対アンデッドのエキスパート
文字数 1,253文字
サキュバスのヤルヤンが予想していた通り、
タフなゾンビ達を完全に機能停止にさせるのは
なかなか容易なことではなかった。
そして幼女の姿をしたネクロマンサーが
異世界から召喚するゾンビは、
その数をどんどん増やしている。
月明かりに照らされて浮かぶ蝙蝠の群れ。
夜空の闇の中から姿を現す愛倫 とサキュバスの娘達。
そして、彼女達はみな誰かを抱えている。
こちらの世界に移民して来ているプリースト達。
普段は病院勤めをしており、
ヒーリングで患者の治療にあたっているのだが、
今日は夜勤だったところを無理して来てもらった。
アンデッドの存在が当たり前である
あちらの世界の神職と言えば、
当然のように対アンデッド用の術もマスターしている。
まさに対アンデッドの専門家のようなものだ。
蝙蝠の羽根を硬質の刃に変えて、
ゾンビを広範囲に次々と切り裂いて行く。
いくらゾンビに再生能力があろうとも、
瞬間的に再生出来るものではないので、
ゾンビの群れはその間完全に動きが止まる。
ターンアンデットッ!
味方にも若干のダメージを与えつつも、
プリースト達は動きの止まっているゾンビ達を
次々と一掃して行く。
幼女の姿をしたネクロマンサーは
そう言い残してマントを翻すと、
その場から姿を消した。