第109話:自称・宣伝大使!?空大陸大好き少年ユメト登場!!
文字数 4,769文字
あああああああああああああ!!!
暑い、暑すぎるぞ!!!
こっちもダメだ!!!冷房のリモコンを押しても何の反応も無ぇ。
何ぃぃぃぃぃぃ!!!
フィルターの掃除をすれば直るだろ!?
あっ、すみません。
その冷房、現在故障中です。
いくらリモコンを押しても無駄です。
な、何だってええええええええええ!!!
涼しい場所でキズワンの最新話すらも
読めないのか、俺達!!!
団扇や
扇子でも構わん!!!
あたい等にクールな風をプリーズ!!!
えっ、知らないの!?
何処の家庭にも夏の期間はあるんだけど!
それじゃあ、
機械音痴のレブロンさんにも
分かるように説明するねー。
ごほん。これは
扇風機と言ってね
この真ん中の羽根が回転する事によって
風が発生して、そこから涼感を得る事が
出来る真夏の必需品なんだ!
補足を言うなら
都心部なら大体の家庭や職場で
サーキュレーターや冷房を使用してる場が
多く、扇風機は田舎方面で使用されている
イメージが多いみたいですね。
と、言う事は
冷風が味わえる機械か……。
そこを
退けええええええええええ!!!
ミルフ、ブラウンから扇風機を
取り上げるんだ!!!
わっ、うわっ!!!!
こ、来ないでええええええええ!!!
2人分の汗がボクの和服に染みちゃうよー。
飛び散れ、俺の汗!!!
喰らえ、必殺・酷暑発汗垂れ流し!!!!
や、止めてえええええええええ!!!!
シルドラ君、助けてー!!!!
キズワンの夏が始まりましたね。
これにて、ブラウン君の夏は終わりです。
改めて言わせてくれ。
こんな暑い時期にいつも当作品を
読んでくれてホントにありがとな!!!
あはは。
きっと読者の皆さんは
冷房の効いた部屋で涼みながら
麦茶を片手に夏を過ごしてそうだよね。
そう言う事で
ボクも
絆族に
紛れ込んで夏を
堪能――
夏 と 言 え ば そ う。肝試しや怪談話で盛り上がるよね。
僕のこのマスクで夕涼みは如何かな?
で、出たあああああああああ!!!!!
か、怪人シルドラ君!!!
って事で、
挨拶は
この辺にして早速本編へ進みましょう。
うわぁぁぁぁぁぁん~。
僕の役どころがブラウン君に取られたー。
前回のあらすじ。
空大陸の中枢を誇る「フィルハート城」。
その城の謁見の間には
かつてシルドラの両親と関わっていた
ライトフェザー騎士団と言った
団員が全員男性で構成されている騎士団と邂逅を果たす。
しかし、冒険者の端くれなら
始まりに相応しい程々な活躍を見せると思いきや
いきなりビッグ過ぎる「アレドシアの改心」を成功させた為
シルドラは勿論、仲間の存在でさえ目の敵にしていた。
自分の頑張りが否定されたと思い、
シルドラは悔しそうな表情で正門近くの階段に座り込み
膝を抱え落ち込む事態に陥っていた。
※ このお話は第110話に繋がる
導入部分を描いてますので、そこまで本編の発展は御座いません。
****
フィルハート城に続く階段。
おーい、シルドラ君ー!!!
こっち振り向いてえええええ!!!
冒険者って何なんですか!?
僕流の冒険をして何が悪いんですか!?
シルドラ、顔を上げてくれ。
あたい等はお前の頑張りを知ってるんだ。
そうだよ!!!
ずーっと心の葛藤と戦って来た
アレドシアさんを助けてあげたじゃん!!
心に寄り添ってあげるなんて
そんな簡単に出来る事じゃないからね!!!
あまり僕は知らないけど
城が崩れ去る時のシルドラ君のジャンプ。
並外れた身体能力だったよ!!
もうっ。
慰めてくれるんでしたら
もっと愛のある一言が欲しかったです。
別に良いんだ。
冒険者は落ち込んで成長し続けるモン。
最初からエリートな奴なんて誰も居ない。
シルドラはあたい等の仲間。
それだけは絶対に忘れるな。
おいおいおい!!!
あたいに飛び掛かるんじゃねぇぞ!!!
だああああああああああ!!!!
人生初の男ダイブはシルドラかよ!!!
こうして、僕の推しの
シルドラ君はミルフさんの谷間に顔を埋め
神聖なお城の階段で5分間泣き続けました。
ああ。正直言うが
あんな奴等と作戦会議をするつもりは無い。
あたい等はあたい等しか出来ない方法で
空賊と対峙してやる。
なら、コケ脅し程度の爆弾は如何ですか?
