第０８６話：涙と笑顔のお別れ！絆と勇気が紡いだ最高の夏物語！！
文字数 9,447文字
此処は忍者の里シノヴァシア。
スーッと
マツカゼが良く座る座布団の前に置かれている
座布団の上に
道着を置いて感謝の意を述べるブラウン。
毎日のように師範マツカゼにお世話になっていた。
しかし昨晩の宴の最中に
シルドラやミルフ、そしてレブロンの口から
一緒に旅しないか？と嬉し過ぎる提案を
切り出され、浮かれ気分の模様。
昨晩の宴最中の会話。
大体時間で言うと２０時頃。
夜空に広がる満点の星を見ながら
シルドラ達と今後の旅について話し合っていた。
冒険の仲間に入れてくれるの！？
ブラウンもその１人じゃねぇか！！！
それを言うなら親友ですよっ！
是非お前を仲間に迎えたくてな。
マツカゼ様に何て言おうかな？
もしマツカゼさんの事が
心配なら僕達は無理に君を誘わないよ。
言うのは覚悟が必要なんだ。
まだ時間はあるから、ゆっくり考えて
自分で答えを出してから来てね。
お世話になった人と当分会えなくなる。
それに耐えきれるかどうかは
ブラウンの
言う言葉がある位だからな。
少し考えてみるよ。
それだけ伝えて置くぞ。
ブラウン君の居ない旅はちょっと寂しいな。
何か張り合い
一夜を共に過ごせるもんな。
今からワクワクが止まらないぜ。
必ず行くから待っててくれる！？
君と行く気満々なので。
冒険の旅立ちと言うのは誰もが必ず通る道であり
緊張する場でもある。最初に上陸した場所で
どんな道筋を歩むか、どんな人と
交流するかが即断で決まる。
今回はフランバージュの元リーダーであるアレドシアが
狼族のヴァルを処刑するお話だったけど
それ以上に野蛮な計画を執行する人も
多いだろう。それなりに覚悟を
挑む事が必要不可欠。
＊＊＊＊
マツカゼ宅の玄関扉を開けて
シノヴァシアの正門前で深々とお世話になった一礼をし
ビューウェーブに行こうとすると……
おはようございます！！
こんな朝早くに何処に行くんだ？
花壇に水やりをしていたシモンと出くわし
資材置場にある
ブラウンと話し合う事に。
ブラウンもティブルエイドを発つんだな。
元気一杯が取り
里を抜けるとなるとシノヴァシアも
物寂しくなるな。只、教え子が卒業する
気持ちと考えれば嬉しくもある。
皆に助けられてばっかりで
未だちゃんと恩返し出来てないんだよね。
ミルフさん達の手を借りていたからさ。
シルドラ君と一緒に冒険をして
立派な大人磨きをするんだ！！！！
叶えたい夢をとやかく否定する事等しない。
それがブラウンの望みなら
もっと目に焼き付けたいのでは無いのか？
君もその１人だと言う事実にな。
じゃあ、ボクは行くね。
自分の叶えたい夢を寝ずに考えていた。
シルドラの事を
気付かない所で人様に迷惑掛けているのではと
自分も大人にならなければ！と自分に
言い聞かせていたのかもしれない。
これを機に皆と冒険して一皮剝くんだ！の
精神で決意表明を果たした。
マツカゼ達との
お別れまで残り６時間３０分――。
ステラビーチ、宴終了後の海の家。
一旦、目が覚めてしまった
ライガーは景気付けにトレーニングの一環で
早朝の浜辺ダッシュを行っていると
この海水浴場の出入口付近で、まるで監視するかのように
とある男が皆を見つめ続けている光景を目にした為
ライガーは敵か？と思い込み、
その彼の元へ姿を現す。
アイツ、何、
ジッと何見てる……
お前、確か
爆弾盗んだ奴だろ！？
全てを無に出来る最高の凶器だ。
目を付けられたのは運の尽きだな。
スカイテラス全体に警告音が鳴り響いたんだ。
気付かない方が
きちんと監視カメラに映り込んでいたしな。
お前の素性はもうとっくにバレてるぞ。
直ぐに逃げた方が良かったぜ。
犯罪を自分からして置いて
逃亡を
