第013話:ゴールデンレブロン誕生!?水着とミルフと架空の師匠!!
文字数 5,377文字
ここは更衣室、海の家の右隣にある
マリンスポーツ事務所――。
えっと……、海パンのコーナーは此処か。
色々あって目移りする。レブロンに
合ったのはどれだ?
ここではクラムビーチで満喫出来る
スキューバーダイビング・パラセイリングと
言った海のスポーツの受付など、海パンや
土産などと言った購入出来る店舗が
並列されている。
海で泳いでいる際に海パンを
紛失してしまったレブロンの為に彼に
似合った海パンを探している。ただ種類が
多いせいかどれにしようか迷っていた……。
えっと……、レブロンは熱い男。
それに見合ったモノがあれば
それを購入したいんだが……。無いかな?
右から左へ1つずつ見て行くと
神々しい光を放っている "とある海パン" を発見。
これは……、素晴らしい程の出来栄え。
店員さん、これをお願いします。
すぐに使うので袋はいりません。
袋に入れずにゴッシュの右手には
レブロンの為に買ってあげた海パン。
お気に召すかと笑顔でマリンスポーツ事務所を
後にするゴッシュ。自動ドアから外に
出ていったお客に対して店員は……
穿いた奴、勇者だな……。
今までずっと売れ残っていたのに。
相当、身体に自信がある奴じゃないと
あんなの穿けんよ。でも
ちょっと見てみたいぜ。
****
レブロンの特徴的な髪型がシルドラの
お尻に刺さってしまい、さっきからずっと
両手で痛みが消えるまで押さえ続けていた。
もうっ、レブロンさんっ!
気を付けて下さいよー。まだ僕だったから
良いですけど、他の人だったら
只事じゃ済まされないですよ!!
ただ、本当に痛いなら
俺が慰謝料を出さないと気が済まない!
どうなんだ、シルドラ!?
ちょ、ちょっと待って下さいっ!
ぼ、僕は大丈夫ですから!!
ほら、見て下さいっ!
微かに痛みは残ってますけど
僕は常にピンピンしてますよー!!
シルドラの "サンクス!" に衝動的に
身体が動いてしまい、海パンを紛失していて
砂中に下半身を隠していた事をすっかり
忘れて、堂々たる姿、そして2人の目の前で
サイドチェストのポージングをし始める。
は、早く隠して下さいっ!
じゃないとミルフさんが見てしまう……
早くブツをしまえ、このモロ出し野郎!!
あたいはこれでも女だぞ。
ミルフは格闘家を目指している女性。
レブロンの逞しいブツを直で見てしまった為
顔を赤らめた状態で彼の頬を1発ビンタし、
少し離れた場所まで駆け出してしまう。
あーあ。ミルフさん怒らせちゃいましたね。
どうするんですか、レブロンさん?
けれど、ゴッシュの奴……遅いな。
どんな海パン買って来てくれるんだろう?
レブロンの海パンを購入し終えた
ゴッシュは少し離れた場所から2人を呼ぶ。
しかしながら、クラムビーチを訪れている客、
スポーツ選手は彼が右手に持っている
"ヤバい位に光り輝くパンツ" に
目を奪われて、言葉を失っていた。
そう……、彼等2人も。
はっ!? ちょっと待って……!!
レブロンさん、アレはマジでヤバいですっ。
ビクトリアゴールディーパンツです。
ちょっと高価でしたけど、レブロンさんに
似合っているなら本望です。是非とも
穿いてくれませんか?
もちろんです。キレッキレの身体で
ポージング講座してくれたお礼です。
是非とも更衣室で着替えて来て下さい。
シルドラ君と待ってますよ。
もちろんです!
レブロンさんの為にある海パンです。
是非とも穿いた姿を見せて下さいっ!!
お、恩に着るぞ!!
ちょっと穿いて来るから待ってろ。
女性が見ています。
前をきちんとパンツで隠して
更衣室に向かって下さい……
****
レブロンは男子更衣室、ミルフは
少し離れた場所にいる為、砂浜に残っているのは
ゴッシュとシルドラ。2人が戻って来るのを
今か今かと待っている。
それにしてもレブロンさんは
相変わらず愉快な方ですね。
フランバージュに属したなんて
最初は信じられなかったけどな……。
あれから"あの件" はどうなってるんだ?
