第078話:ティブルエイドの全貌!一悶着を巡るシノヴァシア襲撃の真相!!(後編)

文字数 7,994文字

(中編のあらすじ)


アレドシアとヴェスターによる

急襲に遭ってしまった忍者の里"シノヴァシア" 。

2人の猛攻が次々と師範達、森の巫女族の皆に

襲い掛かる中、シモンとイムラが打破されてしまい

マツカゼ宅内にいるブラウン達に容赦ない

魔の手が迫ろうとしていた。


そして、ギンジの邸宅(ていたく)

向かおうとしていたブルーノを見つけてしまい

家族を失ったアレドシアと同じ思いをさせようと

彼に急接近を果たす中、息子を守る為に

ギンジの腹部に家宝の剣が貫通されてしまう……。


両長(りょうおさ)のヴァル・ルミシーも

生前のアレドシアの父親に第3者の手により

狼族の捕虜を依頼されていた事も知らずに、事態は困難を増す。

さぁ、こっち来ようか。

ヴァル=バーンズ……。

…………!!!
こんな静寂と化した場所じゃ

誰の助けも来ないよな。潮時じゃないのか?

オレは狼族を治める(おさ)

見ず知らずの人に答える義務は無い。

ははっ。お得意の牙と爪で

攻撃して来ても良いんだぜ。それで

アレドシアの両親含めて使用人も

亡き者にしたんだろ?

あの現場には俺達も出向いた。

今は物寂しい城だけど、所々に痛々しい

生傷の跡が残っていたな。

オレは何にも知らなかったんだ。

それなのに、里の皆は勝手に……

ふん。そんなの粗方(あらかた)オメェを守る為だろう。

巻き添えにしたくない一心が

招いた悲劇と言う所かな。

ふふっ。(おさ)想いで何より。
只、アレドシアだけは延命してしまった。

その褒美として牢獄島(プリズジェイド)の獄長に

一族の名を使い連行命令を

発出したんだろう。

死刑扱いでな。
そんな……。
まぁー、責任を感じてるんだったら

大人しくオレ達に付いて来るんだな。

イヤと言ったら?
横にいる巫女族に危害を加えるまでだ。

何、口答えするの?

…………。

ルミシー、オレ行くよ。

えっ!?

だ、駄目だよ。行ったらもう2度と

会えなくなっちゃうんだよ!?

ごめん。でもオマエが

傷付けられる姿は見たくないんだ。

里の者の責任は(おさ)であるオレが

片を付けないといけない。

ふっ。どうやら腹を(くく)ったようだな。
おい、アグニブ。

丁重(ていちょう)にフェルマータ城へ連行しろ。

あの閉ざされた扉の向こうに監禁しとけ。

ん、テメェはどうするんだ?

また個人活動か?

ああ。ちょっと

空大陸(スターシア)で気になる動きがあってな。

そうか。
まぁー、最近領空侵犯を仕出かした

空賊が居るみたいだ。せいぜい

気を付ける事だな。

気を遣ってくれたのか?
るっせえーよ!!!

さっさと行け。

はいはい。じゃあまた後でな。
ふん。
未だ名前も知らない彼は常に

世界の情勢を知り尽くし、ほんの少しの動きが

あっただけでも自分の目で確かめるまでは

信じる事が出来ず、ヴァルを捕虜し

フェルマータ城へと連行しようとする最中(さなか)でも

一緒に行動を共にするアグニブに

全てを(ゆだ)ね、その場を後にする――。


そして、もう会う事は無いだろうと察し

ヴァルは(おさ)の関係に止まらず、友達同士でもあった

巫女族の(おさ)ルミシーに最後の挨拶(あいさつ)をする。

じゃあ、行こうか。
う、うん。
ルミシーちゃん、皆に宜しく!

ここで一旦お別れだね。

いっぱい遊んでくれて、ありがとね。

楽しかったよ!!

ヴァル君!!

そんな事言わないでよー。ぐすん。

逆らったら何を仕出かすか分からない。

住民達に代わり、(おさ)であるヴァル自身が責任を取る。


その1つの勇気を振り絞って

皆に別れを告げ、いつか来る "彼の処刑" に向けて

彼の時計の針は現代へと動き出す――。


※ この後、ヴァル=バーンズ

時間軸としての次話は第016話となります。

ヴァルサイドの一悶着(ひともんちゃく)の全貌、

これにて伏線回収完了



****



息子のブルーノを守るべく

アレドシアの右手に構えた家宝の剣を腹部を

貫通する形で受け止めてしまったのは父親、ギンジ。

う”はっ。

はぁ、はぁ……。

ぎ、ギンジ殿……!!!

何故このような無茶な事を。

今の一部始終を見ただろ。

父親として息子を守るのは当然の事だ。

父さん、しっかりしてくれよ!!!

俺はまだ(おさ)なんかに……

そうだ。所詮は子供。

(おさ)の地位に就く器なんてありはしない。

そうだろ!?
き、貴様が

長殿(おさどの)の腹部に剣を刺していなかったら、

このような事態に陥ってない。未だ現役で

この里を最前線で守ってくれていたんだぞ。

こらこら。

そんなに怒るでない。もう少しで

拙者の命も終わりを迎えるだけの事だ。

駄目だ。終わりだなんて申すな。

今、シャノンを連れて参る。

雪の上に横たわり、

大量出血、そして意識が朦朧(もうろう)としていく中

ギンジは最後の力を振り絞って

自宅に向かおうとするマツカゼの腕を

ギュッと掴み始め、首を横に振りながら

自分への治療はしなくて良いよと


何処か優しい笑顔で彼を引き止めてしまう――。

何故止める?

助からなくて良いのか?

もう、良いんだ……。

結局は(おさ)としてアレドシアの狼族への恨みを

改めさせる事が出来なかった。

彼を改善させる為には

優しくて、何処か純粋な者に限るだろう。

拙者はその性格に属してなかっただけの事。

そんな者が都合良く()ると申すのか?
この世界は広いからな。

必ず1人位は彼の理解者が現れる筈だ。

その日を夢見て、拙者は幕を閉じ……

ギンジ殿?
…………。
父さん?
マツカゼ様、父さんはどうなったの!?
ブルーノ、彼はもう息をしていない。

他界してしまった。

そんな……。
やはり命と言う物は儚いな。

全て、私の指示通りに動いていれば

この里も平穏な暮らしを遂げていたのに。

お前のせいじゃないか!!!

その剣で、全てを終わらせんだろ!?

くっ。息子なのに何にも出来なかった……。

(かば)ってまで俺を助けてくれたのに

感謝すらも言えないのかよ。

ブルーノ……。
アレドシア、お前を殴ってやる。

この恨みを全て拳に……

よ、止すんだ!!!

