勝負のルール
文字数 1,883文字
夜闇に対峙する
ソードマスターとサキュバスの
一応の説得はする
ソードマスターは
その言葉に耳を傾けようとはしない。
ソードマスターの決意は固い。
やれやれといった表情の愛倫 。
青白く光る透き通った刃が握られている。
右手に持つ刃の切っ先を
対峙するソードマスターに向ける
屋敷からは、
大いに盛り上がっているのがすぐに分かる程の
乱痴気騒ぎの声が聞こえて来る。
どうやら全員で野球拳をはじめたようだ。
この世界に移民して来るに当たって、
ソードマスターもニンジャマスターも
ソードマスターからすれば
恩ある相手でもあるのだ。
ソードマスターには分からなかったが、
人型から蝙蝠の姿に変身出来る
身体構造を考えてみても
外傷がすぐに治っても不思議ではない。
二振りの刀剣、
見た目は日本刀に酷似しているが、
長さは一メートルを優に超える
確かにこの屋敷、
夜間照明はそれなりにあったが、
それも一部であり、死角は多く、暗闇も多い。
ソードマスターとて
夜には灯りが無くなる異世界出身ではあるので
闇夜には慣れていたが、
夜目で夜行性のサキュバスに敵うものではない。
通常であれば、使い手自身を傷つけないように
刀の動きや軌道はある程度制限されるものであるが、
それがないということは
剣筋の軌道に制限が無いに等しい。
口角を上げて笑みを浮かべる。