えっ、レブロンの奴
シルドラ君に伝えてないのか。
それなら、彼の口から直接聞いた方が良い。
もしかして、レブロンさんって
何か問題抱えてるんですか?
私の口からは言えない……。
アイツから直接言って来る日を
待っていてくれないか?
分かりましたっ。
肉体派でフレンドモンスターに
優しく接する性格……僕大好きです!!
もっと仲良くなりたいなあー。
そうだな。是非とも
アイツのフランバージュとしての
計画を終えたらリンクリングして
あげてくれ。私からの一生のお願いだ。
もちろんですっ。
あっ、ミルフさんが戻って来ましたよー。
レブロンの頬をビンタしてから
気分を直そうと気合い入れる意味を込めて
砂浜をダッシュしていたミルフは
少し荒い息を吐き、常に背負っている
リュックの中に常備しているミネラルドリンクを
飲みながらゆっくりと歩きつつ
2人の元へと戻って来る。
ふうー。ダッシュしてたら
少し疲れたぞ。さてと、シルドラ……。
ちょっとお願いがあるんだ。
そんな事より、さっき砂浜ダッシュしてたら
シルドラと同じクロスウッド出身の
冒険者……或いは観光客がいたぞ。
すっかり話し込んじゃったぜ。
えっ、誰だろう?
もしかして知り合い……、まさかな。
ん。何かクロスウッドでは
男性の大胸筋や、女性のお胸に名前を
付けるのが流行り……って
言うのを聞いたぞ。
は!?
絶対に会話した方知ってる筈だ。
その方の胸の名前って憶えてます?
確か……、
カラフルドロップだったかな。
あれは体型を維持するのに
V字バランスやってるな。
あっ……、
あの人だ。
間違いない。ってかこんなティブルエイドに
来てまで "あれ" をやってるのかな?
だから決めたっ。
あたいの胸の名前、そうだな……
ゴッシュさんに決めて貰おうかな。
私ですか……、分かりました。
せっかく指名してくれたんです。
良い名前を付けさせて貰いますね。
宜しく頼むぞ。ん?
お、レブロンが戻って来た……って
うわお、やばいやばいって!!!
ほら、見てみろよ。言っちゃえば
さっきの海パンって金色だろ?
そのせいか、周りが輝いて見えるんだ。
んな、まさか。どれどれ……。
えっとレブロンさんは……
はぁっ!?ゴッシュさん、彼……
パワーアップして帰って来ましたよ。
太陽の日差し、レブロンの金色の海パンが
色鮮やかに共鳴し、シルドラ・ミルフ・ゴッシュの
目には彼に後光が刺しているかの如く
直立不動で勇ましい姿で腕を組みながら
彼等の元に帰って来る。
遅くなって済まんな。
どうだ。似合ってるだろ?
更衣室で脱衣していた際に、
結構見られてた気がするな……。
そりゃあ、そうですよっ!
僕からしたらトップクラスの
肉体美ですよー。それにその海パン。
まさしく運命共同体です!!
ありがとな、シルドラ。
褒め言葉として預かっておくぜ。
ところで、3人揃って
何の話してたんだ? 俺も参加させてくれ。
もちろん。今ゴッシュさんに
あたいの胸の名前を考えて貰ってる最中だ。
な、何だと……。
確か俺の架空の師匠も
大胸筋に名前入ってた気がするぞ。
確かクロスウッドって言う大陸だった筈。
師匠の名はエンディア。筋肉を愛し、笑顔を絶やさずに最高の
友達を作るとっても熱い奴だ。
俺は、そんな男になりたい……。
えっ、エンディアさんじゃないですか!!
僕の実家に現れたモンスターを
一撃で倒してくれたお方ですっ。
彼に助けて貰って、あの逞しい胸板に
抱かれた事今でも覚えています。とっても
心が温かくて、包容力もきちんと
兼ね備えている……まさしく
男の中の男、それが彼です!
