第5談 イヌ好きクルマ好きに限らず万人に薦めたい映画

文字数 1,490文字

おはようございます。

ネコの次はイヌと思いましたが、イヌをメインに据えた映画はネコムービー以上にありますね。でも私はあまり感動した記憶がありません。
もしお薦めのイヌムービーがあったら教えてください。因みに、ラッセ・ハルストレム監督の『僕のワンダフル・ライフ』はまだ観ていませんが。

そんな訳で、どうしてもイヌと聞くとネコよりもテンションが低くなってしまう私ですが、これから紹介する映画には泣かされました。
タイトルは『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』。
これも☆4つ半です。
2019年のアメリカ映画ですが、残念ながら日本では劇場公開されていません。私はAmazon Prime Videoで観ましたが、DVD/BDも国内ではリリースされていないようです。

この作品もベストセラーの同名小説(エンツォがエンゾですが)の映画化で、監督は「マリリン 7日間の恋」のサイモン・カーティス。
オリジナルタイトルは"The Art of Racing in the Rain"と、なんだか亡きアイルトン・セナを彷彿させるようなタイトルですが、雨のレースが得意だったセナの映画ではありません。なので、これを直訳しても日本人にはピンとこなかったでしょう。

主人公ならぬ主犬公のイヌの名はエンツォ。その声をケビン・コスナーが演じています。
えっ!? イヌが喋る映画? ……安心してください、心の声です。

そのエンツォという名前にピンと来た人はかなりの自動車好きですね。
コマンダトーレ(騎士団長)と呼ばれたフェラーリ創設者エンツォ・フェラーリのファーストネームだからです。
Amazonでこの映画を見つけたとき、私がすぐに飛びついた理由は、タイトルよりもタイトルバックの写真画像。主人公とエンツォが乗っているクルマの一部分を見て、1957〜58年のフェラーリ250TR(テスタロッサ)/57とピーンときました。

(画像は以前所有していた1/18スケールのミニカー)
たった22台しか製造されず、オークションで十億円のプライスが付くような歴史的レーシングカー(2万円で買ったミニカーはYahoo!オークションで4万円で売れました)。たとえレプリカだったとしても、このクルマを小道具に使うような映画なら相当凝った作品だろうと想像したのですが、私はクルマには人一倍うるさいうえに、小道具が嘘っぽかったり時代考証がいい加減だとテンションが下がって映画自体をまったく楽しめなくなってしまう類いの人間です。
しかし、この映画はそんな私の期待を裏切らない出来でした。
主人公の日常の足はBMW3.0CSという歴代BMWで最も美しい(と私が思っている)1970年代の2ドアクーペ。もちろん250TRも登場しますし、他にも名車が沢山。さらにクライマックスではなんと……おっとネタバレ厳禁。(映画.comのレビューはネタバレが多いのでお気をつけください)

こんなことばかり書いていると、なんだ自動車マニア向けなのか……と思うかもしれませんね。
でもクルマはあくまでも小道具。

この映画の本題はイヌのエンツォを語り部に家族の物語を描いたドラマです。
なにしろエンツォの声がケヴィン・コスナー。台詞だけでなくその声に耳を傾けてください。
ですので、この映画を観るなら是非オリジナル音声の字幕版で。

これ以上多くは語りません。百聞は一見にしかず。いや百読は一視聴にしかず。
気になった方は是非観てください。
イヌ好きクルマ好きに限らず、この映画に涙する人も多いのでは?
私はイヌが好きになりました。(笑)

老人は死なず、ただ微笑むのみ
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み