第102話:空賊の根城発覚!?放浪狼ゼオンと久し振りの再会!!
文字数 6,250文字
【????】
ちょっと”、腕白坊主!!!
ゼオン様の話をきちんと聞きなさい!!!
や、止めてよー!!!お願いだから頭突かないでくれー!!!
さっきから
余所見し過ぎなのよ!!!
あんたの傾聴力は0!?
おい、シルドラ!!!
ブラウン、助けなくて良いのか!?
何処をどう見ても
あんな小鳥に馬鹿にされてるぞ!!!
あんた
等、今可愛い私に
向かって “あんな” って非難したわね!!!
った”く、何なの!?
最近の若者はこんな感じなんですか!?
おい。少しは気持ちを落ち着かせろ。
頼む内容も頼めなくなるぞ。
きゃあー、ゼオン様カッコいい~。
このまま例の件を皆さんに教えてあげて~。
こう言うのも
癪なんだけどな、
折入って世話になったレブロンに頼みたい。
コイツの
棲み
処に
余所者が居座ってるんだ。
俺と一緒に追っ払って欲しくてな。
それで、どうだ?
その余所者はどんな風貌してたんだ?
くっ。忘れもしねぇ。
俺はコイツの仲間を守るべく奴に挑んだ。
でも、結局敵わなかった。
確か、空賊の親玉って言ってたような……。
前話のあらすじ。
クレインと申した
スカイラッド蒼空精鋭機関の来訪護衛担当の者と
シルドラの両親に科せられた罰の話最中に
ブラウン亭のマスター "ブラウン" が現れ
本当なら機関の人間しか知り得ない情報を
何故か熟知していた。
その上、その場から
突如として居なくなってしまった為
後から到着したアグニブにも疑われてしまう事に。
そんな中、中央広場に戻ると
フィルハート城でミルフィム王妃のお世話を務めてる
グレースが直々に城へ招待したいと
シルドラ達に勧誘を申して来た。
****
夜の中央広場。
ええ。私達一同
フィルハート城への来城を快く歓迎します。
…………。
お気持ちは嬉しいんですけど
こんな夜分に伺っても大丈夫なんですか?
今の時間帯は
ミルフィム様は未だ起きていまして。
22時半には私の教えで就寝されますので
それまでで宜しければ王妃との謁見は
十分に可能で御座います。
シルドラ君!!!
せっかくのお誘いを断っちゃダメだよ。
ご好意に甘えて、皆と一緒に行かない!?
あたいは大賛成だ!!!
あの城の佇まいはきっと内装も凄い筈!!!
此処にまで
荘厳さが伝わるんだぞ!!!
行って損はない!!!
そうですね。せっかくの
機会ですので皆さんで向かいましょうか。
あら、オリバーはダメよ。
大勢で行ったらあのお城に迷惑じゃない?
えーーーーっ!!!いーやーだー。迷惑掛けないからさー。
シルドラ君と離れ離れになりたくないよー。
ふふっ。シルドラさんの
御友人の方も宜しければお越し下さい。
現在の時刻は20時半。
ここから北門に抜け、等間隔に置かれてる
街灯を頼りにシルドラ達はフィルハート城へ向かう事に。
****
一緒に夕飯を共にした
フロントリーダー "リュウガ" 率いるディグライズ。
作業現場である遺跡群ハードロックへと戻って来ると
岩場に腰掛けていたヴァーロンが彼の
洋服の襟を咄嗟に掴んでしまう。
遅くなって申し訳ない。
うっかり時間を忘れて夕食を堪能していた。
何、
呑気に飯を楽しんでるんだよ!!!
こっちは大変だったんだぞ!!
謎の爆破が突如発生してな、
お陰でグランドダイン遺跡の入口が
瓦礫の山で塞がってしまった。
く、くそっ!!!このままだと戴冠式までに
間に合うか分からないじゃねぇかよ!!
じゃあ、この俺が
この瓦礫の撤去作業手伝ってやろうか?
おいおいおい!!!
何で此処にグランザが居るんだ?
俺等の発掘作業を邪魔しに来たのか!?
何、敵である俺が
協力してやると言っても信憑性が無いのか?
この
騒動も
どうせテメェの仕業だろ!?
犯人は現場に戻って来ると言うからな!!!
嘘を付くな!!
空大陸の空自から爆破物を盗んだ
張本人しか出来ない芸当じゃねぇか!!!
【ランバード】
ライガー、済まない。
グランザなら先程まで権威のある地学博士
ゴッシュさんを迎えに俺と共に
ティブルエイドに足を運んでいてな。
ランバードじゃねぇか!!!