()さ晴らしをした所で、何の解決にも……

うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ。
ギンジを殺され、

恨みが詰まった拳をアレドシアに向けて

父親と同じ痛みを、そして人生訓や誠拳道を

無視してまで、殴る事しか考えてないブルーノは

彼の元に駆け出すけど、その右手を

ガシッと掴まれてしまう。

は、離せ!!

父さんの痛みを味わさせてやる!!!

誰に拳を向けてるんだ?

あ、アレドシアだ。

そこを退け。ギンジを亡き者にし

里の平和を奪ったお前等も一緒に殴って……

バンッ(ブルーノの頬を叩く音)
…………!!!
ま、マツカゼ様、何故……?
ブルーノ、

気をしっかりと持つんだ。

ギンジ殿の意思を受け継いで欲しい。

拳で全てを終わらせようとするな。

う、うん……。
ヴェスター、遅かったな。

奴の姿が見当たらないけど、捕らえたのか?

その件について、彼から話があるそうだ。

しっかりとヴァルを連れてるな。

当たり前だ。テメェの父親

シルギムからの命令は絶対案件だからな。

…………。
お前、誰だ?

何処で父上の情報を手に入れた?

ここじゃ言えねぇ。

ちょっと離れた場所に工事現場がある。

そこまで付いて来てくれ。話してやる。

オレも付いて行って良いのか?
勿論(もちろん)。それにテメェからは罪の匂いがする。

そういう奴は大歓迎だ。

一言余計だけど、

今だけは良しとしよう。

…………。
…………。

里の偉人が亡くなって意気消沈してる所か。

それなら、オレ達は邪魔な存在だな。

さっさとトンズラするぞ。

…………。

頼む。ヴァル殿を解放してやってくれ。

ふーん。こんな状況下でも

こんな狼の未来を期待しているとはな。

何処をどう見ても、人に害を成す生き物だ。

裁かれない方が可笑(おか)しいぞ。

そんな事より、

今は里の皆を救ったらどうだ!?

お前の家中でも、大いに暴れ回ったんだぜ。

何をしたの?
オレなりのお(きゅう)を据えてやった。

只、退屈な時間もブラウンだけは違ったな。

な、何だと!!!
ヴェスター、

此処に長居は無用だ。行くぞ。

ああ。亡くなったギンジに宜しくな。
彼等は何も成す術も無く

狼族の(おさ)ヴァルはアグニブによって捕虜され

アレドシアとヴェスターの手により里はほぼ半壊状態。


圧倒的な実力を

見せ付けられてしまい完敗

失ったモノはデカい。何かが壊された訳じゃなく

1人の命が尽きた。雪が降り積もる地面の上で

寒そうにギンジの身体が横たわっている。


ヴェスターの魔の手により

マツカゼ宅の庭付近で倒れていたシモンとイムラ

そして、和室で倒れていたブラウン達も

気絶から目を覚まし、外で師範2人と合流していた――。

うっ、まだ頭が痛い……。
もうっ! 無断で

人の家に入るなんてダメなのにー!!

俺達が気絶させられていた最中に

お前等も同じ目に遭っていたとはな……。

うん。すっごく怖かった。

だけどね……

ボクが皆を守ったんだよ!!

おしっこチビりそうだったんだけど。

そうか。勇気を振り絞って人前に立つ。

なかなか出来ない芸当だ。

100点満点だな。

ホント?
ああ。後はお前達が

一足先に逃がしてくれた

ヴァルと合流すれば俺達の完全勝利だ。

今日はギンジ殿と

共に美味い酒が飲めそうだな。

また深酒をするつもりか?
程々にしないと

前みたいにマツカゼ様にお叱りになるぞ。

別に良いだろ。

あの2人の撃退をした祝い酒と思えば。

あっ、ズルいー!!!

また2人で酒の席を設けるなんて。

ボクも参加したいのにー!!!

ふふっ。今日は全員で卓を囲もう。

思う存分楽しめばいい。

わあーい。やったー!!

しかし、彼等は未だ本当に起きた "里の悲劇" を知らない。


てっきり気絶から目を覚ました頃には

ギンジとマツカゼがあの2人を

追い払ったと思い込んでいる。


ただ、最悪な脚本(シナリオ)がこれから始まる。

その瞬間は間隔を置かず、突如として

巫女族の(おさ)ルミシーの泣き声が里に響き渡ってしまう。

ぎ、ギンジ様!!!

お願いです。目を覚まして下さいっ!

ルミシー様?

な、何かあったのか?

ねえ、もしかしたら泣いてるんじゃない?
ギンジ殿の邸宅(ていたく)前から聞こえる。

まさか……

シモン、行くぞ!!!

お前等は来るな。もしかしたら

見たくない光景があるかもしれない……

わ、分かった。

まだコレッタが完治していない。

ここで療養させながら待たせて貰うよ。

シャノン、お願い出来るか?

ええ。治療の途中でしたもんね。
済まないな。
あっ、待ってよー!!

ボクも行くからさー!!!

やはり、彼女が泣き声を発していたのは確かだった。


これは大事(おおごと)だと、

師範の2人は何かを察知し

一目散に地面に敷き詰められている雪に

思い切り足跡を残しながら邸宅(ていたく)前に向かうと

気持ちが落ち込んでいるブルーノ、師範代表マツカゼ。


そして、眠るように

良い笑顔で天国に旅立ってしまったギンジの姿が。

…………。
おいおい、嘘だろ。

情けない(つら)で寝てると風邪引くぞ。

何で死んじまったんだよ!!!

お前と一緒に交わす酒が楽しかったのにさ。

ギンジ様、起きて下さい!!!

ボク達を置いて逝かないでよー!!!

ぐすん。

…………。

済まぬ。彼を助ける事が出来なかった。

誰がギンジ殿の命を奪ったんだ!?

絶対に許さねえ。

僕達の元にはヴェスターが居たんだ。

長殿(おさどの)にとどめを刺したのは

しかいないだろう。

くそっ。アレドシアの奴!!!
あ、あれ?

ルミシーちゃん、ヴァル君は何処?

ごめんなさいっ。

ヴァル様も彼等に連れて行かれちゃったの。

そんな……。
マツカゼ様、彼等がヴァル様を

如何(いか)にして処刑するか聞いてませんか?

確か、あの時……
『来年初旬に新メンバーが入る。

その者達と計画を綿密に話し合い

処刑方法を決定する。日時は未定だ。』

――と申していた。
それに、拙者達は彼等の支援をしない限り

今度こそ里を潰しに掛かるともな。

何処まで卑怯な(やから)なんだ。

冗談じゃねぇ!!! 何で

奴等の計画に加担しないと行けないんだ。

父さん……。
な、何で僕の父さんが

死ななくちゃいけないんだよ!!!

雪が積もった地面の上では寒くて可哀想だ。

シモン、イムラ。取り敢えず今は

ギンジの遺体を丁重(ていちょう)にブルーノの

自宅に運んでくれ。

わ、分かった!!!

