因果に応じた報いの矛先
文字数 1,824文字
幼女の姿をしたネクロマンサーから言われるままに、
死して間もない女性達の遺体を
廃墟へと運ぶフランケンシュタイン。
だが、本当は心優しいフランケンのことだから、
当然、彼の中には葛藤がある。
お嫁さんであるおばあちゃんを
どうしても死なせたくないという気持ちと、
自らが行っていることへの罪悪感。
そして、このような方法で
おばあちゃんを延命させたとしても、
きっと彼女は喜ばないであろうことも分かっていた。
それでも、どうしてもフランケンは彼女に、
お嫁さんに生きていて欲しかったのだ。
こちらのお騒がせ幼女と言えば、
本当に単なる知的好奇心と欲求から
この世界で様々な実験を続けているだけで、
本質的にはマッドサイエンティストに近い。
自分は、死んだ者から筋力を奪って誕生した存在。
そして、自分のお嫁さんになってくれた
おばあちゃんが、筋力の低下で
死んでしまうというのなら、
これは、幼女のネクロマンサーが言ったように、
本当にこの世界の
因果応報というやつなのかもしれない。
その報いは自分自身に来るべきだ、
フランケンはそう思わずにはいられなかった。
そこでフランケンは気づく。
さすがにこれはネクロマンサー幼女も
予想してはいなかった。
廃墟の影の中から、
闇と同化していた愛倫が姿を見せる。
フランケンの肉体をおばあちゃんに譲るにしても、
それが出来るのは、
このネクロマンサー幼女しかいない。
言うことを聞く以外、
フランケンとしては選択肢がない。
その巨体から拳を繰り出すフランケン。