名を言え。ブレイア様に突き出してやる！
オメェに俺が捕まるとでも思うのか？
無数の包囲網を
俺はお前も良く知ってるレブロンの兄……
格闘家を引退し、現代の悪徳ビジネスを
提供する犯罪プランナーだ。
以後お見知りおきを。
フランバージュの裏切り者なんだぞ！！！
結局アレドシアも計画は失敗するわ
ヴァルを仕留められずに改心しやがって。
フェルマータ城でとある物を回収したしな。
これで次のステップへ行けるぜ。
オメェに話す事は何１つ無い。
信じ難いごとに
アグニブと一緒に行動を果たしていたのは
空大陸から大量の爆弾を盗み、狼族を処刑する為に
アレドシアの計画にも賛同をし
フェルマータ城を破壊すると言った爆破行為を
執行する為の凶器を提供したレブロンの兄、グランザ。
何故、プロまで登り詰めて
チャンピオンベルトを総ナメまでした
現役格闘家を引退してまで、その道へ走ってしまったのか
今は、弟や父親でさえ誰も知る由も無い。
今後、物語に大きく関わって来ます。
＊＊＊＊
時は過ぎ、朝７時。
ヴァンウッド、旅人の宿。
後遺症が多少残っているヴァルのお見舞いをしに
シルドラが再び訪問していた。
様子見に来ちゃいました！！！
わざわざ、ありがとうね！！
宴に誘われたのに行けなくてゴメン！
シャノンさんに完治するまで
外出禁止って言われちゃって。
彼女の治療の
少なからず一週間はベッドの上で
過ごさないといけませんね。
喋るのは初めてだったような……。
散々な目に遭ったけど、皆さんが
俺を助ける為に一致団結して助けてくれた。
見守ってくれてたに違いない。
僕の父さんと母さんを知ってるんですよね。
狼族にも分け
シノヴァシアのあの小さな小屋で
この大陸を更に住み良い場所に
する為に一緒に奮闘したもん！！
クルディーさんは
皆の無視して床にずっと座り込んでは
意固地になっていたかな。
次はシノヴァシアですか。
ティブルエイドをくまなく冒険しましたね。
昔の地図って今何処にあるんだろう……。
今、ネックレスって持ってる？
受け渡された両親の形見であるネックレス。
一度、
ライアンの手により徹底的に調べられた代物。
真剣な眼差しで答えるからに、そのアイテムには
誰にも解き明かす事が出来ないように
仕掛けが
遂にその全貌が明らかに――。
真ん中に埋め込まれている刻み十字架は
取り外し可能なんだ！！
ねえ、見てくれるかな？
科学の力って凄いんですけどおおお！！！
どう言った仕掛けですかああああ！？
ここに俺がヴァンウッドで摘んだ
シンティアの花の匂いを詰め込んたんだ！！
匂いには皆無なんだ。
シルドラ君も渋い顔するんだね！
俺も苦い物を飲んだ後に良くその顔するよ。
シャノンさんから預かった
シンティアの花の実物持ってますので
もし宜しかったら受け取って下さい。
キレイに咲き誇ってくれたんだね！
あの時、火事の魔の手から救われた、って
彼女から教えてくれました。
ティブルエイドの事を忘れないで欲しいと
両親がこの土地の澄んだ空気と
土から芽生えた生命の匂いを
君に託したんだ！！！
シルドラ君に出逢えた！！
お別れは寂しいけど、次の冒険地でも
皆の活躍をここから応援してるね！！！
ヴァルさんもお身体大切に！！！
この大陸で過ごし、肌で感じた想いや
自然がくれた恵み、様々な人との
繋がりがふんだんに詰まっていた。
別に怪しくも何とも無い。
レアな種族である狼族にも出会えた。
アレドシアとの
ハラハラな冒険活劇を楽しめた。
息子であるシルドラに次の世代を
引っ張って欲しいと想いを込めていたのかもしれない。
出逢いと言うのは一期一会。
その感謝を伝えるべく、時刻は朝８時３０分。
急いで彼は港町ビューウェーブに戻り、
次はアレドシアとブロス、獄長ブレイアとのお別れを果たす。
