ネクロマンサー幼女

文字数 1,266文字

う、うぅっ……
お、おばあちゃん!
それからしばらくしてのことだった。


フランケンのお嫁さんとなったおばあちゃんは

突然倒れて、病院に運ばれる。

おばあちゃんは、以前から

全身の筋力が著しく低下する病気に掛かっていた。


心臓の手術をしたのも、機械を埋め込み

強制的に心臓を動かし続けるための処置でもあった。

……フランちゃん

……ごめんなさいね

……せっかくフランちゃんの

お嫁さんにしてもらったったのに


……なんにもしてあげられなくて

……お、おばあちゃん

やがておばあちゃんは、

声を出すことすら出来なくなり、


人工呼吸器を付けて辛うじて

生命活動を維持するだけの存在となった。

う、うぅっ……
途方に暮れて泣いているフランケン。
ほほう
こちらの世界に来ているという

人造人間を探していたのじゃが

これはまた、随分と面白い場面に

出くわしたもんじゃな

……だ、誰だ、お前は
他人の筋力を奪って誕生したお前の、

その花嫁が筋力の低下で死にそうだとは……


これまた随分と皮肉なもんじゃのう

この世界でいうところの、

因果応報というやつなのかのう

……
まぁ、心配せずともよい
このワシが助けてやろう
……ほ、本当か?
あぁ、本当だとも
……ど、どうやって?
お前、まさか、

自分がどうやって生まれたのか、

忘れた訳ではあるまいな?

やはり、あれか?


その見た目が

筋肉ダルマなだけあって


お前は脳ミソも筋肉なのか?

脳筋なのか?

先程も言ったであろう?
お前は、他人の筋力を奪って生まれたのだと
お前のその馬鹿力も、腕力も脚力も


そもそも、すべては

他人から奪って来たもの

まぁ、この先は、

言わずともわかるな?

……そ、それって
そうじゃよ、

お前の時と同じことをするのじゃ

お前の嫁に

さすれば、

完璧にお前と同種族の


まさしくお前の花嫁に

相応しい存在となるじゃろう

……そ、そんなことが、

で、出来るのか?

お前の創造主である

ベクター・フランケンシュタイン、

紛れもなく稀代の天才ではあったが


ワシはそれを遥かに凌駕する大天才

魔法から錬金術に至るまで、

ありとあらゆるすべての術を修得せし

究極のネクロマンサー


それがワシじゃ

まぁ、見た目は九歳の幼女じゃがな
……そ、そうなのか?
その為には、お前にも

手伝ってもらわなくてはならん

……な、なにを、

す、すればいいんだ?

さっきからずっと言っておるだろう


お前が生まれた時と

同じことをするのだと

お前、やはり、あれか?

脳筋なのか?

お前の創造主は、お前をつくる時

まず何をした?

……し、死体を集めた
まぁ、そういうことじゃのう
ワシが、お前の嫁の肉体として

適してそうな遺体を探すから、

お前はそれを運ぶのじゃ

さすがにこんな

非力な幼女の姿では、

ワシ一人で遺体も運べんからな

念動力なんか使ったら、

目立ってモロバレだしのう

……
幸い、ここは病院じゃからな
遺体安置所とか

霊安室とか呼ばれている

部屋があるじゃろ

早速、活きのいい死体が無いか

見に行くとするかのう

……ほ、本当に

お、おばあちゃんを助けられるんだな?

安心せい
ワシが、

ベクター・フランケンシュタインを

超える天才だと証明してやろう

(それが、そもそものワシの目的じゃしな)
……お、おばあちゃん
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