左様。空賊への反撃を
想定して城の者と悩みに悩んで
爆弾を数箱手配させて頂きました。
ただ、
殺傷能力は無いに
等しい。
最低限の衝撃に、怯ませるだけの小道具。
ええ、
昨日の午後に。
割物と下積み注意のシールを
張るようにと支持致しましたので
厳重に運搬の程をお願い致しました。
伏線番号⑩:
匿名で届けられた荷物の中身とその行方
この伏線の一部が回収されました。
フィルハート城に務める執事セルヴァンが
悪事をほくそ笑んでいる空賊デッドアッシュの
襲撃に備えて城の者と会議に会議を重ね
いざと言う時の為に彼が受注と運搬を指示していた。
しかし、何故「匿名」を希望したのか、
その理由は戴冠式前日に「とある形」で発覚する事に。
ただ1つだけ
明らかにしないといけません。
それは、ディグライズと頭領ヴァーロン率いるギルドの
作業の邪魔を成功させた遺跡の入口を塞いだ爆弾は
セルヴァンが用意した物、ではありません。
では一体、誰が
ライザ海上情報機関の刻印が入った
板切れの表側に記した挑戦状を叩きつけたのだろうか。
未だに謎は多く残るばかり……。
そんな最中、城の正門に繋がる
階段を荒い息を吐きながら登って来たのは――
【????】
はぁ、はぁ……。
やっぱり階段を早く上るのはキツい。
【ユメト】
あっ、君達テレビで見た人達だ!!
ボク、有名人に会うの初めて!!!
ボクの名前はユメト。
趣味は飼っているヒヨコと戯れる事。
空大陸の食べ物と自然が大好きな10歳。
え、えっ!?
ボクの座は誰にも譲らないからね!!
22歳だけど未だ若い子には負けないよ!!
えーっと、
シノヴァシアの空気は好きだし
里の食べ物は美味しい物ばっかりだし!!
何張り合ってるんですか?
年齢の差だけで争ってはダメですよ。
安心しろ。ユメトはユメト。
ブラウンはお前にしか出せない味がある。
それが「個性」って言うんだ。
馬鹿やってシルドラにこっぴどく怒られる。
それこそがブラウンの醍醐味だろ?
これじゃボクがシルドラ君の
怒りを買ってるように聞こえるじゃん!!
強ち間違いとは言えないかも。
ボクが主犯ですね、あはは。
ふっふふーん。
さっきも言ったでしょ?
皆さんの活躍ぶりをテレビで見たって!
その放映の中で一番注目されたのが
ミルフさんのウサギさんハンカチのシーン。
女性アスリートを目指す
シルドラ君のお仲間の私物はこちら!と
思いっ切り紹介されてたんだ。
おいおいおいおい!!!
全国ネットであたいの私物を晒すなよ!!
オリバー、お前もその番組見てたんだろ。
それは本当なんだろうな!?
おんどりゃああああ!!!!
局は何処だ。Pに抗議してやる!!!
でね、ボクが目を輝かせたのは
ブラウン君の必死の頑張りで皆さんを
瓦礫に埋まった牢屋から助け出した救出劇!
花丸級の
大活躍を見せた
キミを見てボクも頑張らないと、ってね!
だから、この
空大陸を
知り尽くしたこのボクがここから先は
案内したいんだけど。良いかな!?
な、何だって!!!その年でシルドラみたいな博識なのか!?
ふふっ。ユメト君の案内は
空大陸を訪れる冒険者にもお墨付き。
本当に何でも知ってるのよ。
じゃあ、この大陸を動かしてる
巨大樹シャマイムや残りの色彩の実の在処。
教えてくれたらあたいの胸を
触る権利をあげよう。
なんちゃって、ふふふ。
流石に分かる事と分からない事が――
うん、分かった。衛生面を
考えてゴム手袋で触るから安心して!
なっ、何だって!!!!ユメト君、本当に知ってるんですか!?
ティブルエイドの地理ならおまかせ!
フィールドワークが大好きで、
自分の目で確かめた物は写真に収めたり、
新たな自然や生物の発見、手付かずの遺物の研究等
自分の手元にデータを残して置きたいと常日頃
調査三昧な日々を過ごす権威のある地学博士ゴッシュ。
空大陸の地理ならおまかせ!
低年齢の少年で、
空にちなんだ髪色や服を好み
10歳ながらも自称・空大陸宣伝大使を名乗る位
大陸の自然や空気・食べ物・大空アクティビティが大好き。
そして、唯一彼だけが知っている
巨大樹シャマイムと色彩の実の在り処。
まさに好奇心の塊、名はユメト。
しかし、ちょっとドジっ子な部分もあったりして――。
その可愛いらしい一面はまた後程。
次回、
生活拠点をユメト宅へ移し、
この空大陸でも1位の綺麗さを誇る
観光スポット "ピュアレイク" 周辺をゆっくり散策しつつ
湖に棲む魚の生態系を色々教えて貰う事に。
そして次々回は
超必見!ユメト考案による湖釣り。
この話には他作品とのコラボが含まれています。
この湖底に潜む主を釣り上げるのは一体、誰だ!?
抱腹絶倒な回でもあります←
第110話へ続く。
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