第027話:本日開園!マリーナブルーの超絶スプラッシュ・ダンス!!(中編)
文字数 5,570文字
本日はマリーナブルーへの来園
誠に有難う御座います。当園は大きく分けて
3つのエリアで構成されております。
まず注目して頂きたいのが、
1つ目のエリア。リラクゼーションホール。
ショッピング、キッズスペースはもちろん、
ティブルエイド本島にて5つ星を獲得した
シェフ達が腕を奮ってお届けするバイキング
形式のレストラン等、自信を持ってお届け出来る
エリアとなっております。
そして2つ目のエリア。
こちらは重厚な内装を取り入れたホテルと
なっており、多種多様な客室が目白押しです。
部屋着のまま、リラクゼーションホールへの
移動も可能となっております。
最後に注目して頂きたいのが当園が
自信を持ってお送りする3つ目のエリア。
最大級のウォータースライダーが売りの
プールエリアとなっており、屋内に設置されて
いるウェーブプール、キッズプール。そして
屋外にはネイチャープール、フリュープール等
様々な水の冒険を楽しむラインナップと
なっております。
ちなみに本日、午後5時から夕方の景色を
堪能しながら屋外特設ステージで当園
選りすぐりのマッチョスタッフがお送りする
オープン記念によるスプラッシュ・ダンス
イベントが開催されますので、是非
興味がある方は観に行ってはどうでしょうか?
それでは、皆さん
楽しい1日をお過ごし下さい。では
いってらっしゃいませ!!
…………。
ふうー。
前回のあらすじ。
ホットソープに向かうシルドラ達御一行様。
道中にある本日オープンしたばかりの
ティブルエイドのエンターテインメントの集合地
"マリーナブルー" の規模の大きさ、そして
魅力に惹かれ、寄って行く事に――。
子供が屋外プール施設に行くのと同じように
シルドラはもちろんの事、筋肉組のレブロン達が
はしゃぎまくり、もう更衣室の時点からカオスの連続。
そして挙句の果てに……
"絵面が汚いことは許してくれ"。
3人のマッチョがギュッと抱きしめ合い
唇を前に出し、愛を育んでいるこの状態
決して悪意がある行為ではない。これがエンディアが
言っていた "やりたい事"。ただ、これには……
続きがあった。
****
10分後――。
シャワーコーナーから少し離れた
中央広場。先に着替え終わっていた女性陣。特に
ミルフに説教されているレブロン、
エンディア、シルヴェス。
【レブロン/エンディア/シルヴェス】
はい!!!
健全なシルドラに刺激の強いシーンを
見せてしまった筋肉組。もちろん、今まで彼の前で
キレッキレの身体を見せて来た事も分かっている。
しかし、ここはプール。
お客様が楽しむ場。そんな公共の場で
やって良い事と悪い事がある。そんなルールなど
屁でもねぇ! と言わんばかりに身体を寄せ合い
愛を育む光景。ミルフはここぞとない
表情をし、彼等に罰を与える事に――。
****
ディーププール。
スライダーと共に併設されていて、"滑る" と
同時に水の中へ落ちる新しい楽しみ方が
体験出来るプールで楽しんでいるシルドラ達。
一つ言うなら水深2.5m。彼等の平均身長はせいぜい
165cm前後。もちろん深水の為足は付いてない。
****
シースルー型ウォータースライダー。
アトラクション名 "ゴッドスケルトン"。
ビル20階建ての高さを誇り、怪物級。
そんでもって、結構曲折が多いコース。
下からでも余裕に滑っている様子が見られるせいか、
恥ずかしい想いで着水コーナーまで行かなければならない。
最初はグー、じゃんけん……
最初に"ゴッドスケルトン" を滑るのは誰だ?
****
ここは本日午後5時に開催される
スプラッシュ・ダンスを取り仕切る野外特別ステージ。
近くにはマッスルプールが設置されていて、
ステージの上には5本の
演出であるマッチョスタッフによる
リハーサルが行われていた真っ最中。
その風景を見ている2人のスタッフと
1人のイベント考案者が話し合いをしていた――。
詳しい事は言えないけれど……
1つだけ言うなら
何故か今日に限ってイベントを更に彩る
マッチョな体格を誇っている職業の者達が
揃いも揃ってマリーナブルーに訪れている事――。
そう、そこにはチケット購入をした際に
受付スタッフが写真撮影した
レブロン、エンディア、シルヴェスの姿も。
****
"ゴッドスケルトン" 着水コーナー付近。
ウェーブプールで泳ぎ終わったアロイス達と合流した
シルドラとミルフ。今か今かとレブロン達が
滑って来るのを待機している。
"ゴッドスケルトン" スタート地点――。
じゃんけんに負けて最初に
滑る事になったのは……
信号と同じ配色 "赤・黄・青" の
3つのボタンが置かれている。着水コーナーにいる
スタッフが挙手した瞬間、青のボタンが光る。
それこそ "スタート" の合図――。
そして遂に……
初体験にしてトップバッター"
スタート直後、3回程曲折するコーナーに
差し掛かるとレブロンは今にも泣きそうな声で……
そう、ここは全面ガラス張り。
外の声は全く聞こえない。
挑戦する者達に栄誉を称え、付けられた
神々たる透明のスライダー。
直訳すると "ゴッドスケルトン"。
まさに今挑戦中のレブロン――。
ただ、ここで珍事件が発生する。
少しずつ着水コーナーに近付いているせいで
彼のお尻元に流れている水が少しずつ勢いを増して
今にも海パンが脱げそうになっていた。
しかし、係員の指示で
頭の後ろから手を離す事は
ポロリを見せる訳には行かないと、自分がほんの
ちょっと動くだけでも効果的だと思い、お尻を一瞬
持ち上げて調節しようとした瞬間、最後のコース、直滑降に
差し掛かり、思い切り脱げてしまい、無情にも彼の
海パンだけ先に着水コーナーへ……
ポチャンッ。
鍛え上げられた
"うん。またやらかしたな……"
"これがキズナ・ワンダーランドなんだ。笑ってくれ"
"作者は筋肉キャラを愛してる"
それを承知でこのエピソードを書いている。
そして、彼の悲鳴が着水コーナーにいる
シルドラ達に聞こえ始めて来た。
脱げ落ちた妹の笑顔の刺繍が入っている
赤色の海パンが物寂しそうに漂着し、
ザブンッ と筋肉の重みと共に
無事に着水完了したレブロンが髪をかき上げながら
目の前にいたシルドラ達に気付き、
何事も無かったかのように再会――。
マリーナブルー、3つのエリアに
植えられている種類豊富、そして色とりどりの
花達が一斉に咲いた。
きっとレブロンの海パンも花を咲かせたに違いない。
"別の意味で"
次回、いよいよ
スプラッシュ・ダンスの全貌が明らかに――。
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