第009話:レブロンとグレンド!フレンドモンスターとの再会!!
文字数 3,826文字
れ、レブロンさんっ!!!
道のど真ん中で裸にならないで下さい!!
ミルフさんが見ていますよ……
汗で服が濡れたんだ……、
少し位乾かしてくれないか?
別に脱いだっていいだろ。
ミルフも男の身体に慣れているみたいだし。
そういう事じゃありませんっ!
モラルを考えて下さい!! ほら、
ミルフさんも何か言って……
やばいやばいやばいやばい……
レブロンさんの身体、逞し過ぎて尊い……。
【前回のあらすじ】
美味しいモノを振舞ってくれたお礼に
レブロンが連れて行った場所は
ティブルエイド内で有数のバンジー
体験が出来るスポット "アロウドブリッジ" 。
見事に飛んだ事により恐怖心を
打破する事に成功したシルドラは、更に
彼に連れられティブルエイドに詳しい
ゴッシュという男性と会いに "ロックドクリフ"に
向かい始める今回はその道中のお話――。
****
アロウドブリッジを後にしてから1時間後――。
簡易休憩スペースを発見した3人は
歩き疲れて棒になっている足を休める為
思い思いの時間を過ごしていた。
シルドラ、ミルフサイド――。
おう、元気の良い姉ちゃんだな!
ここはこの大陸で採取される木の実を
すり潰して甘いミルクとブレンドした
様々なドリンクがお勧めだぜ。
甘くてどこか香ばしい匂いがしますっ!
美味しそうですね!!
ミルフさん、もしよかったら
買ってくれませんか……?
ここに来て時間が経っているのに
まだこの大陸の通貨に
換金していないもんで……
確かそうだったな。仕方無いな……
けれど、奢る以上きちんと
味わってくれよな!
よし! おっちゃん
じゃあ、このメニューに書いてある
"ブランメナッツミルク" を
2つ頂こうかな。
了解。今日はスタッフ俺しか居ないんだ。
ちょっと時間掛かるから待っててくれ!
レブロンサイド――。
シルドラとミルフが売店で気軽に味わえる
ドリンクを購入している間、彼はこっそりと
簡易休憩スペースにやって来た
ブルーノの付き猫 "ミム" と誰にも
バレないように会話をしていた……。
レブロン様っ、ブルーノさんからの
伝言を預かって参りました。
で、ブルーノからの伝言は何だ?
いつシルドラとミルフが戻って来るか
分からないから出来るだけ要約しろ……。
分かりました。えっと……、
ヴァンウッドの長(おさ)ルミシー様が
アレドシア様と合流する事に
無事成功しました。
そうか。それが聞けただけでも朗報だな。
ミム、戻って良いぞ……。
後は俺に任せて置け。
レブロンとの話を終え、一足先に
ブルーノの元に戻り始めるミム。
それと同時刻、売店の前で購入した
ドリンクを飲み終えた2人がリフレッシュ完了
そして、エネルギー補給済みと言った
表情で戻って来る。
ミルフさんっ、ブランメナッツミルク
美味しかったですね!
確かにそうだな。
何かプロテインみたいな味したぞ。
あれはレブロンさんにも……
やっぱり食い付いてきたな。
ここの特製ドリンクがプロテインに……
ミルフとシルドラの会話に
釣られてしまい2人の背後を回りつつ
颯爽とその場から居なくなり、
売店の元に急ぎ始める……。
どうやらプロテインの言葉に弱い様子――。
5分後――。
売店で2人が飲んだ物を
ガブ飲みしながら戻って来る。レブロンの目は
"これ、やべぇぞ!" と言わんばかりに
初めて飲む味に感激していた。
俺は感動した。ミルフも
トレーニングしてるなら分かる筈だ……。
ああ分かるぜ。
両方ともたんぱく質だ。
特にブランメナッツは高カロリー……
栄養素が沢山含まれていて、
疲労を軽減する効果があるからな。
正解だ。ミルフが振舞ってくれた
イノボーもそうだけど、ここのプロテインも
美味しかった。申し分ないな……
(けれど、レブロンさん楽しい人だなー。
いつかはリンクリング出来る仲に
なっていたらいいなっ!)
よし、休憩終了だ。
さてと、ゴッシュに会いに
ロックドクリフに向かうけど、
疲れは摂れたか?
もちろん。あたいはいつでも
オッケーだぜ! シルドラはどうだ?
2人の疲れも解消出来たようだな。
張り切って行くぞ!