よりによって、お前が証人とは……。
空大陸までに掛かる距離や時間を踏まえると
彼には犯行は無理なんだ。
じゃあ、一体誰がこんな真似を!!!
ちくしょう!!!
その時、先程ヴァーロンが
発見した「これは警告だ」と記された
木製警告文に注目し、もしかしたら
何か見逃してるのではないか?と
彼が確認しなかった木板の「裏側」を確認してみると――
途中で途切れてるけど、
俺の勘が正しければ危険物を取り扱う際に
世界の機関が発行している刻印に
何処か少し似てるぞ。
あぁ、間違いねぇ!!!
刻印の下半分が波模様なのはライザだけだ。
機関の人間が違反を犯して、空大陸に
大量の爆弾を送り付けた。
取り
敢えず今は
瓦礫の撤去を最優先にしないといけない。
お前等、明日から忙しいぞ!!!
今日は早めに就寝する事。良いな!?
【ディグライズ/
幻惑の
紅メンバー】
おう!!!!
爆弾で脅し、遺跡の奥へ行かせない事が狙い。
それが現行犯が
木製警告文を挑戦状として出した答えとなると
かなりの知能を誇り、用意周到と考えられる。
色彩の実を戴冠式当日に献上させない為と
諜報員本来の目的を隠す為。
只、唯一のミスとして
警告文が記された木板の裏側に
ライザ海上情報機関の刻印が彫られていた事に気付きもせず
その証拠がヴァーロン達に手渡ってしまった。
再び彼等は真相へ近付く為、
明日からの瓦礫撤去、そしてブルーリメインに続く
道を切り開く次の舞台へと物語が動こうとしていた……。
****
フィルハート城へ向かう道中。
グレースを先頭に夜の散歩を楽しむシルドラ達。
♪ Fly High!!
駆け出したいこのMelodyに乗せて~
♪ 星空へHop Step Jump!!
呼吸合わせてYes, Let's make a dream!!
美声で他所の世界言語を流暢に歌えるとは!!
これはたまげたぞ!!!!
ふっふーん。ズバリこの曲の
タイトルは「カラフル・スカイドリーム」。
どんなに困難な道が立ちはだかっても
絶対に夢は努力した分だけ叶うよ。って
色んな人の背中をポンって押してくれる
応援ソングなんだ!!!
成程。この楽曲があったからこそ
今のオリバー君がいるんですね。
たった1人で
クロスウッドから僕を求めて
空大陸まで会いに来てくれたんですよ。
出会えた仲間と一緒にじゃなく
単独で行動に移すのは素人じゃ出来ません。
常に優しく接してくれる
シルドラの今の会話がオリバーの心の琴線に
触れてしまい、彼は何が言いたげな表情をチラつかせ始める。
あまり無茶だけはしないで下さい。
悩みを抱え込んでいると身体に毒ですよ。
僕で良ければ相談に乗りますので
何時でも気軽に話し掛けて来て下さいね。
いや。オリバーの奴
もしかしたら俺達に言えない
悩みを胸に抱えてるんじゃないのか?
何か分かるんだ。俺も
フランバージュ在留時シルドラに
ずっと悩みを打ち明けられ無かったからな。
ふっ。ただ単純に
友達を巻き込みたくなかったんだろ?
ダチって言うのは心で繋がってる同士の事。
全てを受け止めてくれる存在が居て
信頼関係や絆が徐々に深まっていく。
多分、オリバーは
ずっと躊躇いと戦ってるんだ。
ちょっと不思議なんだ。
オリバーもシルドラと同じリンクリングを
所持する者なのに、出会って数時間も
経つのに未だに何故かお互いに
絆登録をしていなくてな。
ああ。実はシルドラは
自分から「登録しよう」と言った
試しが1回も無いらしいんだ。
割と
人間を見てるのかもしれない。
本当に繋がるべき存在か否かを。
まぁ、そんな冒険者は
珍しいけど
俺はミルフとも出会えて本当に嬉しかったぜ。
溜め込むのは
止して
俺で良ければ全て吐き出してくれ。
そうすればスッキリ出来る筈だからな!!!
【????】
あ”ぁ、も”うっ!!!
ゼオン様、本当に彼等で大丈夫ですか!?
何処をどう見ても
ただの一般市民にしか見えませんよ!!
あれ? ゼオンって確か
過去にグレンドといがみ合ってた――
【ゼオン】
ピィナ、安心しろ。
見掛けない顔も居るけど、
このレブロンって言う男は頼れる存在だ。
彼はグレンドと言った
鳥類の
フレンドモンスターをお供にしている。
以前俺はその従者にお目汚しの
言葉遣いに関して指摘された事があってな。
そう。主であるコイツの
家に怒鳴り込んで注意して貰ったんだ。
ちょっと”、腕白坊主!!!
