えて、
やりますと二人が言ったのです、

そうか、そうすればお参りとうなぎを食いに人があつまり、他の出店も儲かるじあろう、みんなで仲良く儲けろよと言ったのです、男が近づいてきて、ヤシの元締め仙蔵といいます、
良い事を教えてくだされた、有難う御座いますと言うので、場所割りも上手くいっているようじあなと言うと、ハイ5日おきにぐるりと少しづつ移動して公平になるようにやって、
いますと言うので、

そうか、それは公平で良いなと言うと、あの~、お名前をと聞くので諸国巡察視の村上源三郎と言うものじあ、街道を巡察して悪人退治だけでなく、暮らしの手伝いもわしの仕事じあ、
と言うと、これは失礼しましたと土下座しょうとするので、これ、これ、立ちなさい気は使わんでも良い、喧嘩しないように仲良く商いをする事じあと言うと、茂蔵とお松が偉い、
お役人様とは知らずすみませぬと言うので、気にするな仲良くせいと言ったのです、

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