『からくさ図書館来客簿 第六集』
文字数 843文字
『からくさ図書館来客簿 第六集』
~冥官・小野篁と雪解けの歌~
著者/仲町六絵
季節に合わせて読んでいたからくさ図書館シリーズ、2度目の春のお話です。
一年前に新米の冥官として、
現世の多くの人々の魂を救ってきた彼らの関係にも春がくるのでしょうか?
なぁんて、ついつい下衆な興味をそそられてしまうのですけれど、平安の時代より続く物語、今の世の感覚のようにインスタントではなく、ゆるやかにあたたかく、京ことば風に言えばはんなりと、じっくりしっとりと、和歌に気持ちを乗せるように(実際にキャラクターが和歌で気持ちをつたえたりします。かっこいい!)奥ゆかしく穏やかに進行します。
今回は今までの総決算です。時子の成長を祝うようにオールスターキャストが登場するので、そこらへんも見もの。
著者はやはり京都に暮らしていた時期があるそうで、京都の歴史と生活の描写はさすがです。そして、以前にも書きましたが本当に日本語がうつくしい! 散文の道に進んだものの、若い頃は短歌の詠み人であったとのあとがきもうなづけます。
メディアワークス文庫のシリーズで本書はいわゆるラノベ枠だとはおもうのですけれど、そんな枠やジャンルに縛られるのはもったいなすぎる美文です。
ついついこんなすてき文章書けるようになりたい!なんて憧れちゃったりw
季節ごとにお伝えしていた超おすすめシリーズなのです♪
あー、おわっちゃった~。もっと読みたいよぅ~。
なんて言っていましたら、このキャラたちはほかのシリーズにもちょこちょこと登場していたりします。
仲町六絵さんの京都には、彼らがしっかり息づいているのですね。
なので、シリーズが終わってもさみしい思いをしなくてよさそうです。(∩´∀`)∩☆