シモン、こっちを支えてくれると助かる。

お、おう。
この雪が解けた頃に

改めて地面を掘り起こし埋葬(まいそう)するとしよう。

その方が彼もきっと喜ぶだろう。

有難う御座います。
こんなに里の者にも支えられて

天国へ旅立って行ったギンジもきっと幸せだろう。


残念な結果として

狼族の(おさ)であるヴァルは捕虜されてしまった。


しかしながら、

師範含め里の者や森の巫女族は命拾いをした為

まだ逆転の余地はあると、今は壊滅させられてしまった

里の復興を目指し、今再び生計を立て直しながら

いずれ来る "その時" に向けて

彼等は新たな1歩を踏み始める。


それでも、ブルーノだけは

ずっと側に居た父親が旅立たれてしまった事で

急激な心の変化と喪失感に押しつぶされていた。

…………。
ブルーノ君、泣いちゃダメだよ!

って……

今の彼に

何て言えば良いんだろう……。

少しソッとして置こうっと。きっと

心を落ち着かせる時間が必要だよね。

****



そして、時は春を通り過ぎ

季節は夏――。



熱い日差しと共に

港町ビューウェーブに停泊中の

豪華客船に乗船しようとしている

ブルーノの見送りに師範代表のマツカゼと

町長のアジールが波止場で会話を交わしていた。

まさか、(おさ)自らアレドシアを

改善させる御方を探しに行くとは。

ブルーノ様も大きくなられましたね。
はい。きっと

父さんも(おさ)である自分を

天国で見てくれていると思うので

誇りであった父さんを越える為に

名に恥じない姿を見せる努力をしようと。

ブルーノ殿、ミムは

貴方の帰りを気長にお待ちしておりますよ。

うむ。其方が戻って来るまで

この猫は拙者がお世話をして置くぞ。

分かりました。ミムは

裏山に生えている竹の削り節が大好物なので

朝昼夜、3食の餌与えの方

宜しくお願いします。

意外に食通なんだな。
了解した。

ブルーノ様、

フレンドモンスターと過ごすようになって

より命の(とうと)を知った君なら必ず同じ

意見を持つ心良き理解者が現れる筈。

俺もその御方と

出会える時を楽しみにしているよ。

勿論(もちろん)です。楽しみにしてて下さい。
ブルーノ様、

ちょっと両目を拙者の前に出してくれ。

見ず知らずの人に出会う訳だ。

少し細工を(ほどこ)そう。

は、はい……。

痛くしないで下さいね。

ブルーノは

少しばかり不安になりながらも

マツカゼに呼ばれるまま両手で

両目を塞ぎ、知的で尚且つ

人相学的で言うと頑張り屋で粘り強く

相手の気持ちを考える優しい男性と思われる為に

ちょっとした御呪(おまじな)いを(ほどこ)し、第一印象を良くし始める。

もう良いぞ。目を開けてみてくれ。
…………。
ま、マツカゼ様!?

ぼ、僕の顔が可笑(おか)しくなってるんですけど。

うむ。より凛々しくなった。

これで心置きなく其方を見送り出来そうだ。

護身用の剣は持ったか?
もちろんですよ!!

ってか、この……

此処から其方の台詞は

漢字無しの片仮名・平仮名表記だ。

作者の(いき)な計らいを堪能してくれ。

きいてくださいって!!!!

()くして

ブルーノは港町ビューウェーブの波止場で

マツカゼに揶揄(からか)われながらも、クロスウッド行きの

豪華客船に乗り、大陸ティブルエイド発の

約2時間の船旅が始まった。


その頃、彼を見送った

町長アジールが所持していた遠距離でも

通話が出来る端末を耳元にあて、と会話をし始める。

もしもし?
アジール、元気にしてるか?
あっ、フロスト兄さん!!

こうやって話すのは久しぶりだよな。

【グラス】

俺も居るんだけどな。

あ、あれ、グラス!?

珍しいな。クランチャードに来てたのか?

居ちゃ悪いか?
まぁ、グライド研究所の再建が完了し

新人研修の日々が続いてるから、

これからの未来を(にな)う若手の卵を

育てるのに、少し位は

気分転換も必要だろ。

はぁ。まったく

くだらん!なんて言っていたあの日々が

今思えば懐かしい程だぞ。

出た。グラス兄さんの口癖。

俺も昔は目一杯言われてたな。

で、いきなり通話して来たって言う事は

何か良い(しら)せでもあるのか?

聞いてくれよ!!!

お前と似た答えを出した奴が居たんだ。

えっと、水平線の先には何がある……

だったよな。

ふふっ。成程。

その様子だと冒険者の卵として

フロスト兄さんのお墨付き

発見したのかな?

さっきから感極まってて

俺の脳裏はそいつの事ばっかりなんだ。

早くお前に会わせてやりたいって

さっきから連呼しっ放しでな。

だって、冒険者は色んな事出来るんだよ!?

色んな大陸を冒険して、仲間作ったり

それが年を経て立派な人生の

思い出になるんだ。俺は彼の

旅路をサポートしていてな。

ちなみに、名前は何て言うんだ?
シルドラ=ロッド。
これから始まる新時代の冒険者さ。
****



そして、豪華客船のトイレ。


所持していた護身用の剣を

便座の横に立てかけるように置きながら、用を足していた。

ふう。ビューウェーブからたびだって

どれぐらいじかんがたったかな?

うーん。とけいがないからわかんないなあ。
ポッポー(船の汽笛が鳴る音)
【船内アナウンス】

本日はアクアホープ豪華客船へのご乗船

誠に有難う御座います。乗客の皆さまに

お知らせいたします。当船はまもなく

クロスウッドへと停船致します。

御上陸のお客様はスロープの方迄

お越し下さい。

わ、わっ!!!

び、びっくりしたじゃん。

あっ。ちょっとてについちゃった……。
しかたない。

てをあらっておりるじゅんびしよっと。

そう。彼が家宝の剣を失くした瞬間はこんな流れだった。

それからスタッフの方に拾われるまで

そんな時間は掛からないだろう。


近くの洗面台で

石鹸を念入りに()み込ませて綺麗に洗った後

彼はもうすぐ辿り着くクロスウッドが見える甲板に

置かれている長椅子に深々と腰を下げる。

よし。あとはクロスウッドに

じょうりくしてぼくのりにかなった

りかいしゃがいればいいんだけど……。

後は降りるだけと

身の回りを見て忘れ物が無いか、と

確認すると、彼の(ふところ)にさっきまで所持していた

家宝の剣が無い事に気付き、慌てふためいてしまう。

あっ、あれ!?

ぼくのかほーがなくなっちゃった!

もしかしたらあのトイレにおいたままかな?

