第106話 GOD&DOG
文字数 931文字
それは、次のようなものだ。
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中村鶴吉さん曰く
◎島根は「神の国」。スサノオノミコトが高天原より出雲の国に降りられ、ヤマタノオロチを退治され、オオクニヌシノミコトが国造りされた。
◎古代、この地に優れた文明があったことは、歴史的な事実であるだろう。
◎その優れた文明を創出した人々と共にあったのが、島根の日本犬である。
◎その後、島根は文明の中心からは遠ざかっていった。
◎しかし、近代になり、島根の中でも県東部(出雲部)は交通網が発達。
◎それと共に純粋なる日本犬は、絶えた。
◎結果、県西部(石見部)の奥地にだけ、神代当時からの純血を保つ日本犬が少数残っている。
とのことだ。
なんと、スサノオノミコト様や、オオクニヌシノミコト様のおそばに、石州犬の祖がいたのかも? と思うと、ロマンいっぱいだ!
そういえば「神と人」、そして「人と犬」との関係は、似ているような気がする。
「神」というのを大きな自然と捉えたら、その中で生かされている私たちは、その固有の自然や風土の影響を受ける。そして犬もまた、人と暮らすことによって、互いに影響し合ってきただろう。
西洋の犬は、西洋人っぽいし、日本犬は日本人ぽい。
ちなみに、麻布大学の獣医学部教授の菊水健史先生によると、犬と人は触れ合うと、「オキシトシン」という幸せホルモンが出るとのことだが、日本犬は「見つめ合うだけ」で、そのホルモンが出るという。
確かに、西洋の人々は、ハグをする習慣があるが、日本人はそうではない。
日本の自然環境や風土が、日本人の感性や国民性を育み、日本犬もその影響を受けていると思うと、とても面白い。
つくづく、人間と犬の関係は、他の動物にはない、独特の絆があるように思う。
これは、偶然だと思うが、英語の神「GOD」を逆にすると「DOG」となる。共に、人間にとっては、大切な存在と思う。
次号に続きます。
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※中村鶴吉さんの文章を書き起こしていますので、関心のある方はこちらをご覧ください。
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