『月に吠えらんねえ』
文字数 491文字
『月に吠えらんねえ』/清家雪子
こんなに読むのに時間がかかった漫画ははじめてですわ。
(出てくる詩たちをゆっくり読んでしまうので……)
なんともすごい、お話し? イメージスケッチ? いやいや、これは、詩人たちと近代日本の業と罪と愛憎と狂気の物語です。
狂気。そう、めっちゃくるってる。
冒頭からほとばしる主人公の萩原朔太郎の(イメージキャラの)狂気っぷりがもうすごい。
そこから北原白秋、三好達治、室生犀星、高村光太郎、などなど、実在した近代の詩人たちと、彼らが生み出した作品からイメージされたキャラクターたちがもういい感じに狂いまくっていて、ほんとすごいです。
あんまり詩歌の世界には疎い私なのですが、その都度挿入される詩たちと周辺事情(現実ではなく心象ですけどね)で彼らの世界にどっぷりつかって、あやうく変な世界に入り込みそうになります。
近代日本文学&詩歌界になじみのある人(はどういう感想もつのかきいてみたいw)も、そうでない人も、ちょっと狂気にあこがれのある正気の人にはめちゃおすすめです。
受け付けない人はぜったいダメだとおもいますけどw
Original Post:2016/07/10