いそいでみつけないと

マツカゼさまにおこられちゃうよー。

その後、無事に

クロスウッドに辿り着いたものの

ブルーノは停船時間内に無くした物を

見つけ出す事が出来ずに、そのままティブルエイドに

戻る事になるけれど、その行為がまさか

あんな出会いに発展するとは――。

もうピュアブルーが見えないなー。

出港してから時間経ってるし、

当たり前かあ……。

でも、この先にティブルエイドがあるなんて

今からワクワクだなあー。

早くこの目でみたいよっ!

そんな時、

ちょっとふっくらした和風な着物を

身に付けている男子が泣きながら甲板へとやって来た。

【???】

うわぁーんっ、ぐ、グスン……。

君、どうしたの?

僕で良かったら聞かせてくれないかなー?

答えられる範囲だったら何でも良いよー!

ぼくのかほー(家宝)が

なくなっちゃったんだよー!

おにーちゃん、いっしょに

さがしてくれない?

そう、これが

冒険者シルドラとの出会いの物語。



そして現在は……

レブロンさん、

待っていて下さい!!

僕が貴方の心を必ず取り戻してみせます。

数々の勇気の試練や

色んな人との交流を経て、此処まで成長出来た。

仲間と呼べる存在が様々な絆を1つに繋げて来た。


彼はブルーノにとっての理解者。

きっと、ギンジも自分が出来ずに終わった

アレドシアへの想いの吐露(とろ)、シルドラなら出来るだろうと

天国から見守ってくれている筈。


いよいよ

フェルマータ城編大詰め。

最終決戦は間近。()ずはレブロンの元へ急げ。



※ ブルーノとシルドラの出会いに関する

詳しい内容は、時間軸として繋がる第02話をご覧下さい。


これにて、一悶着(ひともんちゃく)の全貌は

全て伏線回収完了。



第079話へ続く。

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登場人物紹介

△名前:シルドラ・ロッド(主人公)


今作の主人公であり冒険する事が幼い頃からの夢で

とある時期を境に行方不明になった両親を心配している。大陸「クロスウッド」

港町ピュアブルーが出身で、そこの港から出港している船に乗り最初の目的地

ティブルエイドと言う大陸に向かい始める。

好きな物は人との交流、嫌いな物は噂話。割かと積極的、

△名前:クルディー・ロッド


主人公シルドラの父であり、現在母親と共に行方不明中。

彼が生まれる前に母親とこの世界を周り、作り上げた世界地図を残すけど

とある事がキッカケでそれを見つけられてしまう。ちょっと頑固な所があり、

息子にも時々注意されていた経験がある。好きな事は飲酒、煙草、ギャンブル。

嫌いな事は嘘を付かれる事。こう見えて根は優しいタイプ。

□名前:プリメラ・ロッド


主人公シルドラの母で、現在父親同様行方不明中。

息子が生まれる前に何か1つ成し遂げたいと言う気持ちから、とある時期を境に

この世界を周り尽くし"1つの世界地図=ヒストリーノート"を作り上げる事を誓い

父のクルデイーと共に、冒険の旅へと出かける。好きなモノは紅茶やコーヒー。

嫌いなモノは服装がだらしない人。割と几帳面なタイプで、時々潔癖症を発する。

□名前:ミルフ


ティブルエイド、温泉街「ホットソープ」出身。

女性格闘家を目指し日々奮闘中。アウトドア派で

常に外で身体を動かしていないと気分が乗らない。着ている洋服も

身のこなしがスムーズに出来るようなコーデが好き。一人ぼっちで居る事に飽き、

現在一緒に旅をしてくれる仲間を募集している。

□名前:ルミナ


ミルフの母親で、ホットソープの中で

名を馳せていた温泉事業会社ヒートリンスで

父オランドの社長夫婦を務めている。とある

キッカケで他界してしまう。誰よりも同じ会社で働く

従業員1人1人を大事にし、優しく接する事を大切にしている。

△名前:オランド


ホットソープにある

温泉事業会社ヒートリンスに務めている社長で

ミルフの父親でもある。頭に超が付くほどの頑固者で神経質な

性格をしている。何事にも慎重で、目的の為には

多少の犠牲があっても動じない。しかし母親と一緒で

温泉を愛する気持ちは変わらない。

△名前:ブルーノ


忍(しのび)ばっかりが住むシノヴァシアの関係者で

普段は子供っぽい表情で接するけれど、一段落着くと大人の口調に変貌する。

彼はちょっと"とある事情"にて、シルドラにちょっとした

試練を与える事に。少し謎が残るキャラクターでもある。

△名前:レブロン

〇所属:フランバージュ(用心棒)


まだ詳しい事は表記出来ないが

フランバージュというアレドシアがリーダーを勤めるチームの用心棒をしていて

身体が逞しく、イカつい目と赤髪をしている事から性格はヤバそうな雰囲気を

醸し出しているけど、割と平和主義者。拳は「守る為にあるモノ」と自負している。

△名前:グレンド


フレンドモンスターと言うティブルエイド独自のペット総称の1匹で

フランバージュの用心棒レブロンに飼われていたけど、現在は牧場にて生活中――。

綺麗な言葉遣いをする事が好きなせいか、乱暴な言葉を正す癖がある。

好きなモノはレブロンで、嫌いなモノは口調がだらしない人。

△名前:ゴッシュ


ティブルエイドの地理、情勢など色んな分野を知り尽くした権威のある地図博士。

寡黙のように見えるけど、人との付き合い方は上手で

ネタ的な発言をしても丁寧に対応する。好きなモノはグレイブティー(煎茶に近いモノ)。

嫌いなモノはストレアディーノ(食べ物/激臭)。

△名前:ゼルガス

〇所属:ヴァールブルグ海賊団(海賊)


