『「シン・ゴジラ」、私はこう読む』

文字数 1,434文字

『「シン・ゴジラ」、私はこう読む』/日経ビジネス 編

怒涛の25万字超! 文庫本なら900超ページに相当する大ボリューム!! 読み切りました~!!

いやあ、とめどなくあふれるシン・ゴジラ愛!! すばらしかったです!!

もう説明不要と思いますが、エヴァンゲリオンの庵野さんが総監督を努めた話題作『シン・ゴジラ』の「読み解き方」の本です。


日経ビジネスオンラインで、”財界、政界、学術界、文芸界など各界のキーマンの「読み」をお届けするキャンペーン「『シン・ゴジラ』、私はこう読む」”として連載されていたシン・ゴジラの解説記事と、その記事へのネットの反応をぎゅぎゅっと一冊に詰め込み、さらに1万字以上の追記も行ったという超解説本なわけですね。

もともと、『シン・ゴジラ』は多方面からの「読み」が行える映画ですし、いろんな読み合いをしていたネットの反応もなかなかにすごかったわけですが、それをまとめてシュリンクしちゃったそう。

日経ってこういうことする会社だったの? と正直驚いて読みました。たぶん、ですけど、前例ないですよね、こういうの。


まあ、中には「『シン・ゴジラ』まだ見てないんですが」なんていいながらご高説を垂れてくださる経済評論家もでてまいりますが、それ以外はほぼ映画を純粋に楽しんで、多種多様に投げつけられる謎の解釈やら物語の意味合いやらを真剣に、各界の専門家が論じています。

この顔ぶれとのめりこみ具合は、映画のキャッチコピーの「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」をまさに体現している感じ。

映画をまっとうに、真剣に楽しんでいる方々の「読み」がこれまたコンテンツとして楽しめるという、メタ・コンテンツの奔流になっています。


もちろん、先ほども書いたように様々な「読み」が可能な映画ですから、我が意を得たりという部分も、そうでない部分もあります。きっと、そういう楽しみ方も含めて庵野監督の手のひらの上なんでしょうねー。もうこれまたいろんな意味ですごいですわー。


で、私的にばっちりフィットして特に素晴らしいと思ったのは、音楽評論家の片山盛秀さんのインタビュー「音楽から”深読み”するシン・ゴジラ」と、ラストを締めくくっていた日経ビジネス編集長池田信太郎さんの「『春と修羅』から見えてくるシン・ゴジラの核心」がもうめっちゃ素晴らしかったです。

解説記事を読んでて映画の感動がよみがえり、また泣けてきちゃいました。そのぐらい素晴らしい。


『シン・ゴジラ』を観られた方なら本書は絶対楽しめると思います。(ネタバレ全開なのでまだ見ていない方は読まないほうが良いですが)

また、わざわざ買わなくても日経ビジネスオンラインでほぼ読めるようですので、気になる方面の方の「読み」をチョイスして「読む」のもいいかもですね。


私としては(会員登録めんどいし)ネットが無くても読める電子書籍化はとてもありがたかったです。


というわけで、ものすごい物量作戦な本ですが、シンゴジファンなら必読!ですよー♪

(おまけのひとこと)

こちら、なにしろ文の量が量ですので、電子書籍限定の本だったはずです。それで324円だったかな? お得ですね!

まあ、元はWebの記事だったので編集が少々甘いところはありますけれど、熱が冷める前にスピーディーに書籍化までできたのはさすが電子書籍ですね。

でもほんと、日経ビジネスさんが出してきたのは驚きです。これってやっぱビジネス書なんざんしょかね?_?

Original Post:2016/11/13


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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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