『永劫回帰ステルス』 九十九号室にワトスンはいるのか?

文字数 590文字

『永劫回帰ステルス』九十九号室にワトスンはいるのか?/若木 未生

天才のもつ「いびつさ」に注目です。


いいかんじに壊れたホームズ役の来見行(キタミ・コウ)に、なぜか惚れ込んで、嫌がられているのにちょっかいを出しつづけるもう一人の主人公、鏡秋太郎(カガミ・シュウタロウ)。彼がこの推理チームのワトソン役におさまる、そのきっかけとなる、ちょっぴりオカルト風味な哲学&心理学的推理ストーリー。


この二人のキャラの立ち方がもう最高です♪


わたくし、個人的に「壊れた天才」は大好物なもので、冒頭からコウ君に熱烈アピールをつづけるカガミ君に感情移入しまくりです。そして、カガミ君自身の過去、ちょっと奇妙な性格の成り立ちにもなにやら暗い影がありそうで、これまた興味を惹かれてしまいます。本筋の推理と合わせて彼の過去を見つけ出していくコウ。二人と事件を結びつけるきっかけが・・・と、このあたりでご飯三杯はいけましたですよ~。


キャラクターの魅力だけでなく、難しげな哲学や心理学的分析も美麗な文章と展開でぐいぐい読ませるのはさすが。

これは毎エピソードが楽しみな、期待の新シリーズとなりそうです。

(おまけのひとこと)

こちらもNetGalleyさんでのレビューです。

若木未生の新シリーズですって! 好きなんですよね~☆

出版前に読めちゃうのはとってもありがたやです。

Original Post:2017/06/28
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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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