第011話:ロックドクリフ到着!!!ゴッシュとティブルエイドの地図!!
文字数 3,887文字
レブロンのフレンドモンスター "グレンド" から
貰い受けた彼の母の物と思われる
ネックレスを道中ずっと
見ているシルドラ――。
フェルマータ城……、ヴァルさん……。
それに母のネックレス。どんな
関係性があるんだろう……?
え、だ、大丈夫ですか?
さっきから顔色悪いですけど……
そうだよな。レブロンさん……
あたい達は全然急いでないから
少し休憩摂ったらどうだ?
もちろんっ。僕も体調万全が最優先です!
ちょっと疲れが出たかもしれませんね……
かもしれないな。要するに
オーバートレーニングって言う事だ。
シルドラ、こう言えばレブロンさんは
分かる筈だぜ!!
えっと……、言葉は分からないけど
用語の意味的に "負荷の大きい運動を
すると共に休息を怠っていると、自分の
トレーニング効果も低下する" って言う
解釈で良いのかな?
お、ほぼ正解だ。やるじゃん!!
そう言う事だ。レブロンさん……
今は休まないか?
シルドラ、ミルフ……ありがとな。
俺は大丈夫だ。心配させて済まなかった。
ちょっと考え事をしていただけだ。
けれど考え事をするんだったら、
自分で悩まないで誰かに相談するのが
最善の対処法です!!
レブロンが顔色悪くしている理由……
2人はオーバートレーニングに掛かっていると
思われているけれど、実際の所は別にある。
そう、先程グレンドがシルドラに渡した
母プリメラのネックレス――。
フレンドモンスターにして何故ずっと
主であるレブロンに黙って所持をしていたのか?
フェルマータ城、ヴァル……そして処刑。
全て彼が所属しているフランバージュが
計画を企てている為、流出してしまったと
顔を青くさせていた……。
****
あれから徒歩10分、ここは
ロックドクリフ――。
簡易的展望台があり、そこからは
周りの景色が眺望出来る。ティブルエイドに来て
アロウドブリッジ以上に高い場所に来たのは
初めてな為、シルドラはあまりの
美しい大陸に見惚れて心潤ませていた。
す、凄いですっ!! こんな場所が
ティブルエイドにあるなんて素敵ですー。
改めて冒険している感じになれますね!!
"やっほー"
シルドラの声に反響して遅れて返って来る。
これが大自然っ。よくクロスウッドの
山岳地帯でやっていた時が懐かしいなー。
是非ミルフさん、レブロンさんも
やってみて下さい! 別に"やっほー"
じゃなくても大丈夫ですよ。
ちょっ。某有名セリフじゃないですか……!
多少誤魔化したって駄目ですって……
レブロンさん、す、凄い……。
ってここでポーズ取らないで下さいっ!
他の人も見てますよ!!
えっ、服を脱げと?
良いだろう……。公共の場だけど
ここにいる人達に俺の肉体美を……
シルドラのとは全く違く2人が
アピールポイントを叫び出すと
眠い目を擦りながら、覚束ない足取りで
彼等の元に1人の男性が近付いて来る……。
君達、うるさいぞ! 仮眠を摂っていた
時間を返して頂きたい……って
レブロンじゃないか。久し振りだな……
そうだ。彼こそティブルエイドの
情勢や地理をよく知る博士、名はゴッシュ。
詳しい事は彼に聞けば何でも答えられる。
そうだろ?
(ゴッシュ)
徹夜で作業をしていたからな。
眠いに決まってるだろ。……ったく。ん?
お前いつの間に仲間が増えたんだ?
あたいは別に見られても
好意があるようにしか見えないけどな。
…………。
フランバージュの掲げる色は赤と黒。
君達はどちらにも属さない、強いて言うなら
無色。と言う事は別の仲間か……。
ゴッシュ……、この2人は
夢を追い掛けてる冒険者と見習い格闘家だ。
特にお前から見て左に居るのが
シルドラって言うんだが、この世界の
地図を作り上げようとしてるんだぜ。
よし、分かった。
2人を私の家に案内しよう。
付いてきてくれ!
