淫夢・攻
文字数 1,133文字
動きが鈍ったアイリンに
留めの一撃をくらわそうと
モーションの大きい渾身の一撃を振り回す。
アイリンはこれを、人狼の腕を掴み、
流れに逆らわず後ろに飛ぶことで、
衝撃を和らげ受け流す。
派手に飛ぶので、
人狼はさらに猛追して拳を振り回す。
アイリンが人狼の攻撃を後ろに飛んで乗り切る、
それが何度も繰り返された後。
突如として人狼が崩れ落ち、片膝を着く。
アイリンは人狼の射程ギリギリまでにじり寄る。
立ち上がろうとする人狼、
だがその足元はフラフラだ。
フラフラになりながらも向かって来る人狼。
その土手っ腹に
綺麗な弧を描いた回し蹴りを決めるアイリン。
人狼は腹を押さえその場に崩れ落ちる。
アイリンは深呼吸をして発する
――淫夢 ・攻
その言葉と共に歪む空間。
いつの間にか、
弱った人狼の体には拘束具、口には猿轡が。
アイリンの手には巨大な
『鞭打ち千回の刑』
アイリンはその太く長い
巨大な鞭を高速で振り回し、
拘束され身動きが取れない人狼の背中を
何度も打ちつける。
空を切り裂き、
ビュンビュンと
猿轡で声を出すことが出来ず、
呻き声のみを上げる人狼。
背中の毛は抜け落ち、
皮膚には大きなミミズ腫れが無数に浮かぶ。
人狼は失神し体をピクピク痙攣させている。
女子高生を家まで送り届けたリリアンは、
状況を確認するように言った。
夜空の満月をしかめっ面で見上げるアイリンだった