＊＊＊＊
港町ビューウェーブ。
中央広場の船停泊場の少し端。
小型潜水艦でやって来た
看守のシルヴィが真っ先に待機していた。
何処へでも向かいます！！
さあ、ブロスさんも。
２人と過ごした昨日の宴、楽しかったです！
こんなに楽しいひと夏を過ごせる機会と共に
自分を友達と認めてくれたシルドラ達と
出会えた事に感謝しないとな。
ブロスもそうだろ？
僕達２人の心に触れてくれてありがとう。
絶対に忘れないって約束してやる！！！
汗水垂らして頑張った成果が
実ったようだな。
僕はその手助けをしたまでですっ！！
ボクとカリエラに任せて貰えないかな？
罪状からして北の手筈になっていたけど……
俺がラスター大佐に報告しとこう。
自分達が罪人である事。決して
許されない悪事に手を染めてしまった。
その事実からは逃れられない。
更生出来るかは本人の意志だ。
この２人なら大丈夫ですっ。
僕はまた会える日を楽しみにしています！！
アレドシア、ブロス。
また遊んで下さいね。
更生し終えたらまた遊ぼうぜ！！！
応援してますよー！！！
お別れのシーンで
うわあぁぁぁぁぁん。
行かないで下さいよー！！！
俺とのお別れがこんなにも寂しいのか！？
皆の前で涙を見せても良いのかしら？
また何処かできっと会えると信じてるぞ。
ようやく父親に会えたですもんね。
僕もワガママなんて言ってられないです。
洞窟最奥に眠る宝箱に辿り着いた者が
一攫千金のチャンスを得る夢のような島だ。
そこで絶対にヴァネッサに勝つ！！！
お宝を勝ち取るのはアジュマリン海賊団よ。
私の唇を奪ったゼルガスとの一騎打ち。
ヴァンウッドの旅人の宿で酔った自分を
助けてくれた事がありましたね。
いやあー、本当にお恥ずかしい。
ちょっと吐きそう。』
ルミシー様、ちょっと外に出たい。
安全な場所に連れてってあげたいんだけど
何処か夜風に当たれる場所無いか？』
（０４９話参照）
皆と笑い合うのも今日でおしまい。
お前との筋肉談義楽しかったぞ。
鍛えられた身体、これからも維持しろよな。
ダブルバイセップスだ！！！どうだ！？
今度はその肉体でゼルガスを守る番だな。
お前等、帆を上げてくれ！！！
ヴァネッサさん、シルヴェス君！！
そして
うおおおおおおおおおお！！！
涙を流しながらも
シルドラはこの大陸で過ごした想い出を
忘れる事無く、港町ビューウェーブの停泊場で
徐々に皆とのお別れを果たして行く。
アレドシアとブロス。
一攫千金を狙いに勝負を仕掛ける
ヴァールブルグ海賊団ｖｓアジュマリン海賊団。
そして
遂に時刻は午前９時３０分。
ティブルエイドを発つまで残り３０分。
ただ、未だブラウンは到着していないようで――
到着してないのか……。
彼は必ず来てくれると信じているので。
てっきりエアロブルー飛行場からだと
思ったんですけど全く違うんですね……。
ちょっと文化の違う飛行機に乗降しないと
到着出来ないようになっていてな。
あの客船でエレメンツエアーと行った
飛行場に向かわないといけないんだ。
色んな方にお別れと感謝を告げに
行ってたので少し足が痛いです……。
もしかしてブラウンの奴
シノヴァシアから歩いて来てるから
何処かで足が棒になってる可能性も大いに。
＊＊＊＊
ブラウンは
ロックドクリフの展望台のベンチに座り
歩き疲れた足を自分の手でマッサージを行っていた。
痛いよー！！！
これから必死に走っても絶対に
間に合う自信が無いし……
性に合わなかったのかな？
とある男性が１発、彼の頬にビンタを入れる。
だ、誰！？
ま、間に合った……。
何故此処に！？
シモンから聞いてな、此処まで
死に物狂いで走って来た。はぁ、はぁ……。
もっと自分の身体を
ブラウン、今何と申した？
その１つ前の台詞だ。
そんな
