第87談 ブック・オンデマンド

文字数 1,704文字

おはようございます。
昨日に続いての今日なので、久々の日記になります。

オンライン投稿をオフにして、一人の執筆に専念しようと思い、この雑記からしばらく距離を置いていましたが、一人で書き続けるのはなかなかしんどいものですね。

そこへいくと、書いたものをすぐに読んでいただけるオンラインの執筆はありがたいもの。とあらためて感じました。
昨日今日と連続の投稿ですが、明日のことは判りません。
あまり気張らずに、気が向いたときに思いついたことを書かせていただこうと思います。

今日の表題は四半世紀ほど前に私が作成した企画書のタイトルです。
ノベルデイズで、未村明さんの『NovelDaysに紙の本作成サービスがあったらいいなを妄想する』を読ませていただいて、その企画書を思い出しました。

30年ほど前、インターネットに繋ぐには専用線を契約するか電話回線しか無かった時代に、今では当たり前になったビデオ・オンデマンド(ネット普及前の当時はケーブルテレビを利用)にヒントを得て、AIを利用した『リソース・オンデマンド』を考えました。それは今の時代にやっと実現できるかどうか——というかなりハードルが高いアイディアでした。
この「リソース・オンデマンド」のことは、いずれあらためて書かせていただきます。
その企画を練っていたときに、より実現性が高いものとして「ブック・オンデマンド」を思いつきました。

世の中には絶版になった出版物が山ほどあります。
また著作権がフリーになった作家の作品にはなかなか書物として入手が難しいものも。
そして、アマチュアの作家がごく少数の自費出版を望んでも、ある程度の冊数がまとまらないと本には出来ませんでした(当時の話)。

そこで考えたのが、当時流行り始めたDTPのサービスビューローを利用して1冊から本を印刷製本するシステムでした。
いずれインターネットの回線が速くなったら、オンデマンドで発注して宅配便で自宅に届けることも考え、それを「ブック・オンデマンド」と名付けた訳です。

門外漢だった私がDTPに携わるようになって、まだQuark Expressによる入稿と目視による色校正が主流だった時代に、コスパに優れるフルデジタルの色校正とPDFによる入稿システムを導入しました。
その頃、取引先だった某大手印刷会社(D社ではないほう)の営業の方に「ブック・オンデマンド」の話をしましたが、当時は「技術とコストの折り合いがつかない」と言わせれました。万単位の印刷が主流の会社では当然のことですね。

その後、デジタルカメラの普及が進み、写真のプリントを焼かない人々を対象に、アプリを使ってオンラインで発注して1冊から望んだ冊数を印刷製本して自宅に届ける写真集(Photo Book)が、Appleや富士フイルムで商品化されました。

当然のことながら、その後は小説やエッセイなど文字ベースの本も簡単に作れるようになりました。それもかなりリーズナブルな料金で。
今なら、EPUBやPDFでオンラインブックを制作し、それをオンデマンドで印刷・出版することも難しくないと思います。
でも、それは作家側の話。

未村さんが言われるように読者が希望すれば「本」としてお届けできるビジネスを展開すれば、オンラインノベルはもっと活気が出てくるかもしれません。

ノベルデイズはブラウザーで縦組みが選べますから、本に近いイメージで読んでいる人も少なくないと思います。
「イイネ!」やファンレターとは別に「書籍化」のオプション(ここは「BOOK」ボタンにして欲しい)を設けて、代金の一部が作者に支払われるシステムにしてはどうでしょう?
クレジットカード決済にすれば有料化はそれほど難しいことではありませんし、以前に提案した「投げ銭システム」(星一つ10円とか100円の有料「イイネ!」)も同時に実装できるかもしれません。

書籍化が多い作家は、小銭も得られる上に、それもランキングに反映されるというわけです。

なんてここで言っててもやっぱり妄想ですかね。(笑)


老人は死なず、まだ世の中で実現していない昔のアイディアを死ぬ前に少し掘り起こそうと考え始めた
(2022.7.17)
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