架空だけど、いつか師匠に
出会えるチャンスが訪れるかもな。
その日までお前等ともっと仲良くしないと。
これからも宜しく頼むぞ、シルドラ。
耳元でこそこそと
敢えてレブロンにも聴こえないようにと
工夫をしながらゴッシュに伝え始める。
シルドラくん、
君もなかなかのワルですね。
最高の出来栄え、是非2人に
聞かせてあげて下さい。その特権
君に差し上げます。
ん。俺にも言わないなんて水臭いな。
ほら、言ってみろ。言わないと……
で、シルドラ。
あたいの胸の名前は何だ?
言ってみてくれないか……?
怒らないで下さいねっ。
ミルフさんのお胸の名前は……
シルドラは謝罪を全力で
大きな声で発しながら。更衣室の方へと
ダッシュして行ってしまう……。
****
それから30分後――。
楽しいやり取りも束の間、いよいよ
彼の地図製作の極意を教える為に、少し
崖よりの岩場に集まり指導をし始める。
よし、今度は皆集まったな。
ただ、これはシルドラに教えるモノだ。
皆は自由に動いていても構わないぞ。
俺にも手伝わせてくれ。フランバージュも
大切だけど、今はシルドラの友達だ。
ミルフはどうだ?
何言ってんだ? 大切なパートナーの
お手伝いが出来ないなんて相棒の
実が廃るっていうモンだ。
あたいも協力するぜ!!
皆さん、ありがとうございますっー。
これは頑張らないと!!!
ゴッシュさん、お願いします。
君達は本当に仲が良いんだな。
私は嬉しいぞ。よし、まずはここ
クラムビーチ周辺の作成としよう。
皆さん、準備はいいですか?
地図製作は次のエピソード、
まるまる1話分です。楽しみに
待っていて下さいね。
****
ここは、ティブルエイドから
ほんの少し離れた海域――。
一隻の海賊船がティブルエイドの
クラムビーチ付近に停泊しようと向かっている
最中、船団員が大食漢ばかりのせいで
倉庫に閉まってあった食料が底を
尽きてしまい、一旦航海をストップさせて
釣りをしていた。その他の団員は甲板や
船内の掃除に回されてしまっていた……。
ふうー、釣れねえな、オイっ。
本当にこの辺りに魚いるんだろうな?
ほらっ、そこの君。
退屈しそうにしないで、もっと真面目に
取り組まないとまた親分に何言われるか
分からねぇぞ……!!!
へいへい。やりゃいいんだろ、やりゃ。
あー。俺食う専門なんだわ。誰か
他の人にやらせよっと……。
ってお、親分!!!
【親分】
お前、海舐めてるのか? 舐めてたら
この世界では食って行けねえぞって
何回言えば気が済むんだ、おい!!
す、すいやせん……親分。
真剣に取り組ませて貰います!!!
ったくよ、どいつもこいつも……
怠けていやがって!!!
おういー、ゼルガス親分……
こっちへ来てくれ。何か見つけたぞ。
(ゼルガス【親分】)
お、今度は期待出来そうだ!!!
良い声を発するのはこう言う事を言うんだ。
甲板付近で釣りしている団員から
"何か見つけた!" と一声が掛かり、
急いで駆け付ける親分。
…………。
おい、俺を舐めてるのか?
海月なんて食えねえだろ。
向こうを見てみろ!
鳥山があるって言う事はこの辺でも
釣れるのは間違いないんだ。
もっとやる気出せ!!
ゼルガスさん、違います。あの海月の上、
何か乗っかってるんですよー。
ちょっと網で拾い上げても良いっすか?
海月の上に乗っかってる物に興味を持った
ゼルガス親分の船団員は倉庫に
閉まってあった網を投げて
見事に拾い上げる。
…………。
食料じゃないモノだったら要らん!!
お前の方で処理でも何でもしろ。
じゃあ、失礼……
いや、親分待って下さい。
この海パン、落とし物ですね。
レブロンって丁寧に名前が書いてあります。
もしかしたら我々が向かっている
クラムビーチでその彼が落とした可能性も……
ゼルガス率いる海賊団、
目標地点はシルドラ達がいるクラムビーチ。
決して交わる事の無い出会いが彼等を待ち受ける。
それにしても
そのレブロンっちゅう奴の顔が
刺繍されてる。可愛いじゃねえか。
妹、姉でも居るのかな?
こりゃあ会うのが楽しみだ……
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