確(しか)と2人の顔を確認し、
何かを思ったのか、レブロンを連れて
ゴッシュの自宅へと案内する……。
****
展望台から続く坂の上にある
ここはゴッシュ宅――。
部屋にはティブルエイドの自然写真、そして
各地に棲んでいるフレンドモンスターの写真。
そして自分で作り上げた拡大地図が
壁一面に貼られている……。
更にはデスクの上に新聞や最近雑誌で
取り上げられた話題の切り抜きが置かれている為
少し散らかっている様子。
散らかっていて済まないな。
そうだな。そこにソファがあるから
座って待っててくれ。茶を入れて来る……
ゴッシュ、レブロンサイド――。
訪問客であるシルドラとミルフに
お茶を出すのは礼儀。このティブルエイドでは
茶葉の豊富さでも有名。
彼が愛飲しているのは "グレイブティー"。
ちょっと甘味があって何処か
懐かしい気分が味わえるお茶。常にデスクで
作業していながら活字を読んでいる為
リフレッシュする意味を込めて飲んでいる。
そうだ。一つ聞きたい事がある……
シルドラってどう言う奴だ?
シルドラか。アイツは優しさの塊だ。博識で
物事がきちんと把握出来ている。それに……
ちゃんと感情表現が出来ている。そう言った
奴はなかなかお目に掛かれないからな……。
フランバージュとしての計画を
全て終えたらシルドラとリンクリングする
予定だ。それまで黙って居てくれないか?
そうか。そうなら
ティブルエイドの地図を作る為の
全知識を彼に教えないといけないな。
シルドラ、ミルフサイド――。
ミルフはソファに腰掛けている一方、
居ても立っても居られないシルドラは
デスク上の資料、壁一面の地図に
目を輝かせて閲覧している。
す、凄いですっ!
えっ、新たなフレンドモンスターの発見?
アクアヴェークで新種の魚介類を発見?
フェイルウォールで見知らぬ壁面っと……
まだ僕も知らないティブルエイドの
沢山の魅力があるんですねっ。もっと
この大陸の事知りたくなっちゃったー。
さすが、シルドラだな。
好奇心旺盛、どんな事にも興味持つ
性格あたいには絶対真似出来ないな……。
だって夢があるじゃないですかっ。
この大陸にはまだ知らない事があると思うと
この目で確かめたいんです!! それで
自分だけの世界地図を描く。そんな事が
出来るんだったら本望……
2人の会話中に、お茶を入れ
戻って来たゴッシュの耳にシルドラの
"この目で確かめる" と言った発言をした事により
思わず力を入れ始める――。
シルドラ、良く言ってくれた!!!
私はこの言葉を待っていたんだ。
改めて自己紹介をしよう。
私はゴッシュ。ティブルエイドの事なら
何でも知ってるぞ。後は、そうだな……。
この壁一面の地図を作り上げたのも
研究成果のようなもんだ。
あっ、地図拝見させて貰いましたっ。
これはどうやって完成させたんですか?
さっきも君が言っただろ。
"この目で確かめる"って……。
私もこの目で1つずつ確かめて
この地図を作り上げたんだ。
どうだ、気に入ってくれたか?
この大陸に棲むフレンドモンスター、
そして各地の建造物や街、海の詳細まで
事細かく記載してあって
見やすかったです!!
レブロンから聞いたぞ。
シルドラ君は、各地の大陸地図を
作り上げようとしているんだよな……。
はい! 僕の両親も色んな大陸に
出向き世界地図を作り上げたんですっ。
ただ、それからかなりの時間が経ったので
各地の様子も変わった筈ですよね?
僕は現在の各地に置ける
夢があるような地図を作りたいんです!!
ゴッシュさん、もし宜しければ
その極意を教えてくれませんか?
本気か? 生半可な気持ちで
やるんだったらお断りだ。
合格だ。シルドラ、君の目に火が
灯っているか確認したかった
だけなんだ……。悪かったな。
君なら立派な地図を完成してくれそうだ。
よし、私の全知識をシルドラに託そう!
そう言う事なら地図作製の第一工程を
実践しにクラムビーチに向かうぞ。
君達……、準備は出来たか?
おい、シルドラ見てくれ!
あたいの水着の色は――――
突風が吹き荒れ、ちゃんとホックを
付けていなかったせいか外れてミルフの……
あっ、取れちった。
シルドラに丸見えだな。デカいだろ?
おい! シルドラ……
男ならタオルであそこを隠すな!
今剥ぎ取ってやるぜ。
レブロンさんっ、止めて下さい!!
だから止めてって……あっ。
腰に巻いたタオルを無理矢理
引っ張られ、シルドラの……が露わに。
シルドラもなかなかですね……。
良いモノ見せて貰いました。
ですよね、レブロンさん?
第012話
「崖の下のクラムビーチ!ミルフ・シルドラの
砂浜ダッシュ!!(地図製作編part1)」へ続く……。
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