少子高齢化なので、異世界からの移民を認めます
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文字数 1,195文字
蝙蝠の羽根を出して
全速でここまで飛んで来たんだぞ
今度は、間に合わなかったら
蘇生術どころじゃなさそうだからね
なに、屋上の柵
乗り越えようとしてんの?
そんなことしたら
危ないじゃあないですかっ!
……
いや、ちょっと待って
早い! 早いって!
もうちょっと躊躇(ちゅうちょ)するでしょ!?
普通は
コワイでしょ?
普通に恐怖感じるでしょ!?
飛び降りようか? 止めようか?
もうちょっと迷ってもいいんじゃないの!?
…………。
お陰で余計な能力を使う羽目に
なったじゃあないか
校舎の屋上からダイブした少年は
ふわふわと宙を浮いている
まぁ、ただ問題なのは……
彼以外の生徒達も
宙に浮いているってことだ
そんなピンポイントで使える
能力じゃないんだって
な、なんだっ!?
どうなってんだ、これ!?
お目当ての少年は
空に浮かびながら
慌てふためいている
死にそうになるより
慌てることなんてあるのかい?
空中で逆さまになっている少年に
僕は挨拶した
まぁ、生きていれば
いろんな驚きがあるもんだよ
まだ君、死んだ訳じゃないんだしさ
あのまま君が
大地と熱いキスをしてしまったら
さすがの僕でも、
人間としては蘇生させられないからね
さすがに、
一度魂が肉体から離脱した人間を
蘇生させることは僕にも無理だ
魂が無いゾンビとしてなら、
蘇らせることも出来るんだけどね
周囲には、学校の生徒達が何人も
やはり同じように宙を浮いている
悲鳴や叫び声が飛び交っていて、
まぁ、軽い地獄絵図、ライトなヘルだ
ご覧よ、
君が飛び降り自殺なんかするものだから
こんなに被害が出てしまったじゃあないか
自分がしでかしたのに
他人のせいにするのは悪魔の定石
悪魔にはよくあることだ
まぁさぁ、
ここでこうやって立ち話もなんだから
どこかに場所を移そうじゃあないか?
まぁ、宙に浮いているから
本当は浮いた話しになるのかもしれないけど
驚いている少年の手を取り、
僕は空高くへと飛び上がる
なんだい? 君は
さっきは自分から空にダイブしたのに、
今度はコワイのかい?
★いいね!
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