『暗号解読』(下)

文字数 937文字

『暗号解読』〈下〉/サイモン・シン

よみましたー!

下巻も素晴らしかった!!


RSA暗号からPGPに至る、今のインターネットに使われている暗号の基礎と、それを作り上げてきた人たちのドラマが見事に描かれていてよかったですね~。

そしてそして、量子コンピュータによる暗号解読や、量子暗号という未来の暗号テクノロジーについての解説も手ぬかりなくてさすがはサイモン・シンさんですわ。


で、実は一番燃えた(?)のは、文庫版あとがき部分。

本書の英語版ハードカバーについてきたという「暗号を解読して賞金1万ポンドをゲットしよう!」という懸賞暗号の解説。実際にその暗号を解いたスウェーデンの5人組(無事賞金ゲットしたそうです)のレポートに沿って、翻訳した青木薫氏を中心としたチームがサイモン・シンの作った暗号を解いてみる本気レポートがよかったです。本書の各段階に合わせ10段階のレベルでだんだんとむつかしくなる(最終レベルではスーパーコンピューターの利用も想定されていたとか)暗号を解いていくリアルな手ごたえは、読んでるだけですけどなかなか熱くなれます。


めちゃくちゃむつかしいパズルを解くのが好きな人とか、やってみるときっとハマるとおもいますね。

で、それぞれの暗号の歴史と理論の解説はこの本にしっかり乗っているので、暗号全体の入門とテキストになるばかりでなく、本当にこの本は、タイトルに嘘偽りなく『暗号解読』そのものなんだと思いました。

暗号や通信に興味のある人には最高の実践教材で知的エンターテインメントですよー。

ちょーおすすめ!(でもお風呂で読むのはちょっとおすすめできませんw のぼせるー><)

(おまけのひとこと)

上下巻通して脳みそ沸騰させながら読んでいました。数学的な興奮ももちろんなんですけれど、やっぱり人間ドラマがよかったなーとおもいますね。

「誰かに伝えたい。けれど、その人以外には絶対に秘密にしたい。」って通信、誰だってありますよねえw

その秘密を守るほうと破る方、両方にやっぱりドラマがあるのです。

一緒に暗号を解きながらでも、暗号部分はすっとばしてドラマだけ読むのでも(後者だとちょっともったいないですが)、とてもとても面白い本なのでした。

Original Post:2016/07/19

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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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