胸の谷間とハミケツ
文字数 1,233文字
SK線の痴女の噂話をヤルヤンから
聞いてみたところによれば、
こういうことらしい。
SK線の痴漢のことを知った
ヤルヤン達黒ギャル派は、
これは許せんとばかりに、
SK線の先頭車両に乗り込んで、
魅了やら誘惑を使って
痴漢達全員を自分達に惹きつけ、
他の女性乗客が被害に合わないようにし、
痴漢達に淫夢を見せたり、
ちょっとだけ触らせたりして、
毎朝精気を吸い取ったりしている。
性犯罪の被害が発生する前に
自分達が身代わりになって、
ついでに精気もいただくという
いつものサキュバスのやり方ではあるのだが、
今回はどうにも時と場合がよろしくない。
確かに、ほぼ全員が
キチンとしたスーツを着た男女で満員の、
ぎゅうぎゅう詰めの電車に、
こんな露出が激しい女が乗っていたら、
それこそ痴漢行為を誘っている
痴女だと疑われても仕方がない。
しかし、ヤルヤンはこれに猛反発する。
リリアンも思わず突っ込む。
どうやらヤルヤン達黒ギャル派は、
胸の谷間とハミケツで出来ているらしい。
彼女達もそれなりに考えては行動しているようだが、
都内の朝の通勤電車は五分や十分置きには来るし、
彼女達だけでは電車の本数すべてを
フォローするのも難しいかもしれない。
それ故にヤルヤン達のことが
SNSで拡散され噂になって、
野次馬がSK線に集まるようなことがあれば、
今まで以上にSK線が
痴漢の巣窟となることだって考えられる。
よかれと思ってやったことが、
他の問題を引き起こしている
ということもよくあることで、
そういうことを考え出すと
結局何も出来なくなってしまうのだが、
やはり難しい問題であることなのは間違いない。