問題児や引きこもりを更生させながら一緒に冒険を楽しむ

ヴァールブルグ海賊団の親分で、色んな海を渡って来た為

海に纏わる事が本当に詳しい。下っ端に頼られていて人情深い、まさに海の男。

好きな事は釣りやマリンスポーツ。嫌いなのは血を見る事。

△名前:アジール


ティブルエイドの港町ビューウェーブの町長を務めていて

更なる活性化を目指して色んな人の所に自分から積極的に意見を求めにいく為

町民の方から本当に慕われている。前作の登場キャラであるグラスとフロストの弟――。

好きな事は人とのコミュニケーション、嫌いな事はポイ捨てする人。

□名前:ユエリア


ビューウェーブで服屋を営んでいる女の子。

幼女体型をしていて、カワイイ服や、動物の絵が描かれている

服が大好き。看板娘でもあり住民から可愛がられている。

好きな事は動物と触れ合う事、嫌いな人は掃除を全くしない人。

□名前:クレア


ビューウェーブで服屋で営んでいる女の子。

店長であり、ユエリアと一緒に切り盛りしている。

それと同時に店内で迷っているお客様のコーディネートや、依頼された

人に向けての裁縫も行っている。服に対する情熱が熱い。

趣味は裁縫、コーディネート、ショッピング。

△名前:ラグ


ホットソープで一番人気温泉宿、ヴァリングスの番台を務めている。

人一倍、温泉にかける想いが強く、冒険者や観光客

1人1人に積極的に "来て欲しい!" と勧誘したいタイプな為

気付いたら居なくなっている事が玉に傷。

好きな事は温泉巡り。嫌いな人がマナーが出来てないお客。

□名前:リタ


ラグと一緒にホットソープの人気温泉宿、

ヴァリングスの各湯温度調節、掃除を務めている。

幼少期から両親に温泉に連れて行って貰った事がこの道の

職に就きたいと思ったきっかけ。好きな物は

入浴後のフルーツ牛乳。嫌いな事はラグと一緒で

マナーが行き届いてないお客。

□名前:プラム


ヴァーズメルトと言った喫茶店に務めている女の子。

年齢は17歳。兄がいて、姉は同じ店の店長に就いているシルリア。

出身は空の大陸 "スターシア"。一緒に店を開業/経営したいが為

シルリアと共にティブルエイドにやって来た。

好きな食べモノは姉が作るヴァーズベリーケーキ。

嫌いな食べモノはコージュット(香辛料)。

□名前:シルリア


ヴァーズメルトと言った喫茶店に務めている女性で、尚且つ店長。

年齢は24歳。空の大陸 "スターシア" 出身で

幼い頃、両親が務めていた喫茶店に憧れを抱き

いつか自分の手で店を開きたいと思ったのがきっかけ――。

好きな食べ物は母が作ったクルットジャム。

嫌いな食べ物は基本ない。

□名前:ビッケ


エアロブルー飛行場で働くエアライドライセンスを所有する

スタッフの1人。自分の事を「ボク」と呼びたがるボクっ娘で

フランバージュで活動するレブロンの大ファン。

ここで働く整備士兼伝説の操縦士フラジーがこの世界に

興味を持ったきっかけ。好きなモノはフラジーの操縦。

嫌いなコトは基本無いけど、着陸した飛行機内の

掃除を一人でやるのが苦手――。

□名前:チャイ


ビッケと同じでエアロブルー飛行場で働き

エアライドライセンスを所有するスタッフの1人。

幼い頃、フラジーの操縦するフリューウィングに乗り大空の旅を

味わった事がある。その事が彼女がこの世界に入ろうと思ったのがきっかけ。

それと、飛行場で扱っているパソコンや機材を使って

エアロブルーチャンネル (大空の翼) と言った動画を

視聴者向けに投稿もしている。

△名前:フラジー=キュレー


エアロブルー飛行場にて働く整備士で、世間的に

伝説の操縦士として名が知られている。愛車ならぬ愛翼はフリューウィング。

二重人格の持ち主で、操縦している間はかなり豹変し

様々な飛行テクニックを駆使しながら飛行を行う。時々変態。

好きな事は空が見える場所でのお昼寝。嫌いな事は雷雲時の飛行。

△名前:シルヴェス


アロイスと共に冒険をしている21歳の男性。

この年で割と鍛えられた肉体を持っているけど、こう見えてインドア派。

酔っぱらうとちょっと酒癖が悪いけど、温厚な性格の持ち主。

今まで外に出た事が無く、現在色んな事に興味を持っている。父親は意外な人!?

好きな物はピランカライス(ごはん料理)。

嫌いな物はレジュベリー(酸っぱい木の実)。

△名前:アロイス


シルヴェスのお世話役で、彼と行動を共にしている。

本職はクロスウッドでフロスト所長が社長をしている

水産業会社クランチャードで新しく設立された水陸両用飛行機部

部長を任されている為、飛行機の構造に関して詳しい。

こう見えて人情深い所があり、守ってくれる存在。

好きな事は海を見る事で、嫌いな事は基本無い。

△名前:アレドシア

〇所属:フランバージュ


謎に包まれたフランバージュのリーダーを務めている。

口数は少なく常に何を考えて居るかは知らないけど

メンバー内からは絶対的な信頼が伺える。彼が

身に着けている眼帯と黒いマスクには何か秘密が隠されている?

ティブルエイド編に置いてかなりのキーパーソンでもある。

△名前:ブロス

〇所属:フランバージュ


アレドシアがリーダーを務めているフランバージュのメンバー。

度が効いた暴言を吐く事がある。目的の為なら

罵詈雑言、誹謗中傷、そして暴力も揮う

歯止めが聞かない所もあり、かなりの厄介者。

好きな事は高笑い。嫌いな事は見下される事。

△名前:アッジ

〇所属:フランバージュ


組織「フランバージュ」の中でも最年長であり、唯一の御高齢。

無理をしない程度に活躍を見せていて、メンバー各位に労れている。

愛煙家で、色んな煙草の匂いを堪能するのが趣味。

こう見えてブロスとは仲良しで、メンバー内で

食事を摂る時は彼と一緒に食べる事が多い。

△名前:ロギュア

〇所属:フランバージュ


リーダー、アレドシア率いるフランバージュの一員。

メンバーの中ではグラッツと仲良しで

任務を行う時も常にセットで動いてる事が多々ある。

大の大人なのに、ほんの些細な事で

失敗してしまうちょっとお茶目な一面も。

△名前:グラッツ

〇所属:フランバージュ


フランバージュの一員で尚且つ、一番最後に加入したメンバーでもある。

ブロスとはちょっとした因縁があるけど、ロギュアとは

何でも聞ける仲で行動も共にしている事が多い。

機械音痴な一面を持ち、触ろうとすると

冷や汗を掻いてしまい慌ててしまう。

△名前:ヴァル=バーンズ


ティブルエイド編、超重要人物の狼族。

禁じられた場所 "シノヴァシア" と関わりがあり

シルドラの両親とも触れ合った過去がある。今は "とある人物" により

フェルマータ城で幽閉されていて、処刑されようとしている。

△名前:ブランザ


ヴェアソープライセンスと言った様々な石鹸を

作る事が出来る免許を所持していて、ホットソープの中で

一番有名な温泉宿ヴァリングスでラグやリタと共に働いてる。

ちょっとした事件に巻き込まれていて、誰かに弱みを握られている。

息子が超意外過ぎる人物。

△名前:ヴェスター


温泉街ホットソープの出身で

兄以外の身内で仲良く時を過ごしていた。とある "きっかけ"により

家族を亡くす羽目になる。根は優しく、超が付くほどの家族愛を

持っている性格。好きなモノは温泉で、嫌いなのは几帳面過ぎる人。

△名前:ランザー


スティンゼアと言った森林大陸に棲む狐族。

3人兄妹の中でちょっと方向音痴な所があるけど

他人に勇気を以って接する所や、見ず知らずの人に躊躇いも無く

話すところは兄さながら。好きな事は大陸になびく

風の匂いを嗅ぐこと。嫌いな事は基本無い。

□名前:レルナ


スティンゼアと言った森林大陸に棲む狐族。

3人兄妹の中で一番頼られる存在で、知識量も誰よりも豊富。

身だしなみや服装には気に掛けていてオシャレには敏感。

狐族は聴力が優れている中、彼女はトップクラスの……。

□名前:ヒューナ


スティンゼアと言った森林大陸に棲む狐族。

3人兄妹の中で島中の人気者。師匠で尚且つ師匠テンゲン

そして五変妖精のオルミ達にも可愛がられている。

好きなモノは島に生えてあるフルーツ全般。嫌いなモノは……秘密。

△名前:ヴァーロン

〇所属:???


