『末ながく、お幸せに』

文字数 731文字

『末ながく、お幸せに』/あさのあつこ
結婚式場で新郎新婦に寄せる、友人知人のスピーチ。
8人の全く違う視点から語られるのは、それぞれの目から見た、二人の本当の姿。
最後の最後まで本人たちの主観は出てきませんが、それでも、くっきりと鮮やかに、二人の人生が描かれます。
一話一話全く別の話なのに、ぐっとくるエピソードばかり。そして、全てがちゃんとつながりあっている構成は見事としか言いようがありません。
人生、夫婦生活は楽しいことばかりではなく、悲しいことも嫌なこともある。けれども、どうかこの二人は幸せになってほしい。いや、なるに違いない。そう〜「末ながく、お幸せに」〜と心から祝福したくなる、そんな素敵なお話なのでした。

で、技巧的にも、ほんと素晴らしいの一言です。
主人公が最後まで出てこない(会話の中では出てきますが)お話、初めて読みましたですよ。でも、ちゃんとどういう人物なのか(人の目を通して)伝わってくる。ほんと素晴らしい。あさのあつこ先生、お見事と言わせてください。いやほんと、すごいわー。
(オマケのひとこと)

こちらは昨年はじまった、まだ書店に並ぶ前の本のゲラ版を読んで、おすすめをレビューできるサービス、「NetGalley」さんで読ませていただいたものをレビューしてみたものです。ゲラ版ですから、このあと著者チェックなどがはいって修正される前段階のものです。なので、これが最終的な「作品」のレビューではないのでご注意ください。

(もひとつオマケ)

このレビュー、本の宣伝の一環でテレビで紹介されるかもー。って出版社さんから連絡きたんですよぉー。けれど、残念ながらカットされたようで番組には登場しませんでした。ちぇー。

Original Post:2017/08/15

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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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