『遊歩大全』

文字数 1,203文字

『遊歩大全』 / コリン・フレッチャー

「ロングトレイル」の神様コリン・フレッチャーの書いた、「遊歩大全」の紹介です。


この本、元々は1968年(日本語版が出たのが1978年)、まだアウトドアなんていう概念がそもそもなかった時代に出されたそうで、自然の中の道をひたすら歩くこと、起こりえるトラブルの対処法、そして楽しみ方を精神論から説いています。

バックパッカーの聖典といわれてましたが、長い間絶版だったので、私も現物をちゃんと読んだことがありませんでした。

それが文庫になって復活!めでたい!(でも、もともと上下巻だったのを一冊にしてて、めちゃ分厚いですw)


無心に歩く。無心とは言え、ちゃんと考えて歩く(野生動物に襲われるわけにもいかないし、食料や水、体力の配分、野営地の確保、等など、実は考えることは多いですね)。

自然を痛めず、自然とともに野山を歩く。ただひたすら歩く、歩く。

自分の力だけで進み、我が身で感じ、考えること・・・。


アウトドアのノウハウや装備の紹介にとどまらず、エコロジーや人類存在の在り方まで膨大な分量で書いてあります。

もはや宗教っぽいです。まぁ、そういう意味でもバイブルですね。


これが30年以上前ですもんねえ、当時の装備は今じゃ通用しないとおもいますが、精神的な面は、物質的に豊かになった今のほうが、もしかしたら今こそ逆に有用なんじゃないかとおもいます。


バックパック旅行もアウトドアも興味ないもーん。って人も、試しに読んでみると、新しい世界に触れられるかもしれませんよー?

そして、書を捨てず、野山へ出ましょうw (これもってくと重いけどねw)

(おまけのひとこと)上にも書かれていますが、これ、もともとは上下巻の二冊だったのですよね。それを合冊してこんな分厚い本にしたようです。

アウトドアな本を厚くするのってちょっとどうかとおもいますけど、まあ、インパクトはありますよねぇ。さすがバイブルw


あ、そうそう、冒頭の「ロングトレイル」というのは、ちょーーーーーーながい、スーパー長距離のハイキング道のことです。この神さま、コリン・フレッチャーさんがこういうガイドブックを作り、とても流行らせた超ロングスパンの徒歩旅のことでもあります。

日本だとお遍路がちかいかも?

でも、舞台はなにしろアメリカなのでスケールがけた違い。数週間~数か月かけて、アメリカ大陸横断してしまったりするのです。そういうルートがいくつもあり、有名どころでも3本ぐらいあります。

ただただひたすらてくてくあるくだけなのですが、まあ、それだけでもついつい精神世界にはいってしまうのはわからないでもない、かな? まるで巡礼の旅?

このあたりに興味のある方は、この本、おすすめです。分厚いけれど、読んでみると新しい世界が始まるかもしれませんよー☆

(もうひとこと)

このあと、この系の本つづけますねー。

Original Post:2013/05/18


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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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