『キッズファイヤー・ドットコム』

文字数 726文字

『キッズファイヤー・ドットコム』/海猫沢 めろん

歌舞伎町のカリスマホスト店長、神威(カムイ)の前に突然現れた捨て子の「赤ちゃん」。

超がつくプラス思考の神威は、これは自分自身を成長させるチャンスであると前向きに捉え、ホスト業をしつつ赤ちゃんを育てようと決心するのだった。だが、今の日本で赤ちゃんを育てる困難さは筆舌に尽くし難く、あっという間に彼の店は崩壊の危機を迎えてしまう。

そこで、一計を案じた彼は、赤ちゃんを育てることを目的としたクラウド・ファンディングを立ち上げ、拾ったとはいえ我が子の将来の育英権利をファンドの対象にするのだった。

ITパワー×ホストパワーで、親子の「愛」の代わりはできるのか。赤ちゃんの人生をかけた壮大な実験が始まる。


いやあ、面白かったです。お話の前半は正直縁のないホスト業界のキラキラ日常で読んでいてクラクラしましたけれど、日本の子育て事情の難しさはよく知っているので、これからどうなっちゃうのかしらと色々想像しながら興味深くページをめくっていました。

そして、ガラッと雰囲気の変わる後半では、想像を超える驚きの結果が見事に描かれています。個人的にはこういう未来も賛成ですねー。もちろん、賛否両論あるのでしょうけれど、ね。

(おまけのひとこと)

前回に引き続き、こちらもNetGalleyさんで読ませていただいたゲラ版からのレビューです。

ほんっと日本って赤ちゃん(と新米お母さん)に厳しい国なんですよねー><

少子化問題とかいいながらってなーんにも手を打たずに来たツケが回ってきてる気がします。この本の解決法ぐらい思いっきり何かしないと、このままじゃホント国がなくなっちゃいますよねー><

Original Post:2017/08/13

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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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