『MM』
文字数 775文字
『MM』/市川拓司
「映画みたいに完璧な初恋の物語。」
舞台はちょっとだけ昔の日本の地方都市。
ある映画好きの少年のところに、突然自分の伝記を書いてほしいと言う美少女が現れます。彼女はこの田舎の経済を支配する大工場の支配人の娘で、中学校でも当然のように女王として君臨していました。そんな少女がなぜ、自分に?
そう戸惑う少年に、これは取引で、正当な報酬も支払うと言う少女。その金額につられて取引に応じる少年でしたが、少女の隠された面を知るにつれてやがて・・・。
んもう超正統派なボーイミーツガールなストーリー。
謎めいた彼女の真の姿に興味を覚えてしまったら、読者はもう読み進めることしかできません。本当に一気読みでした。面白かった!
冒頭に書いたように、素晴らしく完璧な、映画みたいな青春ストーリーです。
それでいて、人と人との関係性、男と女、大人と子供、支配者と労働者などなど、普遍的な個から全体へ至る社会的な構造問題にも目が向けられます。
ちょっと大人びて、斜に構えたりもするけれど、純粋で、なんでもできる気になっているけれど、何もできるわけじゃなかったあの頃の少年と少女。その冒険の末に物語は爽やかなエピローグへ到達します。
いやー、ほんと面白かった! こんな本、図書室で見つけたかったですわ!
こちらもNetGalleyさんで読ませていただいた本です。
なので、書店に並んでいる表紙はもっと別の絵になっているとおもいます。
ていうかすいません、市川拓司さん、ベストセラー作家様だったのですね。本屋さんで日頃見ているの棚とは別のところで平積みされていたようです。すいませんすいません><
ともかく、初めて読まさせていただきましたが、とってもよかったですー♪
他のお話も探してよんでみたくなりましたです。はい☆