『LEAN IN(リーン・イン) 』

文字数 1,023文字

『LEAN IN(リーン・イン) 』女性、仕事、リーダーへの意欲 

シェリル・サンドバーグ (著),‎ 川本 裕子 (序文),‎ 村井 章子 (翻訳)

ちょっと前に話題になった、フェイスブック社のCOO、シェリル・サンドバーグさんの本です。

ビジネス書とか啓発本かなーと思って読まないでいたんですが、読んでみるとそのどちらでもなく、どちらも超えて、女性としての生き方をITビジネスに限らずあらゆる分野で前向きに生きるにはどうしたらよいか、という実践的教科書のような本でした。

男性にはなかなか理解できないことでしょうけれど、女性は、時とともに娘の時代、妻の時代、母の時代と、それぞれまったく違う生物に変身します。

そのどの状態の時でも、いわゆるビジネス現場では脇役だし、よく言ってお飾り、悪く言えば邪魔者です。

アメリカの最先端でもそれは全く同じで、妊娠した彼女が大きなお腹を抱えて社長室に(吐き気を抑えて)かけ込むまで、Google社の広い駐車場には妊婦用のスペースがなかったとか、人権や男女平等を尊重している会社の摩天楼の役員用の上階には女性用トイレがそもそも存在しなかった……などなど、冗談めかして書かれていますケド、彼女が問題であると言い出すまで、誰もその問題に気が付きもしないというお寒い状況だったそうです。

そこで、彼女は、自分たち女性の中にある心の障壁(前に出るなんてはしたない、男より積極的なんてみっともない……etc.etc.)と、社会制度上の障壁、この二つの見えない障壁をどうにか打破する方法を模索していきます。

彼女のパートナー(これが人間的にすばらしい旦那様だったみたい)やメンターとともに、女性が偉くなって会社を変えていかないと社会も社員も変わらない。という結論にたどり着き、まずはビジネスの分野で自分を変え、男より積極的に前に出て、出世していく道を選ぶことになります。


興味深かったのは、先ほど書いた、娘、妻、母の各時代それぞれで彼女が悩んだことや壁の越えかたが丁寧にかかれていることです。

転ばぬ先の杖というか、同じ悩むなら先人の悩みを知ってから答えを一緒に探したほうがいいじゃないっていう前向きな姿勢がとても気に入りました。

これってビジネスだけじゃなく、人として女としての生き方のワークブックといえるかもしれません。


ITに限らず働く女性なら必読! 男性にも読んでもらいたい本でしたね~♪

Original Post:2016/01/20


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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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