簡易休憩スペースでのリフレッシュを
無事に終え、シルドラの目標である
ティブルエイドの地図を描く為、この大陸の
地理を一番把握しているゴッシュの元に
向かう最中の出来事……
****
ここは少し開いた一本道――。
左側に見えるのは木の柵で敷き詰められている
フレンドモンスターの牧場。
※フレンドモンスターとは……
現実世界ではペットと同じ存在である。1つ
違う所は、協会が推薦したブリーダーの方が
各大陸に出向し、フレンドモンスターに最適な
逸材を選び抜き、各家庭の一員となるような存在、
あるいはクラス "サモナー" を目指している
冒険者に与えられる存在。
牧場を見て、突如として立ち止まるレブロン。
ああ。以前飼っていた
フレンドモンスターの事だ。
諸事情で飼えなくなって、
今此処で預かっているんだ……。
そうか、シルドラの出身地には
馴染みが無いんだよな。今度こそ
あたいに説明させてくれ!
フレンドモンスターって言うのは
要するにペット。家族の一員になったり、
一緒にこの地を冒険する
お供を担ってるんだ。
シルドラなら、
"サモナー" って言う
言葉知っている筈だ。どうだ?
もちろんですっ。サモナーって言うのは
モンスターを召喚する人の事……
あっ、成程……。
ここはそのフレンドモンスターと色んな形で
触れ合って、心を通わせる事によって
契約できる場所でもあるんですねっ!
そうだ。俺達は戦わないように
避けて通ってるけど、一歩間違えた道に
行けばモンスターだらけだ……。
それと、俺とミルフは素手で
戦える自信がある。特にシルドラ……、
お前はまだ武器を持って無いだろ?
シルドラ、1つ言って置くぞ。
モンスターと言えども、友好的な奴ばかり
じゃない。怒り散らし我を忘れて
攻撃的になる性格の持ち主
だっているんだ……。
それ位分かってます!
どのモンスターにも事情があります。
もしそのモンスターと契約したい方が
現れたらどうするんですか? ここで
心が通じ合ってパートナーにする事だって
出来る筈ですよ!!
面と向かって笑いながら、
仲良く契約して貰いたいんですっ!
レブロンさん、僕は大丈夫なんで
安心して下さい!!
色々済まなかったな。
そうだよな。アイツだって
俺ともっと接する事が出来たんだ……。
よし、せっかくだ。会いに行くぞ!!
付いて来てくれ。
おう。ちなみにレブロンさんの
フレンドモンスターって
どんな風貌してるんだ?
****
ここはフレンドモンスターの牧場――。
中央にある家に続く坂道の左右……
左には "サモナー向けのモンスター"
右には "ペット向けモンスター" と
木の柵が設けられている。
久々の来客に両サイドからの
視線が3人に集まり始める。
す、凄い……凄いですっ!
こんなに沢山のモンスターが
ここの牧場に集約されているんですね!
可愛いのからカッコ良いのまで……。
目移りしちゃいますっ!
ミルフさんどうですか!?
あたいは女性だぞ。こう見えて
動物には目が無いんだ。ほら、向こうに
ウサギがいるじゃないか!
(ミルフのパンツにパンダか。
可愛い所もあるじゃないか……。)
右側の柵の少しずつ寄って行くと
赤髪で鍛えられた身体の容姿を見て一目散に
彼の元へ1匹のフレンドモンスターが姿を現す。
(????)
こっ、これはこれはレブロン様……
お久し振りであります。
もちろんです。お陰様で
順調に足の回復も進んでおります……
えっと……、この方が
レブロンさんのフレンドモンスター?
そうだ。紹介しよう。
これが俺のフレンドモンスター……
名はグレンド。ほら、2人に
挨拶をするんだ。
(グレンド)
分かりました。お初にお目に掛かります……
私の名はグレンド。レブロン様の
お供をしております。
い、いや……もっと丁寧に言うなら
"お供をしていた" であります。
あっ……、確か
諸事情で飼えなくなったって。
まさか理由があるんですか?
レブロン様……、
それだけは止めてくれませんか?
私は反省をきちんと……。
ミルフ、シルドラ……
これは2人の問題だ。俺にも責任がある。
悪いけど話聞いてくれないか?
分かった。シルドラも
集中して聞いた方が良さそうだぞ。
グレンドさんっ、レブロンさんは
貴方の事を思って話すんです。
安心して大丈夫ですよ!
ほらっ、まずは深呼吸です!!
お気遣いありがとうございます……。
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