『火星の人』

文字数 841文字

『火星の人』 / アンディ ウィアー 

火星への有人探査を人類が行えるようになって3度目のミッション。アレス3の開始早々、猛烈な砂嵐という自然現象と、ある不幸なアクシデントが重なり、たったひとりで火星地表に取り残されてしまった主人公が、この惑星上にほかの誰もいない状態でなんとか生き延びようとするお話です。


さすがに火星まで人間を運べる時代ですから、ちょっとだけ今よりは技術が進歩していますが、それ以外にファンタジックな要素は一切なく、ひたすら科学的に、ただ一人の力とアイデアだけで極寒とほぼ真空の火星上で生き延びようとします。

めちゃくちゃ絶望的な状態なのに、ふざけつつも冷静に知的に行動する主人公がスゴイです。過酷な状況や運命はジョークで笑い飛ばす。この精神がすばらしい。すんごい深刻な状況なのに、読んでいて何度も声を出して笑っちゃいそうでしたw


科学的なだけのお話じゃ敬遠されちゃうでしょうに、このユーモアがヒットの要因かもですね。

もともとネット小説だったのをAmazonで電子書籍化して大ヒットしたのだそうです。で、映画にもなってましたねー。

これも映画はまだ未見なので、今度見てみようと思います。

(おまけのひとこと)

御多分にもれず宇宙大好きっこのわたくしでございます。

火星と言えば最近はイーロン・マスクさんの愛車に乗ってスターマンさんが向かっていきましたね。打ち上げ(と着陸)すごかったですよねー。人類の進歩にびっくりです。

でも、このままじゃNASAさんより先に民間企業が火星に人間乗せていってしまいそうですねぇ。NASAさんにもぜひまけずに頑張ってほしいところです。

なにしろこのお話はNASA大好きオタク(自称)の方が書いているので、全編にわたってNASAだらけ。火星に行けるとしたらNASAしかありえない!ってノリで書かれていますんで、その未来が変わらないようにもぜひ。(ってこの本みたいなアクシデントあったら怖いですけど!><)

Original Post:2017/03/04


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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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