第92談 トップガン・マーヴェリック

文字数 1,478文字

おはようございます。

前回、コロナウィルスやワクチンに関わるユダヤ人陰謀説について書かせていただいた後、いろいろ調べてみたら、ヨーロッパでは黒死病と言われたペストが流行する度に、神(=キリスト)を冒涜する(=帰依しない)ユダヤ人に矛先が向けられ、多くのユダヤ人が迫害されたり命を奪われた痛ましい歴史を知ることが出来ました。

14世紀には、フランスで「ユダヤ人が井戸に毒を入れた」という噂から多くのユダヤ人が命を奪われていますが、同時代の人々は「疫病はユダヤ人がキリスト教世界に毒を行き渡らせるために流行させた」と信じていたため、ペストが流行する度にヨーロッパ各地でユダヤ人陰謀説が流布され、多くの虐殺事件が発生しています。
ペストの陰謀説って、昨今のウイルスやワクチンに関するユダヤ人陰謀説と全く同じじゃないでしょうか?

そう言えば日本でも関東大震災の時に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という噂が流れ、多くの朝鮮人が惨殺されたと言われていますが、人は自分に理解できない不条理や恐怖を目にすると、誰かを犯人(原因)にしたがります。それは人間の性というか因縁なのでしょうか?

時代は変わっても、何かよくないことが起きる度に「ユダヤ人の陰謀」が流布されるわけで、恐怖心や不安を利用すれば、どんな時代でもヒトラーのような独裁者やナチスのような集団は現れ得る……と最近感じます。


さて、話題を変えましょう。
昨日は妻と二人で『トップガン・マーヴェリック』を観てきました。
上映二ヶ月目の大ヒット作なので、ご覧になった方も少なくないと思いますが、評判通りなかなか良かったです。
まだ観ていない映画好きの息子に「ベタだけど感動した」と話した通り、涙もろい私は(そんなことありえんだろ!)と心の中で叫びながらも、うるうるしてしまいました。

映画の舞台となる「敵」は架空の国ですが、ヨーロッパ北部を想像させる風景に、独裁者の政権下で核武装しようとしている元NATO加盟国という設定。
去年だったら荒唐無稽に思えたかもしれませんが、今の時代だと妙にリアリティを感じます。

実は、前作の『トップガン』は、その昔レンタルビデオのVHS(笑)で何本かまとめてみたうちの一本だったので、ストーリーもなんとなくしか覚えていませんでした。
そのため、映画館に足を運ぶ前に、妻から「前作を観ておかなくても大丈夫なの?」と尋ねられたときに「そんな難しい映画じゃないから観なくても良いと思うよ」と答えていました。

確かに難しい映画ではないので、ストーリーはいきなり観ても理解できるし、楽しめます。
でも、もしこれから観る方がいらしたら、やはり前作から観ておくことをお勧めします。

例えば、本作のヒロインであるジェニファー・コネリー演じるペニー・ベンジャミンは『トップガン』には出ていなかったはず? と思ったら、画面にこそ現れなかったものの、その名前は会話の中に二度も登場していたんですね!
そんな感じで、前作へのオマージュが至る所にあり、前作の流れを伏線として回収する部分もあるようです。

前作でのライバル、アイスマン役のヴァル・キルマーが病のために声を出せない将軍の役を演じていましたが、実際の彼も喉頭癌なんですね。
そして、前作の監督だったトニー・スコットが10年前の8月19日に亡くなっていたことを本作のエンドロールで初めて知りました。

「考えるな! 行動しろ!」と言う台詞は色々なところで使われそうですが、兵士ではないわれわれは考えることも大切です。


老人は死なず、(認知症で)考えられなくなる前に行動したい
(2022.7.24)
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