第21談 愛?

文字数 851文字

おはようございます。

今、都内の病院に来てます。
脚の悪い私はいつもクルマで移動します。
オリンピックの交通規制があったためかなり早めに出たら、都心はむしろ空いていて、予定より1時間以上早く着いてしまいました。
まだ受付も始まらないので、クルマの中で待機しています。

昨日書かせていただいた続きのような感じですが、実は私も自ら死を選ぼうとしたことがあります。
遺書を書いて、覚悟してというような感じではなく、ふーっと死に魅せられて、死に場所に足が向いてしまった。
それは鬱状態の時でしたが、私はその直前で思い止まりました。
何が自分の心に、行動にブレーキを掛けたかと言うと、それは何人かの人の顔でした。
命の恩人とも言える師匠や、人生の道標を示してくれた先輩、そして家族や友人の顔。
もしそうした方々が思い浮かばなかったら、私はすーっとそちらの世界に行ってしまったと思います。

昨日から、京アニの皆さんが精魂込めて作ったアニメーション『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を見始めました。
主人公のヴァイオレットは、「愛」という言葉の意味を、「愛してる」という気持ちの意味を探し続けています。

「愛」とは他を強く思う心……と私は考えます。
親愛、恋愛、純愛、仁愛、慈愛から、熱愛、更には寵愛、偏愛、溺愛、盲愛まで。
愛にも様々な形がありますが、自己愛を除いて愛は他者があってはじめて成立すること。
私たちは一人では生きていけませんが、世の中には愛を十分に受け取れない人もいれば、愛を失って悲しむ人、愛の重さに苦しむ人もいる。

無償の愛、慈しみの愛など、自らを顧みず他の幸せを願って行動すれば、それは仏教の「利他」に通じます。

コロナ禍で「利他」という言葉が語られるようになってきました。元々大乗仏教から生まれた言葉ですが、社会学には「利他主義」という言葉もあるようですね。

そろそろ受付の時間です。

次回はこの「利他」と、私が考えた造語「思他」のことを語らせていただこうと思います。

老人は死なず、他を思える今に感謝するのみ
(2021.7.20)
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