諦める事は挫折する事と一緒だ。
ボクはシルドラ君と一緒に旅がしたい！！！
大人磨きしていつかマツカゼ様含め
師範の皆さんに恩返しがしたいの！！！
拙者も共に走ってやる。それでどうだ？
ボク、頑張るよ！！！
さあ、行くぞ。
『ティブルエイドの思い出』
冒険の始まり。
港町ビューウェーブ――。
スタートラインに立ったな。
別れは辛いけど、今度は立派な冒険者として
また会える日を楽しみにしてるよ！
はい！！ こちらこそ
本当にお世話になりましたっ。
もっと成長して色んな方と交流して
今度は仲間を増やしてビューウェーブに
戻って来ます。それまで暫しのお別れです。
それではまた……。（第０６話参照）
ロックドクリフから見下ろせる
海水浴場クラムビーチ――。
大丈夫ですよ、シルドラさん……。
私も見たいんですよ。
ちょ、ちょっと……レブロンさん
ゴッシュさん。止めて下さいっ！！！
だから、止めてって……あっ。
（第１２話参照）
シルリアとプラムが
経営する喫茶店ヴァーズメルト――。
一緒に遊ぶにゃー！！
にゃんで、こうにゃった……？
（第１７話参照）
ホットソープへ向かう航路の途中。
うひょー！！！
美女、そしてチラ見せ盛り沢山っ！
どうせだったらビッケとチャイも
デカかったら良かったのになあー。
刺激が欲しけりゃバカになれって……
（第２２話参照）
プール施設マリーナブルー。
お前の海パンだよな？ 以前見た事ある
刺繍が入ってるから一目散に
分かったんだけどな、おい。
忘れてた。と言う事は今俺……
デカいですね……ははは。
（第２７話参照）
人気旅館ヴァンリングス食事処 "
あっ、エンディアさんと
シルヴェス君がいるー。
うぅ。呑み過ぎた。
（第３２話参照）
旅人の宿内、男子専用の大浴場。
な、何やってるんですか！？
お胸ぱんぱん。これがシルドラ遊びだよ。
次はフラジーの番。宜しくー！
や、止めて下さいっ！
そんなにお胸を叩かないで……
シルドラ君、楽しいかな？
（第４８話参照）
ヴァンウッドから到着した時の出来事。
え、えっと。
痛いの痛いの……
よし、これでもう大丈夫……
治したいのはやまやまなんだけど
男の子のシンボルは安静になるまで
ソッとして置かないといけないからさー。
（第５３話参照）
崩壊と共に気絶しながらも助けてくれた
シルドラに対するアレドシアの感謝の言葉。
無事なのか！？
少し休めば元気になるだろう。
こんな私にも手を差し伸べてくれて……
（第８３話参照）
色んな場面にも遭遇し、ティブルエイドで
活躍する様々な方々との温かさや
優しさに触れてシルドラは貴重な体験と共に
冒険者として目覚ましい活躍を見せた。
＊＊＊＊
エレメンツエアー飛行場行きの船が
出航するまで残り１０分を切ろうとしていたその時――
シルドラ君ー！！！
シルドラ君！！！
頑張って走ってるじゃねぇか！！！
待ってて正解だったぜ。
ずっと待ってたんだからね。
こんな大切な旅立ちの日に遅くなって。
間に合ったんだから別に良いだろ？
マツカゼ様、これまでお世話になりました。
たまには手紙で
飛行場エレメンツエアー行きの客船、出航。
停泊場で見送ってくれた皆に手を振りながら
お別れを告げるシルドラ達。
ティブルエイドに戻って来いよー！！！
アジールさんと皆さんの顔を拝見しに
また伺いますね。それまで
期待してるからな！！！
ありがとうございますぅ～。
次回からの物語は遂に
大空を舞台に、壮大でスペクタクルな冒険活劇が始まる。
新しい魅力あるキャラクターが続々と登場。
そして初っ
ティブルエイド編、完結。
そして、いよいよ新章開幕――。
第０８７話へ続く。
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