だって、地球は丸いんですから
文字数 2,146文字
ミーティングルームの一室、
部屋のソファーに座り話をする
慎之介と
そして捕まった筈のメディッサ。
彼女の壊れたゴーグルは修理され、
再び目を覆い隠している。
頭の白蛇も今はメディッサの言うことを聞き
大人しくしているようだ。
慎之介の手回しで、
監視を徹底するという条件付きで
話をする時間的猶予を貰ったのだが、
部屋の空気は当然ながら重苦しい。
メディッサから身の上話や
密入国の動機や経緯を聞いた後、
慎之介は改めて彼女が置かれている現状を説明した。
サムエラがきまり悪そうに反応する。
その言葉に臆する様子もなく、
メディッサの言葉は力強い。
さすがの慎之介も
その異世界出身者の感覚には
少しばかりついていけない。
八方塞がりの中、
停滞した時間ばかりが過ぎて行き、
話し合いのタイムリミットまで
もうそれほど残されていない。
諦めることを諦めた筈のメディッサが、
また諦めることを
自分に言い聞かせようとするかのように言葉を発した。
ゴーグルでその目を見ることは出来ないが、
泣いているのではないかと思われるメディッサ。
その心に届く言葉を探して
慎之介は再び語り掛ける。
自分には何も出来ないが、
まずはここで自分が
励ますことを諦める訳にはいかない。
慎之介の問いに涙声で答えるメディッサ。
テーブルの上に紙を置き、
丸を描いて線を引き説明する慎之介。
それを脇から見ていたサムエラは