『ブレイブ・ストーリー』

文字数 575文字

『ブレイブ・ストーリー』/宮部みゆき
ごく普通の小学五年生の少年、ワタルが異世界へと旅をし、成長して帰ってくる。
ド定番の「行きて帰りし物語」。とっても王道ストーリーなのですが、ものすごく丁寧に、しっかりと、王道の中の王道を描ききっています。
あんまり丁寧すぎて、導入部の普通の少年の現実世界での生活描写が長い長いw 異世界へ「渡る」まで、この大作の1/4ぐらいあるんじゃないかしら。でも、読み飛ばさないでください。この現実世界部分のさまざまなことが、異世界「幻界(ビジョン)」で効いてくるのです。なぜなら、文字通り幻界は現世と表裏の関係で、現実世界の人々の想像力のエネルギーが作り出した世界なのだから。
テレビゲームが大好きなワタル少年が飛び込んだ幻界は、まるでファンタジーRPGのような世界。
でも、ただ楽しい夢のような世界なわけではもちろんなく、その世界に住む人々も様々な悩みを抱え、異人種間の差別等の社会問題もあったりします。最初は何も知らなかった少年も、冒険をしながらだんだんとこの世界の成り立ちや現実世界との関係などに気が付いてきて……。
ああもう、これ以上書くとネタバレになってラストの感動がなくなっちゃいそうw
ぜひ、じっくり腰をすえて読んであげてほしい大作ファンタジーでした。
おもしろいですよー☆
Original Post: 2017/12/15

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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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