『文学部唯野教授』

文字数 416文字

『文学部唯野教授』/筒井康隆
すごいすごいと聞いていたんですが、これはまたほんとにすごい。
ちゃんと小説になっているのに、ちゃんと文学の教科書にもなってる!
そのうえ大学の権力構造や文学界・ブンガク批評行為もろもろへのエスプリの効いた痛烈な批評になってます。
批評という行為を批評しつつ、作中の唯野教授が自身の書いた文学小説のみならず筒井康隆まで批評しちゃうメタメタな構造もまさに筒井康隆。文芸という「芸」の達人だわあと、名人芸に酔いしれながら一気読みでした。
唐突に(と言ってもそれもまた芸なんですが)はじまる講義がこれまためちゃくちゃ興味深くそして面白いのです。これはすごいわー。

ちなみに、この本、古本屋さんで買ってきたんですけれども、参考になりそうな本のタイトルにバンバン赤線が入ってましたです(^^;
いいんだけど、ボールペンでいれるのやめてよねー、あと、線引いたの売らないでよねー(笑)
Original Post:2017/08/16

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登場人物紹介

神楽坂らせん

読書の合間に本を読み、たまにご飯してお茶して、気が付けば寝ている人です。一度おやすみしてしまうと、たいていお昼ぐらいまで起きてきません。

愛読書は『バーナード嬢曰く。』

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