謎が多いキャラクター。

遥か上空を漂う空中戦艦 "ハデスバディード" を所有していて

仲間と共にとある場所に向かっている。メンバーからの信頼は

かなり熱い。割とフレンドリーな所があり

気に入った人にはかなりの友情を見せる。

□名前:イマリ

〇所属:???


謎が多いキャラクター。

ヴァーロンと同じ一味で活動している。

まだ明かせない情報が多いけど、和装を気に入り

常に丁寧な言葉を維持する事を心がけている。

訳アリの人物でもある。

△名前:レーヴィン

〇所属:???


頭領ヴァーロンを率いる謎の一味の1人。

詳細はまだ教えられないけど、彼のとある才能に惹かれ

今のポジションにいる。戦う事が大好き事から、かなりの戦闘狂。

TPOなんか気にせずに勝負したがるせいか

たまに指摘されてしまう。

△名前:グランダイン

〇所属:???


意表を突き、かなりの

存在感を誇るヴァーロン一味の仲間。彼が背中に

背負うモノにはかなりの秘密があり、後半に訪れる

とある大陸出身で、壮大な過去を味わった人物でもある。

他キャラの姓名を変な場所で区切る癖を持っている。

△名前:ガディウム

〇所属:???


ヴァーロン一味の1人。

顔には昔火事で負った痛々しい大きな痕が

残っている為、仮面を付けた状態でメンバーと接している。

口癖が強く、辛辣な態度を1つでも取ると

度が効くセリフを言いたがる癖の持ち主。

△名前:フォック

〇所属:???


ヴァーロン一味の1人。

空中戦艦ハデスバディードの操舵室兼通信司令部の室長。

どんな過酷な状況でも、彼の明確な指令により

大空を優雅に滞空する事を維持出来ている。

首領のヴァーロンにもかなりの期待が寄せられている。

□名前:ルミシー


ティブルエイドの森林地帯

ヴァンウッドに棲む巫女族の1人で長を務めている。

普段は旅人の宿で管理人のシャノンと共に彼女の手伝いをしたり

この何処までも広い森の様子を常に把握していたりする。

忍者の里シノヴァシアの長、ブルーノとは大の仲良し。

□名前:シャノン


ヴァンウッドの森、旅人の宿の管理人を受け持ち

長のルミシーを陰ながら支えている。薬を1から作り上げる

ハービングライセンスを所持している為、調合する為の

薬草や材料の知識が豊富で、どんな重病に掛かっても

優しく治療してくれる為、色んな人から支持されている。

好きなモノは薬草が記載されている本、嫌いなモノは基本なし。

□名前:オリアナ


ヴァンウッドの森、忍者の里シノヴァシアの2か所を守る

護衛をもう1人のパートナー:コレッタと務めている。

男勝りな分、性格も強気でどんな屈強な敵が

現れても自ら先頭に立ち、屈しない。

好きな事は軽い運動、嫌いな者はぐうたらな人。

□名前:コレッタ


ヴァンウッドの森、忍者の里シノヴァシアの防衛担当。

軽い身のこなしで打撃を得意する拳闘士。

興味を持った事に全力に注ぐタイプで

その職に辿り着くまで、短期間で習得したかなりの逸材。

好きな物はヴァンウッド周辺の自然で、嫌いな物は足が長い虫。

△名前:ブラウン


シノヴァシアに住む男の子……、いや

こう見えて成年してる22歳の男性。超が付くほどのド天然で

悪戯したりと、子供っぽい所が多々見受けられる。

ただ、こう見えて誠拳道と言った体術を習得している。

好きな事は帽子集めと食べる事。嫌いな事は一人ぼっち。

△名前:マツカゼ


シノヴァシアに住み、忍の応用的な実践と共に

誠拳道の師範を務めている。里長のブルーノの次に偉く

かなり友好的。里の皆から信頼されていて慕われている。

左目にあるのは過去に負った誠の傷

好きな事は陶芸や集中力を極める事で

嫌いな事は里の平和を乱される事。

△名前:シモン


忍者の里シノヴァシアで

マツカゼと共に忍、誠拳道の師範を務めている。

風貌から大人しそうに見えるけど、実際に動いてみると機敏。

学や教えを里の子供達に知って貰う事を生業としている。

趣味が読書。書斎が自宅にあり、溢れ返る程の本の量がある。

△名前:イムラ


忍者の里シノヴァシア出身、忍・誠拳道の師範を務めている。

里いち熱血的で、やる気の炎を見せている人に

俺の弟子にならないかと常にスカウトしている。

体力にはかなり自信があるが、その逆で

機械とか科学的な事は全く疎い。

△名前:ブレイア


牢獄島《プリズジェイド》の獄長。

キズナ・ワンダーランドに置ける世界の犯罪者を収容する施設で

一番高い座に君臨している。口数が少なく、

声の雰囲気もかなり暗い。目の色も変えずに

コミュニケーションを取る癖から

暗黒の無《ゼロ》と言った異名が付けらている。

□名前:ライアン

〇所属:ライザ海上情報機関(総務部)


ライザと言った海上にある機関の総務部で働く女性スタッフ。

大佐の次に偉い存在で、牢獄島で扱っている

犯罪者の大半は彼女が有罪か無罪かを取り仕切る。

赤髪であまり見かけない服装を着こなしている為

一目で只者ではないと思わせる雰囲気をしている。

△名前:ジェライド


牢獄島にある東の収容施設で

犯罪者達の監視と看守を纏める官長を担っている。

この大陸の中で彼と接するには、自分の大好きな

お菓子の事を話せば、気さくに話に乗ってくれる。

無罪になった方も、とあるカウンセラーと共に

真剣に話を聞いてくれる心優しい人。

△名前:シルヴィ


牢獄島で、東の収容施設を主に

看守の目を光らせている男の子。風貌は子供に見えるけど

身体はかなり逞しい。しかしお菓子には目が無く

官長のジェライドとは大の仲良し。

彼の童心さが慕われている証拠。

□名前:カリエラ


牢獄島、東の収容施設で

ジェライド官長、そしてシルヴィと共に務めを果たしている看守。

常に大人しい態度をしているけど、余計な事を言う癖が

ある為、常に言葉遣いには慎重にしている。

この大陸で働いて数か月、未だに

中央監視塔に入ったことが無い裏話がある。

△名前:ランバード


空大陸《スターシア》のエアフォース第1ターミナルで働く

小型旅客機から自家用ジェット機の

専用飛行士としてかなり名を馳せているのが彼。

従来飛行機を操作する際に必要なエアライドライセンスと共に

もう1つのとある免許も所持している。

△名前:ライガー

〇所属:ディグライズ(遺跡探索/鉱石発掘チーム)


