第38談 芸能山城組

文字数 2,125文字

おはようございます。

今日、8月6日は私の大切な方のご命日でもありますが、76年前に広島にあの怖ろしい原子爆弾が投下された日。
間もなく原爆投下の午前8時15分。犠牲となった方々に深く静かに祈りを向けさせていただきたいと思います。……合掌……。

一昨日、モデルナのワクチン接種2回目を終えた2人の家族のうち、還暦過ぎの妻は微熱程度でしたが、20代の息子は昨日の朝方から39℃台の熱に苦しんでいました。こういう姿を間近で見るとワクチンを怖がる人の気持ちもわかります。それでも、私の家族はコロナウイルスの方がより怖ろしいと感じてワクチン接種を選んだわけですが、おかげさまで夜には37度台前半まで下がりました。

さて、昨日に続けて今日も音楽の話題です。

「芸能山城組」と言う名前は、ある程度の年齢層のアニメ好きの方なら『AKIRA』の音楽を担当したアーティストグループとピンとくると思います。
或いは、新宿三井ビルディング前55ひろばで毎年行われている「ケチャまつり」でその名を知った方もいらっしゃるかもしれません。残念ながらコロナ禍の昨年から2年連続で開催取りやめとなっていますが。

実は40年以上も前のことですが、私もほんの一瞬このグループに(このペンネームではなく本名で)「加入」していたことがあります。

インターネットで情報を自由に得られるようになった今は、主催者の山城祥二さんが農学博士で『情報環境学』の著者である大橋(つとむ)氏ということは誰でも判りますが、芸能山城組が活動を始めたばかりの頃は公然の秘密でした。

山城先生の関係で、初期のメンバーの殆どは東京教育大(今の筑波大)やお茶の水女子大の学生で、特に女性が多かったのですが、ケチャを演るようになってから社会人も含めた男性がどんどん加入するようになり、私も「とあるきかっけ」で加入しました。

その数年前、たまたま彼らの地声コーラスのレコーディングを見学する機会がありました。
専門学校時代にお世話になった故・小泉文夫先生が声を掛けてくれて、ビクターのレコーディングスタジオを訪れたのです。
その時はまさか、数年後に自分がそのグループに「加入」するなど夢にも思いませんでしたが……。

それはある出会いがきっかけでした。
当時の山城組に大学生が多いことは前述しましたが、日本女子大にも小さなグループがあることを私は知りませんでした。
私は、その1年前に知り合った(山城組とは無関係な)女子大の学生を訪ねて目白祭に足を運んだのですが、残念ながらすれ違いで彼女と会うことが出来ず、がっかりして帰ろうとしたときに偶然「芸能山城組」のコーナーを見つけたのです。
メンバーとして活動する彼女たちに、私が以前にレコーディングを見学したことを伝えると、(年齢的に)そこには誰もいなかったにも関わらず、女子大生たちはすごく喜んでくれました。その子たちは以前に訪れた某女子大と違ってすごくフレンドリーで、私はその中の一人と親しくなって——真面目な女子大生だったのであくまでもお友達ですよ——何度か会ううちに、彼女に乗せられて……元い、誘われて山城組に加入することになったのです。

その頃の私は、仕事のある時だけスタジオに顔を出すフリーランスに近いエンジニアでしたが、一方でバンドの活動もしており、いろいろとスケジュールが重なって誘われた練習に顔を出せなかったことで、おそらく自動的に除名扱いになってしまったと思います。
女子大生と会う時間は作れたのに、練習に行く時間は作れなかったのかって? その辺を突っ込まれると脇が甘いのですが。(苦笑)
練習の誘いは来なくなっても、それ以降もイベントの案内状だけは受け取っていましたので、一人の観客としてケチャ祭りには何度か足を運びました。

私の長女が女子大に入学した年、30年ぶりに訪れた目白祭で「芸能山城組」のコーナーを探してみましたが、残念ながら見つけられませんでした。見つかったところで何も期待できることはありませんし、娘からも「お父さん、それみつけてどうするの?」と突っ込まれましたが。(笑)

さて、その芸能山城組。その昔、スタジオでナマで聴いたブルガリア民謡の地声コーラスも大迫力でしたが、大勢の男性が様々なリズムパートを担当して16ビートいや32ビートのポリリズムを生み出すケチャの迫力は圧巻で、ドラマーとして一人でポリリズムを生み出す天才エルヴィン・ジョーンズや、16ビートの鬼デビッド・ガリバルディに憧れていた私も、その当時大いに刺激を受けました。

コロナウイルスのパンデミックが落ち着いて第45回ケチャまつりが開催されるようになったら、是非ご自身の目で耳で体験してみてください。
今はとりあえず2019年の第44回をYouTubeで……

https://www.youtube.com/watch?v=BoytUYGEgCE&t=2s
(例によってコピペが必要なURLですが、ご興味をお持ちの方はご覧ください)

それにしても私が20代の頃から延々と40年以上続けているのは凄いことです。
これこそサスティナビリティーの好例ではないでしょうか。


老人は死なず、継続は力なりとただ感服するのみ
(2021.8.6)
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