第51談 セカンドライフとメタバース

文字数 1,606文字

こんにちは。

一週間ぶりになりました。
とりあえず、短編一作と連載中の小説が1話書けたので……
これからは小説の合間にこんな感じで不定期に呟こうと思います。

さて、標題のセカンドライフは、定年退職した私の今の生活……ではなく、3D-CGによる仮想現実世界の"Second Life"です。

アメリカのリンデン・ラボという企業が作り上げたセカンドライフは、15年ほど前にAppleなどの大企業も広大な仮想世界の土地を買ったり、様々な投資をして話題になりました。

そこでは自分専用のアバターが仮想現実の世界に暮らします。
先ずは、歩いたり空を飛んでいろいろと見て回る。劇場もあれば、公園や海水浴場もあり、サーキットでレースもやっている。気に入った場所はマーク(座標を記録)しておけばすぐにワープできます。
土地や不動産も含め、多くの物が購入可能。リンデン・ドルという仮想通貨を購入したら、先ずは衣服や身体や顔、それに自分の土地を手に入れ、そして物作り。家や、服や、乗り物を作り、良い物が出来ればそれを売って利益を上げることも可能。
そして一番楽しいのが、他の住人とのコミュニケーション。ゲームのように勝ち負けもないし、人を傷つけてはいけないので争い事は起こりません。

15年前、現実世界でも3D-CGに関わっていた私はどっぷりハマり、毎日数時間、休みの日は半日くらい仮想現実に身を置いていました。
買った土地に家を作り、そこに様々な仕掛けを作り、自分で作ったUFOを乗り物にしていましたが、自宅には多くの人が訪れ、デザインセンスを褒めて頂きました。売り物にまでは出来ませんでしたが、ちょうど今ノベルデイズに小説を投稿しているのとよく似た感覚でした。

同じブロックのご近所さんや趣味の合う人と親しくなって、チャットしたり、家を訪ね合ったり、クラブに行って踊ったり(踊るのはアバター)、友達が出演するファッションショーやコンサートに行ったり、意気投合した女の子(ホントは男だったかも?)と遊園地でデートしたり。

親しくなった何人かはオフでも会いしましたが、建築家、デザイナー、SE、役者と、クリエイターが多かったのは、セカンドライフでは基本的に、何かを「創る」こととそれを「見せ合う」ことが、会話することや行動することと同じかそれ以上に重要だったからでしょう。

隣のブロックに魅力的な老人がいました。
電気機器メーカーを定年退職した元エンジニアは、セカンドライフを生き甲斐にして、自分の屋敷に噴水を作ったり、花火を打ち上げたり、いろいろなプログラムを自作してそれを披露していました。どこかに出かけることもなく、訪ねてきた人とゆっくり語り合う。

チャットがコミュニケーションのベースなので、現実世界よりゆったりと流れる時間と、自分の夢を簡単に形にできる仮想世界が心地よく、いつか定年退職したら自分もこの人のように仮想現実を楽しみたいと考えていました。
しかし、世間で予想された流行は訪れないままセカンドライフも次第に忘れられ……。
私もリアルライフが忙しくなって、しばらく放置していたら自分のアバターは幽霊になっていました。(苦笑)


(画像は2年前にログインしたときのもの)

今、コロナ禍で、リアルライフとバーチャルライフを統合した「メタバース」が注目されています。
もう15年も前にメタバースを先取りしたような世界だった……と、アラフィフの頃の体験を思い出したのですが、セカンドライフはきっと登場が早過ぎたんですね。

因みに、セカンドライフはまだ現存します。
https://secondlife.com/?lang=ja-JP

久々にやってみようかな?

A:1,000文字超えちゃいましたが、許してください!
B:許さん!……と言いたいとこだが、まぁ今回だけ大目に見よう。


老人は死なず、たとえ死んでも仮想世界で生き続ける……かも
(2021.8.25)

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