喫茶店ヴァ―ズメルトにて働く

店長シルリア、店員プラムの兄であり超絶イケメン。

空大陸でチーム一丸となり、古代遺跡の調査を行っている。

レブロン、ヴェスター、シルヴェス、シルヴィに続き

彼も圧倒的な肉体を誇っている。見ず知らずの人でも

一瞬に仲良くなる特技を持つ。

□名前:ヴァネッサ

○所属:アジュマリン海賊団(海賊)


アジュマリン海賊団の船長で

クルー含め見る者を惚れ惚れさせる美ボディを維持している。

是非付き合いたい!と言う声が世間で飛び交う中

彼女には想いを寄せる人が――。

それはヒミツ。

□名前:シャオラ


キズナ・ワンダーランドの物語を彩る語り部。

ティブルエイド含め、今後出て来るキャラクターの過去

各大陸の昔話や歴史を現代に語り継ぐ位、物知りな女性。

少し緊張気味な所があって、とっても恥ずかしがり屋。

今後、本編の何処かで登場します――。

□名前:コトハ


ヴァンウッドの森の後半地にある

茶屋「甘蜜」を営んでいるとある主人の娘。

元々シノヴァシアに住んでいた事があり、ブラウンや

師範の皆とも仲が良い。今はとある事情により

1人でお店を開いている。店内には

彼女の趣味で作り上げた物が要所要所に置かれている。

△名前:ギンジ


忍者の里 "シノヴァシア" の前長

ブルーノの父親で、「優しき拳を人の為に」を人生訓にしている。

師範の3人は彼の事を尊敬しており、里の皆は勿論

亡くなったブラウンの両親代わりの保護者として

彼のお世話もしている。とあるきっかけで他界してしまう。

△名前:アグニブ


突然現れた謎過ぎる人物。

出身地はゴールドトライブと言った御曹司御用達の大陸で

とある業界の中でもトップに君臨する会社の社長息子でもある。

只、現在父親とは喧嘩中。自由が好き過ぎて

自分自ら "とある計画" に参加している。

△名前:グランザ


突然現れた謎の人物。

牢獄島の獄長ブレイアとは何かしらの因縁があり

シルドラの両親であるクルディーとプリメラの事もよく知っている。

暗躍しているせいか、周辺を何かと気にする癖がある。

どうやら位的に表舞台に立ってはいけない人物。

△名前:シルギム


ファーラック一族の主。

フェルマータ城では自分の書斎に籠って読書はもちろん

ティブルエイドや各大陸の情勢を新聞で確認する事が大好きな程

勉学が大好きな殿方。分相応な性格があるせいか

あまり貧相な生活を送っている人を好まない。

とある事がきっかけで他界してしまう。

□名前:ミルフィム


上空に浮かぶ "空大陸" の西洋風のお城に住む次期王妃。

皆が寝静まった頃に危険を顧みず外出する位

星を鑑賞する事が大好き。性格は明るく元気で

の言葉を聞くだけで過剰反応する位の好奇心旺盛さ。

彼女が登場する章では空賊が仕出かす壮大な事態に巻き込まれてしまう。

□名前:グレース


空大陸の西洋城で

王妃ミルフィムのお世話係に携わっている。

城の者だけが執り行う皆議では書記を務めている為

皆からの支持や信頼が強い。模範的な人間の象徴でもある。

好きな事は読書。嫌いな事は空大陸の平和を乱される事。

□名前:リザレア


ミルフィム王妃と "城" を守る護衛担当。

腕っぷしが強い為、アグレッシブな性格が強いように見えるけど

実は非番の日に可愛いアクセサリーを衝動買いする位

乙女な所もある。好きなモノは以前ティブルエイドに

訪れた際に食べた事があるバージュベリーケーキ。

△名前:エドガー

〇所属:空賊『????』


空挺 "ホークスオッド" の

指揮を執る空賊の首領。上空に浮かぶ大陸を中心に

民間人や警戒態勢が頑丈な宝物庫を襲撃しては

略奪を繰り返す危険人物の1人。怒らせると

何を仕出かすか分からない為、要注意人物としても

多方面に名が知られている。

△名前:ヴァレッド

〇所属:空賊『????』


空挺 "ホークスオッド" を指揮する

お頭エドガーの息子。此処では父親の用心棒を務めている。

肌を晒す程の圧倒的な筋肉量を誇り

計画の為なら拳を出す事も厭わないかなりの戦闘狂。

空大陸で行われる特別展示日と戴冠式でとんでもない事態を引き起こす事に。

△名前:ラスター

〇所属:ライザ海上情報機関(総務部)


アルジュバルトと言った

海域に建てられている政府直属の海上施設、

総務部の大佐を務めており、日々の執務、同職員の躾に

追われている為、趣味である筋トレが出来ない日々。

まさに正義と言う言葉が似合う性格を持ち

牢獄島や政府が管理している島を

管理したりもしている。

□名前:レイヤ

〇所属:ライザ海上情報機関(総務部)


大佐を務める

ラスターに仕える女性幹部の1人。

聡明で優しく、まさしく薔薇に似合う女性だと自負してる。

相手に合わせて会話をする事が得意で

割と美意識が高い所もある。

□名前:アスラン

〇所属:ライザ海上情報機関(総務部)


大佐を務める

ラスターに仕える女性幹部の1人。

レイヤとは性格が真逆で、たとえ計画の過程で

良くない事が起きても「終わりよければ全て良し」と言う

思考法を持つプラス思考を持つ所がある。

△名前:ガルニア

〇所属:ディグライズ(遺跡探索/鉱石発掘チーム)


右目が緑、左目が赤のオッドアイで

鉱石採掘兼遺跡探索のチームに所属している。

ディグライズのメンバー内では、道具の調達や補充を担当しており

物持ちが良い物を見定める事が出来る。チーム愛が強く

作業が無い休みの時もメンバーと出掛ける事が多々。

△名前:レオード

〇所属:ディグライズ(遺跡探索/鉱石発掘チーム)


ガルニアと同じ

鉱石採掘兼遺跡探索のチームに所属していて

メンバー内では知識担当。各大陸に眠る鉱石や遺跡を下調べしたり

そこに眠る歴史を知りたがる好奇心旺盛なメンバーの1人。

ティブルエイドで権威のある地図博士ゴッシュ

お世話になった過去がある。

△名前:リュウガ

〇所属:ディグライズ(遺跡探索/鉱石発掘チーム)


