『涙のアンパンマン・マーチ』

文字数 625文字

『涙のアンパンマン・マーチ』/ 原島 久美子

まだ33歳の若さで、旦那様と、乳幼児含む3人のお子さんを残し、スキルス胃がんでこの世を去ったお母さんの手記です。


最初、手術して切れば治るぐらいの軽い気持ちで入院。しかし、以前よりストレスの多い生活をしていたことなどがたたり、手術をした時にはもう手遅れだったのでした。

今までの命あふれる「普通の」生活が一転して、目前に迫る「死」に向かう戦いの日々になります。

それでも、この方のすごいところは決して諦めずに、限られた生を精一杯生きようとすることです。


死を覚悟して生きる。本当の意味では普通のことなんですが、それを忘れた人々へ、そして、(唯一の心のこりである)小さい子どもたちを母の居ない子供にさせてしまう悲しさを世のお母さん方にも知ってもらおうと、みずからペンを取り、書き続けた日記とエッセイ。


もう涙なくしては読めません><


残念ながら現在は絶版とのこと。もし古本屋さんで見かけたらぜひ手にとってあげてください。


※未見ですがTVドラマにもなったそうです。

(おまけのひとこと)

アンパンマン・マーチ、歌詞の一言一言をかみしめながら聞くと、あの明るい調子の歌がめちゃくちゃ深い意味があるんですよね。

この本を読んでから、私のなかであの明るい歌が涙をこらえながらうたう歌になってしまったのでした>< 

ほんと、作詞が原作者のやなせたかし氏だというのもうなづけてきちゃいます><

Original Post:2015/09/28


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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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