ゼオン様の話をきちんと聞きなさい!!!
や、止めてよー!!!お願いだから頭突かないでくれー!!!
さっきから余所見し過ぎなのよ!!!
あんたの傾聴力は0!?
うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!
ボクの可愛い頭に穴が開いちゃうじゃん!!
おい、シルドラ!!!
ブラウン、助けなくて良いのか!?
何処をどう見ても
あんな小鳥に馬鹿にされてるぞ!!!
あんた等、今可愛い私に
向かって “あんな” って非難したわね!!!
った”く、何なの!?
最近の若者はこんな感じなんですか!?
おい。少しは気持ちを落ち着かせろ。
頼む内容も頼めなくなるぞ。
きゃあー、ゼオン様カッコいい~。
このまま例の件を皆さんに教えてあげて~。
こう言うのも癪なんだけどな、
折入って世話になったレブロンに頼みたい。
コイツの棲み処に余所者が居座ってるんだ。
俺と一緒に追っ払って欲しくてな。
今の時期、親鳥は留守だし。
巣に居残ってる幼鳥をま、守る為にも。
良い話過ぎる!!!要するに子供の護衛って言う事だよね!?
ふふっ。青い鳥は
幸せを運んでくれるって言われます。
きっと助けてあげたら何かしら御礼が
頂けるかもしれませんね。
それで、どうだ?
その余所者はどんな風貌してたんだ?
くっ。忘れもしねぇ。
俺はコイツの仲間を守るべく奴に挑んだ。
でも、結局敵わなかった。
確か、空賊の親玉って言ってたような……。
見た目は可愛いけれど、
感情の起伏が激しい "ピィナ"。
過去に放浪狼として登場し
現在はこの空大陸にて親鳥留守中の
幼鳥を護衛するフレンドモンスター "ゼオン"。
ただ、そこでも問題が発生していた。
その棲み処に空賊デッドアッシュが居座ってる事。
人目に付かない場所を選んだ空賊の悪行に対し
ゼオンは怒りを露わにし、親玉であるエドガーに挑んだ。
しかしながら、成す術が無くピィナと後にした。
ある意味、2人は正解な行為をしたのかもしれない。
かつて世話になったレブロンと再会を果たし、
そのお陰で助けを求める事が出来た。
そして、更に
物語は新たな動きを見せる――。
【ミルフィム】
皆さん、遠方にも関わらず
空大陸までお越し下さり本当に感謝です。
ぎょええええええええええ!!!!空に相応しい姫様も十分に綺麗じゃねぇか。
えっ、ホント!?
私、綺麗って言って貰えたの初めて!!
あら。ダメなお姫様。
本来なら城外へ足を運ぶのはご法度。
夜道で足元が覚束ないまま、膝でも
擦りむいたりなんかしたら、私が
先代の妃達に怒られてしまいますわ。
大丈夫だもん!!!
だってライアンお姉さんと一緒だよ!?
グレース様、安全を考慮して
ミルフィム王妃を先導させて頂いた。
私が居るなら構わないだろ?
ついさっきの事だ。
デッドアッシュから王冠が返却された。
第091話
『ヴァリングス事件の裏事情!?
第2の冒険者オリバーとの出会い!!』以降で
掲示した8つの疑問点以外に新たに浮上した
更なる疑問点を一気に紹介。
⑨ ヴァレッドが憎む存在がミルフ。
⑩ 匿名で届けられた荷物の中身とその行方。
⑪ 捕捉されてしまった元空賊のダリア。
⑫ ハドリスがシルドラの両親を知っている理由。
⑬ ヴァレッドの「分かり易い奴め」発言。
⑭ グランドダイン遺跡を爆破した犯人。
⑮ ブラウン亭のマスター "ブラウン" の怪しい言動。
⑯ ヴァレッドが "ファリオシーフ" 訓練施設の卒業生。
そして、
⑰ オリバーが抱える悩み。
⑱ バラバラ状態で返却された王冠の謎。
このように沢山の伏線が空大陸編で張り巡らせています。
計20個が全部公開された時、戴冠式当日に
向けて徐々に回収して行きます。
誰が味方で、誰が敵か。
王冠の特別展示中にこの一連の事件に
巻き込まれてしまったせいでシルドラ達も
他人事じゃ済まなくなって来てしまった。
あくまで彼等は冒険者。
事件を推理する探偵では無い。
次の話はこの続きから。レブロンは
幼鳥を守る為に立ち向かってくれるのか?
バラバラと化した王冠はどうなってしまうのか?
戴冠式と言った波乱の祝典に
少しずつ黒の影がどよめき始めて行く……。
第103話へ続く。
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