空大陸【スターシア】の実働部隊のリーダーを務めており

鉱石を本物と偽物、そして価値まで識別出来る

免許『エルロックライセンス』を所持している。

その目利きは本物で、団体に限らず個人でも

とある大陸では鑑定士としても活動中。

△名前:ブラウン


空大陸の「インディム街道」に建ち並ぶ

酒場ブラウン亭のマスターとして営んでいる。

出産時から肌色が茶色だった。事が自分の名前の由来で

本人も割と気に入っている。臆病な所や誰かが大きな声を上げると

驚くのは忍びの里シノヴァシア出身の栗頭と一緒だけど

彼には "驚くべき特技" が。

△名前:オリバー


20歳、故郷クロスウッド出身。

自分と同じ出身地から冒険に出て現役活躍中の

ティブルエイドで凄まじい活躍を見せたシルドラの推し。

彼への魅力を語る時は常にゼンリョク。好奇心旺盛な性格。

尊敬する人物はシルドラと仲間達。嫌いな人物は……。

△名前:ダリア


空大陸、中央都市スカイテラスの酒場で働くママ。

紅のドレスと顎髭が特徴的で、言ってしまえば同性愛者(ゲイ)。

筋肉質な身体を持つ人を好きになる傾向がある。

クロスウッドでは知らない人が居ないドロアとは旧知の仲。

好きな飲み物はお酒。嫌いな物は特になし。

△名前:ハドリス

〇所属:????


最先端ゴーグルを装着していて、

長距離や短距離用の様々な銃器を取り扱えるスナイパー。

空賊のメンバーでもあり、かなりの銃器マニア。

自分だけの世界を持っていて、信用できる仲間にしか心を傾けない。

かなりの寡黙で基本は自室に引き籠っている。

□名前:クレーヌ


ブラウンが過去にコンフェクトフェスティバルの

審査員を務めた時の優勝者であり、チョコレートを使った

洋菓子系のスイーツを作るのが得意。父親は有名シェフ

母親は有名パティシエ、料理一家の家庭で生まれた。

自分で試行錯誤しレシピを生み出す事が得意。

△名前:クレイン=アルシャード

〇所属:スカイラッド蒼空精鋭機関《来客護衛担当》


大空に漂う基地大陸局

『スカイラッド蒼空精鋭機関』に訪れる

様々な来客を敵陣から護衛する役目を担っている。

時間にはかなりルーズで几帳面。様々な大陸の

文献を読み漁る事が大好きで、いつか其処の文化を

自分の目で確かめたい程の好奇心を持ち合わせている。

□名前:リーズリー


パティシェ専門雑誌 "ルアンジュ" の編集担当者。

オリバーの姉であり、各大陸に出向き取材も務めている。

クロスウッドには何年も里帰りしていなく

自分の仕事を最優先に全うしている。

彼女もまた洋菓子を作る事が趣味。

△名前:リョーグン

〇所属:???(ギルド)


全身から伝わるサイコパスさはかなりの数値を誇る。

仮面の下の素顔、彼の出生、趣味や特技が全く予想付かない。

何を考えてるのかも分からなく、底辺冒険者と

口語しているシルドラの事を相当憎む。

そこには壮絶な過去が……。

□名前:ラミア

〇所属:???(ギルド)


中二病をこじらせている20代前半の女子。

特に怪我してる訳でも無く、好き好んで左目に眼帯を装着。

とあるキッカケでリョーグン所属のギルドに加入し

自分の存在を認めて貰う為に孤軍奮闘している。

趣味は辞書でユニークな言葉を探す事。

△名前:ファング

〇所属:???(ギルド)


被っている袈裟と左目以外に

覆われている包帯で彼の素顔が全く分からない。

とある家庭で育ち、裕福な暮らしをしていたある日を境に

彼の過去は大きく変わり、闇を抱えてしまう事に。

趣味も無ければ特技も無い。彼が持っている

にはとある想いが込められている。

□名前:ティセル


空大陸の超高級旅館 "グランテオール" の

フロントにて働く従業員。おもてなしの精神を忘れずに

お客様と接する心を忘れない理念を掲げつつ

経営を務めている立派なスタッフの1人。

ティブルエイド "ホットソープ" に以前訪れた際に

ラグに言われた一言で今の彼女がいる。その一言とは……。

□名前:フェロミア


現在、高級旅館 "グランテオール" に

臨時で来ている本業ピアニスト、兼業マッサージ師の

肩書を持つ二刀流美人。見る者を興奮させる程、胸がデカい。

妖艶な見せブラと周囲に漂わせる香水の匂いが

男子共を酔わせてしまう。けれど女性の方からも人気を誇る。

趣味はウフッ、言・え・ま・せ・ん。

△名前:フレイド

〇所属:航空自衛隊・空大陸基地局


空自と呼ばれる航空自衛隊の

上から2番目に偉い空将の地位に就いていて

曹長や士長・自衛官候補生からもかなり慕われている。

彼なりの育成論を展開させながら、這いある未来の生徒に

自分が「そうだった」と言える授業を教えていく。

しかし、現場に混乱を招くと冷静さを失う所が。

△名前:ジャック

〇所属:スカイラッド蒼空精鋭機関《実働部隊長》


大空に漂う基地大陸局

スカイラッド蒼空精鋭機関の部署の中でも

1番に部員数が多い実働部隊の隊長の地位に就いている。

同じ職場で働く同士と仲良く接しているせいで

後輩愛が強いともっぱらの評判な性格を持つ。

△名前:セルヴァン


空大陸のフィルハート城にて

城内の庶務、掃除の指揮、不足品の補充等

生活を支える作業を全て、執事として教わって来た知識を

フル活用させながら熟していくのが彼の役目。

しかし、意固地な性格の為か忙しい際に

城へ来訪客が現れると少し口が悪くなる時も。

△名前:ギルベル

〇所属:ライトフェザー騎士団(団長)


空大陸専属の騎士団であり、団長。

彼等が掲げる理想や思念のせいか、常に冷静沈着で

交わす言葉、態度も全て堂々としている。

団員の前では「団長」としての威厳を守っているけど

実はかなりの……。

△名前:バージル

〇所属:ライトフェザー騎士団


空大陸専属の騎士団であり、団員の1人。

かなりの自信家で、言った事は絶対に実行させる。

団長のギルベルだけは頭が下がる事が無い、寧ろ尊敬対象。

同じ団員のラウルとは対称的だけれど

騎士団の中では好意を持って接してる。

△名前:ラウル=レイクスバーン

〇所属:ライトフェザー騎士団


空大陸専属の騎士団であり、団員の1人。

唯一の筋肉キャラであり、生涯を筋トレに捧げている。

ルックスとは裏腹にかなりの慎重派なキャラであるが

戦闘に置ける彼の立派な拳にはかなりの要注目!

彼に置ける『正義』とは一体……。

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